韜晦小僧のブログ 無線報国

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13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月03日)受信機の改造と指示機との結合試験

2020年12月03日 15時58分26秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月03日)受信機の改造と指示機との結合試験

13号電探受信機の仕様は、受信周波数150Mc帯で、高周波増幅2段、中間周波増幅5段、検波、低周波増幅1段のシングルスーパーの構成です。
なお、中間周波数14.5Mc、帯域幅±1Mcです。
今回は13号電探受信機を直接復元製作することは困難なことから、トリオTR-2(#1号機)を簡易改造して対応することとします。
また本来はパルス受信のために広帯域の受信機能が必要ですが、当面は簡易改造に留め受信試験がうまくいけば、本格的な改造を行うこととします。
したがって、改造点は受信機の低周波増幅段から信号を引き出すのみとしました。
受信機と指示機を接続して受信試験を実施しました。
信号波はありませんからホワイトノイズ(ノイズというか浮遊の60hzの交流波のようですが・・・)をブラウン管に表示することができました。
しかしながら、受信感度を上ると交流波であるため目盛の表示が雑音で消される事態となりました。
今回の改造では受信機側の低周波増幅段で交流の信号を取り出しただけだったのが原因のようです。
本来は、受信機、送信機、指示機間のデータ授受としての同期パルス信号のインターフェースは、正極の同期パルス信号が基本のようです。
したがって、受信機から指示機への入力信号は、正極の同期パルス信号でなければなりません。
今回のこの簡易改造は失敗でしたので、今後この正極の同期パルス信号の問題点に対処する必要があります。

13号電探受信機回路図

トリオTR-2のブロックダイヤグラムと回路図(大変不鮮明)、改造個所

受信機と指示機の結合試験

 

気付き1
トリオTR-2(#1号機)の純正機は、AM対応です。
本機は1968年に販売されましたが、144M帯の真空管式のAM方式であり、市場ニーズには完全にミスマッチでした。
トリオ社内でも真空管屋の最後の抵抗であったのかもしれません。
とわいえ、AMでは受信もできないのかと、試しにワッチしてみるとアマチュア無線の交信をみごとに復調しています。
なにかの資料でAM検波でもFMを復調できると記憶していたことを思い出し、本棚を探すと「手作りラジオ工作入門」西田和明氏の本に記載されていました。
ようは、スロープ検波で、同調を少しずらしたスロープで受信したらFMが復調できます。

気付き2
以下本機のYhaooオークション取引記録です。
トリオ社の珍品?144MhZ真空管式送受信機 TR-2。美品? 電源投入可 受信可 送信未テスト。ジャンク品扱い 送料着払い
商品情報
個数:1
開始日時:2020.10.08(木)09:32
終了日時:2020.10.12(月)22:19
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:あり
落札者:mxxxxxxx7 / 評価 229
開始価格:100 円
オークションID:f461553635
出品者情報
落札率が高い 直近3ヶ月に出品した商品の70%以上が落札されています。
piman200xさん総合評価: 868 
良い評価 100% 
出品地域:長野県
商品説明
状態 傷や汚れあり 
御覧頂きありがとうございます。
トリオ(TRIO)社の 144MHz帯 真空管式 送受信機 TR-2です。
簡単な動作テストをしました。
電源投入可。(電源コード付属します)
一応145MHz付近位で交信が受信出来ました。
スケルチも一応ですが動作しました。
他のスイッチ類等は未確認です。
送信は未テストです。
年代物にしては、傷、汚れ、錆等少ないと思います(年式から見れば美品?)
オークションでもあまり見かけない品です(レアもの??)
部品取り、修理、飾り等色々とご活用下さい。
動作は一切保証できませんので、ジャンク品扱いです。(申し訳ございませんが、ジャンク品の意味を完全にご理解の上ご入札下さい)
入札者の順位   すべての入札履歴
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入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 mxxxxxxx7 / 評価:229 (評価の詳細) 最高額入札者 49,400 円 1 10月 12日 22時 13分
 6*R*I*** / 評価:194   48,900 円 1 10月 12日 21時 39分
 z*S*f*** / 評価:257   18,000 円 1 10月 12日 18時 19分
 o*a*_*** / 評価:438   14,000 円 1 10月 12日 8時 19分
 5*N*l*** / 評価:1245   2,400 円 1 10月 11日 9時 50分
 Z*3*J*** / 評価:57   2,200 円 1 10月 11日 7時 29分
 w*3*c*** / 評価:1490   2,100 円 1 10月 10日 23時 27分
 4*n*2*** / 評価:850   2,000 円 1 10月 10日 4時 40分
 r*V*h*** / 評価:1   1,600 円 1 10月 9日 20時 48分
 M*z*f*** / 評価:754   1,400 円 1 10月 9日 14時 29分
 a*a*s*** / 評価:1098   130 円 1 10月 9日 13時 13分
 B*w*D*** / 評価:568   120 円 1 10月 8日 23時 35分
 C*w*h*** / 評価:41   110 円 1 10月 8日 14時 57分
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何故かもうひと方(6*R*I***さん)と競うこととなりましたが、不本意ながら大変な高額での落札となりました。
それも1968年の発売額を少し超えた形での落札金額となりました。
出品者の商品説明にもありますが、本機は発売から約52年も経過していますが、受信機能には特段問題がありませんでした。
民需のアマチュア無線機でこのような長寿命な機器は大変珍しいことです。
ケースをばらしてシャーシの下部を観察すると、殆どのコンデンサーはセラミック型で、電解コンデンサーは電源部と低周波部のみで少数です。
電界コンデンサーの使用の少なさと殆ど未使用でお蔵入りされていたのがどうも幸いしたようです。
ただし、送信機能は未だ試験していませんが、リレー系統の接触不良は想定されそうです。
なお、本機には幸いにも電源コード付属していましたが、この特殊なコードがない商品には手を出さないほうが賢明のようですね。

 


電探試作計画http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

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