河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/7(土)15時 京都府民ホール・アルティ シューマン「ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調」Op.80 

番外編・D.ハーディング+マーラーチェンバーオケ

2006-12-17 22:53:27 | モーツァルト関連
NHK教育TVの、ダニエル・ハーディング指揮マーラーチェンバーオーケストラ演奏会、すばらしい!!

放送では、まずブラームス交響曲2番、続いてモーツァルト交響曲第6番K.43ヘ長調、ピアノ協奏曲第20番K.466ニ短調。

このオケは、かつてクラウディオ・アバドが若者を集めて作った、ピリオド奏法なども積極的に取り入れることで話題になったオケと思うけど、その良さがほんとに魅力的。

メンバーは、見るからにインタナショナル。
オーボエ一番の東洋系女の子と、フルート一番の黒人ハーフっぽい女の子、それに2番フルートのヨーロッパ系男の子が並んで吹いてる、という具合。

ハーディングの指揮というか音楽を聴いてると、素の目で楽譜から読み取った音楽の尽きない魅力を、なんとか生き生きと伝えたい、という気持ちをひしひしと感じる。

ちょっと前の、レガート一杯の、すべてがべと~っとしてる音楽ではない、メリハリのある音楽。
31歳という若さで、これだけ「音楽的」に説得力持つのは、本当にすごい。

まさに私が今弾きたいと思ってる音楽がそうなので、余計共感するのかしら?
彼が感じてる「音楽」(アーティキュレーションやハーモニー感、拍子感、あるいは音域による色彩感、ポリフォニーの感覚など)が、私にはとてもとても良く理解できるし、私もああいう音楽がやりたいとココロから思う。

ブラームスの第1楽章が、あんなに3拍子(私は3拍子の曲は、基本的にダンスのリズムといつも思ってるけど)に聞こえた演奏、生まれて初めて聞いた。

モーツァルトのK.43の交響曲は、11歳の時の作品らしいけど、その「音楽」の魅力は限りない。
ハーディングは、その「音楽」(観念的なものでなく、具体的に)の魅力を本当に良くココロに感じていて、しかもそれをオケのメンバーに伝える技術も持ってる。

私が、「良い演奏」と感じるのは、「その作品自体がどれだけよくできた曲か」ということを感じさせてくれる演奏、ということになる。
演奏者がどれほどすごいか、ということを見せるものは好きじゃない。

ピアノコンチェルトのソリスト(フォークト)に関しては、いろいろ文句あるけどそれは置いといて、オケが面白かった。
あの、有名な聞き慣れているオケ冒頭部分も、楽譜を無心に読んだらもっともっと発見があると気づかされた。
ああそうだった、と思った。

思えば、アーノンクールの教え子の教え子世代(?)、アーノンクールの偉大さははかりしれない。
音楽の世界は確実に変わってきてる。

コメント
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