『SWITCHインタビュー 達人達』
毎週土曜日午後10:00~11:00、NHK・Eテレにて放送
今月から放送が始まった新番組『SWITCHインタビュー 達人達』。
異なる分野で活躍している「達人」2人が、途中から聞き手をスイッチ=交代しながら、互いの生き方や仕事の流儀について語り合うというトークドキュメント番組であります。
異なる世界に生きる人間同士の語り合いから、それぞれの世界を垣間見ることができるとともに、意外な共通点や響き合いなどが見られたりもして、なかなか興味深く面白い番組となっています。放送が始まって以降、けっこうハマって観続けております(といいつつ、昨夜放送されたアスリート・為末大さんと、移植外科医・加藤友朗さんの回は飲みに出かけていて観られませんでしたが•••)。
きょうの午後、第1回放送(初回放送は4月6日)となった格闘家・アントニオ猪木さんと心臓外科医・天野篤さんの回が再放送されました。お二方の話はけっこう面白かったので、あらためて再放送を観ました。
昨年、天皇陛下の心臓手術を執刀した天野篤さん。難易度の高い冠動脈バイパス手術を得意とし、年間400件、通算で6000件もの手術を手がけてきた「手術の鬼」です。
その天野さんが尊敬してやまないのがアントニオ猪木さん。猪木さんから贈られた「危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし」とのことばが、天野さんを支えているといいます。
プロレスと心臓手術、それぞれの分野で闘ってきた2人の男の語り合いには、あらためて心に響いてくるものがありました。•••こうして番組の内容を思い返していても、なんだかテンションが上がってきそうな気が(笑)。
天野さんは、自らが行ってきた手術を振り返りつつ、こう語ります。
「思いつきでうまくいったというのは認めない主義。物事がうまくいくときには根拠がある。高い再現性をもって、手術が完成していく」
猪木さんはこれまでの経験から、戦わずして勝敗がわかってくるようになった、と言います。
「人の試合を見ていても、どっちが勝つかよくわかる。顔を見ていればわかる。いくら意気がっていても隠している部分がある」
「信頼関係」をめぐるお二人のやりとりも興味深いものでした。天野さんは、患者の身体を傷つけることになる手術にあたっては、「患者になりきる力『患者力』が大事。医者と患者、お互いの率直な気持ちのやりとり」が、互いの信頼関係を築くことになる、と語ります。
それを受けた猪木さんは、1989年に旧ソ連のレスラーを招聘したときのことを語り出します。
猪木さんは、旧ソ連のレスラーたちに、プロレスで大事な“4つの柱”について話したといいます。それは「ケガをしないための受け身」「攻めの技術」「感性と表現力」そして「戦いを超えた信頼関係」だった、と。それは、旧ソ連のレスラーたちの気持ちをも動かした、といいます。
もっとも心に残ったのは、“一歩を踏み出す”ことの大切さをめぐる話でした。
天野さんは、自分ができることをやらなかったことで後悔することが怖い、といい、
「一歩を踏み出す勇気が、今ほど必要だと思えるときはない」
と語ります。
そして猪木さんは、これまでのレスラー人生や、興行やビジネスを通じての海外との結びつきを振り返りながら、こう言います。
「お客さんより意表を突く冒険心がなければ。猪木の常識=非常識」「一歩を踏み出そうという意識を持っていないと」
昨年観た『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、その生き方と哲学に深く魅せられた天野さんのことばにあらためて頷かされるとともに、猪木さんという方もなかなか興味深く面白い人だなあ、と認識を新たにしたのでした。
第2回(4月13日放送)は日産とルノーのCEOであるカルロス・ゴーンさんと、宇宙飛行士の山崎直子さんでした。
ともに異文化が混じり合う場で仕事をしているお二方。異文化コミュニケーションについての話で山崎さんが、
「文化が違うからこそ、言うべきことをちゃんと口に出さなければ」
と語ると、ゴーンさんは、
「共通の目標さえあれば、多様性は強みだ」
と言います。
さらにリーダーシップをめぐるやりとり。ゴーンさんはこう言います。
「(リーダーの下す決断は)チームにとって予想外の決断であってはならない」
そして、山崎さんはこう言います。
「誰が決定し、責任を持つのかを明確にしておくことが必要」
第3回(4月20日放送)は、『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家・荒木飛呂彦さんと、作曲家・千住明さん。
キャラクターの詳細な“身上書”まで準備して、魅力的なキャラクターを創り上げていくという荒木さん。
「極端なことをいえば、いいキャラがいればストーリーもいらないし、絵も下手でいい」
と言います。
そして千住さん。父親から教わったという、「すいている電車に乗れ、というパイオニア精神」という話や、
「一番大切なのは、いろんな人たちから影響されること」
ということばが印象に残りました。
次回(5月4日)は構成作家・脚本家の小山薫堂さんと、アートディレクターの佐藤可士和さんの組み合わせ。どんな興味深いお話が聞けるのか、すごく楽しみであります。
毎週土曜日午後10:00~11:00、NHK・Eテレにて放送
