一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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木工事完了検査

2009年09月18日 19時06分31秒 | 建築家の日記
▲ 現場でのチェックと打ち合わせ



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。


本日は、木工事完成検査を行いました。

大工さんの工事が終わり、内部の仕上げに入っていく前の段階です。




▲木工事が終わるこの段階から、仕上げ工事に入っていきます。





大工さんの話では、

「今まで、設計事務所の仕事は何軒もやってるが
 こんなに早く何でも決めてくれる設計事務所は無かった。

 他では、何か聞いても、お客さんと打ち合わせてから…となって
 週末まで毎回待たないといけない。

 だから、工事期間が予定より大幅に長くて困る…」

と言われました。

これはどういうことかというと、
設計事務所が、事前打ち合わせをあまりしない
また、設計の責任を取りたくないので

何でもお客様にお伺いを立てるということです。

これで困るのは職人さんで、

決断できない、仕事を先延ばしにされることほど
嫌なことはないのです。

1ヶ月でできることを2ヶ月かかってしまうと
もらえるお金は一緒ですから、生活できない…。
ということになるわけです。


これを避けるためには、事前打ち合わせをしっかり行うことと
現場へ工事中は足を運ばないといけませんが、

多くの設計事務所は、
残念ながら工事中にはほとんど足を運びません。







▲「うるさい設計事務所で申し訳ありませんでした…。」と大工さんに謝罪中!(^^)ゞ





▲大型床下収納の蓋の仕掛けについて、真剣に検討して大工さんの知恵を拝借します。





これ以降は、内部の状態が隠れてしまうので、ここまでが大切です。
スタッフを毎日現場へ行かせて確認しているのはこのためです。

今までの隠れる部分をいかに正しく工事を行ってもらうか
これで本来はすべてが決まります。

逆にこれ以降は、最後まで見えていますから
せっせと行く必要は、本当はありません。

完成後の見映えの問題だけですから、住宅の品質や性能には
関係なく、プロでなくてもおかしいと思うことはわかります。

私は仕上に関しては普通以上のレベルであれば、指摘はしません。

日本の住宅の問題点は、

隠れる部分には、無頓着で、完成後の見える部分にばかり目が行き
指摘してやり直すということがあります。



このことが、クレームを無くすために仕上がりに見映えさえあれば良い、
仕上がりにクレームのない工法が、健康面や耐久性より最優先する

という造る側のエゴで日本の住宅が造られていってしまうことです。


明日は、横浜市開港150周年記念行事の中で

建築に対する自らの思い、設計事務所の社会的役割などを
お話するよう神奈川県建築士事務所協会から言われていますので、

こういう点もお話したいと思っています。


 設計監理 住宅 

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