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「アイランド」

2006年07月30日 | 映画
2005年(アメリカ)原題「THE ISLAND」136分

★★★☆☆(←独断と偏見による)



<出演>

ユアン・マクレガー(「トレインス・ポッティング」他)
スカーレット・ヨハンソン(「ロスト・イン・トランスレーション」他)

<感想>

劇場で見損ねた作品ですが、特に興味引かれるものでもありませんでした。
マイケル・ベイ&ブラッカイマー印だから余計にというのもあります。
井筒監督からは、案の定コテンパンでした。
が、その期待しない感が良かったのか、思ったより良かったとなりました。
単なるSFかと思っていたら、考えさせられるテーマを持った作品でした。

主人公二人は、クローンなんですが完全なる管理社会に住んでいます。
外の世界は汚染されていると言われているのに、ある日いるはずのない虫を
見つけて疑問を持ちます。
同時に毎日同じ夢を見て、うなされます。何故同じ夢を見るのか、
あの船は?あの船に書かれた言葉は?
こうした疑問を払拭するために調査を始めると・・・。

真実を知ってしまってからの追跡劇で一気に加速します。
ちょっとアクションシーンが長すぎた感はありますが、
惜しげもなく車が破壊されていく様がすごかったです。
相当にお金かけましたといわんばかりのカークラッシュオンパレード。
さすがにこのシーンは、身を乗り出して見入ってしまいました。
看板から落っこちるシーンは、普通なら死んでると思われますが、
もちろん主役の二人が死ぬはずはなく、すり傷程度でぴんぴんしてました。
ハリウッドご都合主義炸裂。

少しだけネタバレします。ご注意下さい。

彼らクローンが存在する理由とは?
それは顧客の「保険」として存在しているということです。

リンカーン・6エコー(エコー世代の6代目を意味します)は、
顧客トム・リンカーンのために存在しています。
トムは、肝硬変を患っており、いずれ肝臓移植が必要になる時がきます。
その肝臓をリンカーンのクローンから移植すれば、
拒絶反応はないのでしょう(医学的にという意味ではなく、
少なくとも映画の中ではそういう設定なんだと思います)。
その時、クローンは初めて意味をなす存在となりますが、
クローン自身には、もちろんそのことは隠されています。
アイランドへ行けるというのは、実は臓器を取り出す。
つまり「死」を意味します。
「死」は、クローンにとっても人間と同様に意味を持つものでした。

本来クローンは、自我など持つはずもなかったのですが、
人間の細胞とは非常によく出来たもので、ついには欲望まで持ってしまうのです。
主役の二人は、惹かれあっているようでしたが、
「接触」は禁じられているため、友達でしかなかったのですが、
逃避行しているうちにSEXを知るのです。
また、記憶も取り戻してしまい、顧客の記憶が夢となって現れていたのです。
これは、面白いです。脳は、進化するのでありえる話かなと。
さらに人間の臓器は、その所有者の記憶を留めると言います。
このプロットを使ったものとしては、クリント・イーストウッドの
「ブラッド・ワーク」で見ることが出来ます。



果たしてクローンは、そこまで進化するものなのでしょうか。

クローンであっても「生きたい」という感情、「愛したい」という感情が
あるなら、それはもう一人の人間としてカウントされるべきでしょう。
だからこそ、クローン技術に関しては科学の発達した現在でもご法度であり、
神の聖域であるためバチカンは反対するのでしょう。

クローンでなくても、ではロボットではどうかという問いかけは
「A.I」や「ブレードランナー」で見ることが出来ます。
いずれも切ないです。

「アイランド」では、クローンを開放して一応のハッピーエンドということに
なっていますが、果たしてそうでしょうか。
つらつらとそんなことを考えさせてくれた作品でした。



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4 コメント

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TBありがとうございます (モリー)
2006-07-30 16:38:49
かなり期待していたので、ちょっぴり凹んでしまいました。後半のアクションシーンは、やはり長すぎる感じでした。この辺りを凝縮したら歯切れが良かったかも。でも、ユアンのアクションシーンを見ただけでヨシとします。

「AI」「ブレードランナー」も切ないですよね。

クローンを開放したあとが、もっと大変なのだろうなと考えてしまいました。
Unknown (雨のち晴れ)
2006-07-30 21:04:33
モリーさん



コメントありがとうございます。

倫理的、哲学的な方面は他の監督にまかしたということなのでしょう。

ブラッカイマーやベイ監督の本業は、やはりあのカークラッシュシーンなんでしょうね。

あの部分だけ異様にテンション高かったです。その路線で突っ走ると「ザ・ロック」や「バッドボーイズ」という傑作も出来るのだと思います。

頭を空っぽにして見る作品としては、ちょっとテーマが重かったですね。



>>「AI」「ブレードランナー」も切ないですよね。



人間のエゴが見え隠れするような気がして、切ないです。
TBありがとうございます (ううう)
2006-07-30 21:37:48
TBありがとうございます。前半はすごい倫理的テーマだったのでしたが、後半はアクションシーンの連続でこのテーマから外れてきて逆に残念でした。

個人的には前半の内容を濃く深くやってほしかった気がします。

Unknown (雨のち晴れ)
2006-07-30 21:56:46
うううさん



コメントありがとうございます。



>>個人的には前半の内容を濃く深くやってほしかった気がします。



私もそう思います。しかし、このコンビでは無理ですよね(^^;;)。

そこで考えたのですが、「ガタカ」みたいな感じに仕上げてくれたら良い作品になるのではと。

あれはクローンじゃないですが、遺伝子というレベルでは同じテーマでしょうか。

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