今月から放送が始まった新番組『SWITCHインタビュー 達人達』。
異なる分野で活躍している「達人」2人が、途中から聞き手をスイッチ=交代しながら、互いの生き方や仕事の流儀について語り合うというトークドキュメント番組であります。
異なる世界に生きる人間同士の語り合いから、それぞれの世界を垣間見ることができるとともに、意外な共通点や響き合いなどが見られたりもして、なかなか興味深く面白い番組となっています。放送が始まって以降、けっこうハマって観続けております(といいつつ、昨夜放送されたアスリート・為末大さんと、移植外科医・加藤友朗さんの回は飲みに出かけていて観られませんでしたが•••)。
きょうの午後、第1回放送(初回放送は4月6日)となった格闘家・アントニオ猪木さんと心臓外科医・天野篤さんの回が再放送されました。お二方の話はけっこう面白かったので、あらためて再放送を観ました。
昨年、天皇陛下の心臓手術を執刀した天野篤さん。難易度の高い冠動脈バイパス手術を得意とし、年間400件、通算で6000件もの手術を手がけてきた「手術の鬼」です。
その天野さんが尊敬してやまないのがアントニオ猪木さん。猪木さんから贈られた「危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし」とのことばが、天野さんを支えているといいます。
プロレスと心臓手術、それぞれの分野で闘ってきた2人の男の語り合いには、あらためて心に響いてくるものがありました。•••こうして番組の内容を思い返していても、なんだかテンションが上がってきそうな気が(笑)。
天野さんは、自らが行ってきた手術を振り返りつつ、こう語ります。
「思いつきでうまくいったというのは認めない主義。物事がうまくいくときには根拠がある。高い再現性をもって、手術が完成していく」
猪木さんはこれまでの経験から、戦わずして勝敗がわかってくるようになった、と言います。
「人の試合を見ていても、どっちが勝つかよくわかる。顔を見ていればわかる。いくら意気がっていても隠している部分がある」
「信頼関係」をめぐるお二人のやりとりも興味深いものでした。天野さんは、患者の身体を傷つけることになる手術にあたっては、「患者になりきる力『患者力』が大事。医者と患者、お互いの率直な気持ちのやりとり」が、互いの信頼関係を築くことになる、と語ります。
それを受けた猪木さんは、1989年に旧ソ連のレスラーを招聘したときのことを語り出します。
猪木さんは、旧ソ連のレスラーたちに、プロレスで大事な“4つの柱”について話したといいます。それは「ケガをしないための受け身」「攻めの技術」「感性と表現力」そして「戦いを超えた信頼関係」だった、と。それは、旧ソ連のレスラーたちの気持ちをも動かした、といいます。
もっとも心に残ったのは、“一歩を踏み出す”ことの大切さをめぐる話でした。
天野さんは、自分ができることをやらなかったことで後悔することが怖い、といい、
「一歩を踏み出す勇気が、今ほど必要だと思えるときはない」
と語ります。
そして猪木さんは、これまでのレスラー人生や、興行やビジネスを通じての海外との結びつきを振り返りながら、こう言います。
「お客さんより意表を突く冒険心がなければ。猪木の常識=非常識」「一歩を踏み出そうという意識を持っていないと」
昨年観た『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、その生き方と哲学に深く魅せられた天野さんのことばにあらためて頷かされるとともに、猪木さんという方もなかなか興味深く面白い人だなあ、と認識を新たにしたのでした。
第2回(4月13日放送)は日産とルノーのCEOであるカルロス・ゴーンさんと、宇宙飛行士の山崎直子さんでした。
ともに異文化が混じり合う場で仕事をしているお二方。異文化コミュニケーションについての話で山崎さんが、
「文化が違うからこそ、言うべきことをちゃんと口に出さなければ」
と語ると、ゴーンさんは、
「共通の目標さえあれば、多様性は強みだ」
と言います。
さらにリーダーシップをめぐるやりとり。ゴーンさんはこう言います。
「(リーダーの下す決断は)チームにとって予想外の決断であってはならない」
そして、山崎さんはこう言います。
「誰が決定し、責任を持つのかを明確にしておくことが必要」
第3回(4月20日放送)は、『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家・荒木飛呂彦さんと、作曲家・千住明さん。
キャラクターの詳細な“身上書”まで準備して、魅力的なキャラクターを創り上げていくという荒木さん。
「極端なことをいえば、いいキャラがいればストーリーもいらないし、絵も下手でいい」
と言います。
そして千住さん。父親から教わったという、「すいている電車に乗れ、というパイオニア精神」という話や、
「一番大切なのは、いろんな人たちから影響されること」
ということばが印象に残りました。
次回(5月4日)は構成作家・脚本家の小山薫堂さんと、アートディレクターの佐藤可士和さんの組み合わせ。どんな興味深いお話が聞けるのか、すごく楽しみであります。
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