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九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その8 (2016年12月05日)

2016年12月05日 21時33分42秒 | 01陸軍無線機器

九四式三号甲無線機三六号型通信機受信部の修復作業記録 その8 (2016年12月05日)

SGによる信号注入を各ステージでオシロ観測しながら信号追跡するこことしました。
空中線端子に信号を注入して、波形観測すると、混合段のOUTPUTまでは正常ですが、それ以降の中間周波増幅段で信号が途切れました。
このことから、中間周波増幅段の中間周波トランスに問題がありそうです。
今度は、混合段のOUTPUTにSGの信号を注入し、SGを変化させ同調周波数を検出します。
第一中間周波トランスの同調周波数は312Khzで、第二中間周波トランスの同調周波数は402Khzでした。
これでは、受信信号は途切れるはずです。
中間周波数は、312Khzか402Khzなのかが問題です。
この受信機の中間周波数の仕様が必要ですが、資料はありません。
しかたないので、SGの信号と局部発振の周波数を測定して、中間周波数を割り出すこことします。
局部発振は微弱のため、小生の古いディジタル周波数計で測定できません。
測定は、安価な中華ラジオ(本機は非常に優秀です。もう日本の技術者ではつくることができません。チャレンジのかけらもありませんし、市場もありません。)を使用します。
ただし、本機で受信するとかなりの帯域幅があり、測定精度の誤差があります。
受信目盛10単位に測定し、平均値をとると中間周波数は400Khzとなりました。
陸軍の古い仕様の受信機は、中間周波数を400Khzとすることが多いので、本数値も妥当性があると思われます。

ここで、中間周波トランスの修復対策ですが、以下の3通りです。
①中間周波トランスの調整用VCでの対処 → 可変幅がありすぎで調整できない可能性がある。
②中間周波トランスを分解して、共振用コンデンサーを交換 → 分解するのが大変
③戦後の小型中間周波トランスを400Khzに改造して、外付けで対応する。 → 見た目がさらに悪くなる。
もう少しのところまできましたが、どの対策を取るのか更に熟考するこことします。

 

 

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