先日はあいにくの天候だった ヴェルサイユ宮殿 ですが 今回は、テレビの天気予報で を確認して出かけました |
さて、ここからはこの旅一番の目的である李 禹煥 ヴェルサイユ展です
ヴェルサイユ宮殿は国際的に活躍する韓国人現代アーティストの李禹煥をゲストアーティストに迎え 2014年7月17日~11月2日、その作品をヴェルサイユ宮殿内や庭園の随所で特別展示しました |
【ヴェルサイユのアーチ】
二十数年前に日本の田舎で、虹のかかったまっすぐ長い道を歩いている時 こういう作品を作りたいと思った ここに立った時、それを思い出し、虹をかけるようなアーチを作ろうと決めた |
2度も訪れたのは、この「ヴェルサイユのアーチ」を青空の下で観たかったから・・ 左の青空の下でのアーチは右と比べ、圧倒的なインパクトだと思いませんか |
【関係項 タイタンの杖】
ギリシャ神話の神タイタンや伝説上の巨人の休息をイメージ |
【関係項 ダイアログX】
自然のものの象徴である石と人工的なものの象徴である鉄、そして世界がここで対話している |
どちらかと言うと、ピーカンよりも上のような薄曇りの撮影が好きなのですが これらの作品の場合、「作品が作り出す影も重要な要素」ではないでしょうか |
【関係項 風の羽根】
全長335メートルの王の散歩道(別名 緑の絨毯)に一瞬、風が吹いて草が波のように なびいているように見え、「風による波、風の羽根」のイメージが浮かんだ |
【関係項 Four Sides of Messengers】
子供たちが石の上にのっただけで、小難しそうに見えるアートも一気に距離が縮まりませんか?
【関係項 ダイアログZ】
石と鉄板と木々がひそやかな会話を交わしている 木漏れ日が鉄板の上でゆらぎ、風の歌が聴こえる |
【関係項 星々の影】
「星の樹木庭園」に、廃墟の一角のような場を作り、石を星座のように並べて それぞれの思いを抱えながら、石たちが語り合っている広場を演出した |
これも「ヴェルサイユのアーチ」同様、青空の下でなければ、その意味が半減するでしょう と言うのも、本物の影とは別に、作者はグレーの塗料で砂利に影を描いているからです 本物の影と描いた影が重なる時もあれば、隣り合う石の影と連結したり・・ 変化する面白さ |
【関係項 墓、アンドレ・ル・ノートルへのオマージュ】
李禹煥がヴェルサイユ宮殿のゲストアーチストに決まったのは2013年 ヴェルサイユ宮殿の造園をしたアンドレ・ル・ノートル生誕400年の年でした 今回の展示はル・ノートルに対するオマージュ、そのオマージュの象徴です |
関係項 橋の大地 | 関係項 綿の壁 |
李禹煥は1938年、韓国で生まれ20歳の時に来日し、大学で西洋哲学を学び、 その後 半世紀に渡って日本の現代美術を牽引してきました 大学卒業後は絵を描いたり、南北統一運動に関わったりしながら、行くべき道を模索していた ソウルの高校に通っていた頃、ソウルは朝鮮戦争で、建物は壊れ、壁だけが残っていたり、 足元には何か分からないものの上に壊れたものが載っていたり・・ たいへん印象深かった 廃墟のイメージがずうっと脳裏にあり、それが凝縮、整理され、やがて産業が作り出した鉄や 自然の石を置くことによって、過去や未来を思い起こすヒントを提示したいと思った |
※ 今回は庭園入園料なし! 前回、庭園入園料を徴収された理由は ここ をクリックしてご覧ください
'14France・美術館めぐり・ヴェルサイユ宮殿 |