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13号電探指示装置改(令和版)の試作作業記録 その14(令和2年12月01日)指示機最終組立と送信同期監視試験

2020年12月01日 18時50分30秒 | 51電探試作計画

13号電探指示装置改(令和版)の試作作業記録 その14(令和2年12月01日)指示機最終組立と送信同期監視試験

送信同期パルス部については、依然バラックに組立てたままですが、指示装置に送信同期パルスの確認ができるようになっているので、その試験を行いました。
当然表示装置のブラウン管にパルスが表示されるはずですが、残念ながら表示しません。
原因は同期が取れないことです。
13号電探指示装置では水平主発振部からトランス結合による移相調整器により同期調整とパルスを最左側に寄せる調整を行うことが可能です。
この移相調整機能の代替え機能として、水平発振の出力段からマルチバイブレーターへ内部同期を取るこことしました。
総ての試験がバラック上で実現したので、最終的に本体に組み込みを行い、13号電探指示装置改(令和版)の完成です。
最後に、送信同監視試験を実施して総ての工程の終了です。

最終的な13号電探指示装置改(令和版)の回路図と外観

送信同監視試験の画面
目盛管制をオンにすると、目盛が13本現れますが、目盛1本で20Kmですので、最大距離260kmの観測が可能となります。
13号電探指示装置の仕様と同等で残りの40Kmは帰線消去の時間で失われます。

送信同期

最後に
戦時の日本海軍の13号電探指示装置の復元作業としてトランス結合機能をマルチバイブレーターで置き換え、ST管をMT管に換装することにより、電子的な機能については総て復元できたものと考えます。
復元作業に当たって、あらためて当時の日本電機産業界の電子工学技術の高さに関心する次第であります。
ただし、英米はそれ以上に加速度的に産業界を進展させ技術も生産もすべてを凌駕したのも冷徹な事実であることを忘れてはなりません。

電探試作計画http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

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