一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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木造の筋交い

2007年06月14日 14時08分20秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。


本日は、筋交いの話をしましょう。

木造軸組み工法(通常の木造と呼ばれる一番多い工法)には、地震から守るために筋交いがあります。

2×4工法では、筋交いが使われることはほとんどなく、合板を釘で打ち付けることにより、横からの力に対抗するようにしています。

木造の筋交いに対しては、その家にどれだけの筋交いが必要かだけは決められていました。ですが、阪神大震災以降、様々な考察や研究がなされ、反省を含めて指摘され、少しですが新たな決まりもできました。

このときに勉強して学んだ設計者や、その流れがわかって工事をしている職人さんなら良いのですが、今でも以前の考え方のままで良いと思われている方もいらっしゃいます。

宮大工だという触書で工事をされても、材料は良いものを使って、工事方法は知らない職人さんもいました。本当に一人前の宮大工なのかどうかということはありますが、

宮大工の建てる建物は、そもそも木造軸組み工法ではなく、寺社仏閣の木造伝統工法で、本来は別の工法だと思ってください。もちろん、本物の宮大工であれば、木造軸組み工法は簡単でしょう。

筋交いに話を戻します。筋交いの厚みが3センチ、4.5センチ、9センチというものが使われます。多いのは、以前は3センチ、最近は4.5センチです。

なぜ3センチから4.5センチになったかというと、前述の考察や研究で、阪神大震災クラスの大きな地震が来たときには、3センチの薄い筋交いでは、折れてしまう可能性があるとわかったからです。

筋交いは、家が揺れたときに、引っ張られたり押されたりして頑張っているのですが、この押されたときの力が強いと、その筋交いが折れることがあるのです。

そのため、最近は薄い3センチを大きな力の加わる1階にはあまり使わないのです。バランスなどを考えて敢えてそれを選択した設計者もいるかもしれませんので、これは原則として参考にしてください。


私が設計するときは、外壁の壁面は、2×4工法と同じように合板などで均一に固め、内部の間仕切り壁に厚いほうの筋交いをいれ強度を増します。このときには、平面的なバランスだけでなく、上下階のバランスと力の流れ方を考えて筋交いを配置します。この上下階の力の流れを考えていない設計者は、知らないのかもしれませんが、今でもかなり多いようです。



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