michi のひとりごと

日々のつぶやき、あれこれ。

老々介護で 100歳になった母を見送りました。
こちらは重度の難聴。

Tさん、お礼をお伝えして お別れしたいです

2015-03-25 10:21:18 | ふれあい

 いわゆる障がい者といわれる友人が 何人かいます。

その中でも大切な友、Tさんは盲(進行性)だった。

見えなくても積極的に、何でもやってしまう。

その前向きな生き方には ハッとさせられることが、しばしば。

なにか一役、お役に立てたら嬉しい、という感じのようでした。

でも口数は少なく、はばらない。 なんとなく、ほのぼのとしたお人柄。

 それが1年くらい前でしょうか、手術で視えるようになったと嬉しい知らせが。

本人はもちろん、周りじゅうで歓び合ったことでした。

 そのTさんが永眠されたという。 まだ70代の前半。

せっかく視えるようになったのに……と思った。けど、

長い期間でなくても、視える世界を取り戻せて本当に良かった、

と思いました。

 

             

 

   Tさんへ

 突然の報せを受け、ビックリしました。残念でたまりません。

 あなたに教えてもらったことは、たくさんあり、お礼の気持ちをお伝えして

お別れしたいと思いました。

 

 ○扇子のこと

ある合宿での休憩時間に私が扇子を使っていると、隣りにいたTさん、

「なんか、ゆらゆらしてるなァ」。 私が「扇子であおいでるのよー」と言うと

「あぁ、そうか~♪」。

それでよく分かりました。目が見えないんじゃない。

ゆらゆら視えるんだ――。

そして例えば、自分の左側の方が明るいと、そちらに窓があるらしいと分かる。

人が前に居ると ぼぅっと視えて、人がいるのが分かる。

そういう世界…。

 その頃、私は聴こえづらい状態をうまく言い表せないし、

聴こえない、とにかく聴くのがタイヘン…、という感じでした。

それが、お陰で少しずつ、

それなりに、自分なりにやっていくんだ、となってきました。

 

○お花見のこと

 ある時、4人くらいでお花見に行こう!となった時、

ふと「Tさんは、どうかしら?」と思って声かけてみたら、

即答で「あ、行きます。」って答えてくれましたね。 

見えない人にとってのお花見? どうなるかしら…という心配は全く無用でした。

ウチらおばさん連中がはしゃぐ中に、それなりに溶け込み楽しんでくれたようでしたね。

 まさに 五感で味わって――。

散り始めた花びらを帽子で受けとめ、ワイワイ言いながら味見。

すると、桜の種類で花びらの味が違うことが判明☆

また、そこは大きな公園で桜以外にも様々な種類の樹があって、名前のプレートが。

それで「○○の樹だって」と伝えると、

「あ、触らせてください」と言うので幹に誘導すると、

両手で触って「ああ、うん、これこれ…」というように確かめていましたね。

あのお花見の味わいは、何年経っても忘れられません。

 

○オキザリス~母とのつながり

 私が十数年前にここに移ってきて しばらくした頃、母から手紙が。

私が娘時代に点字ボランティアをしようと勉強していた、その点字の用紙が

たくさん出て来たと。 それで小包で送ってもらった。

そしてTさんに問い合わせると、「下さい」ということで送りました。

それから半年くらい経った頃でしょうか、Tさんからオキザリスの球根が小箱にいっぱい

送られてきたんです。嬉しくて、母にも半分送りました。「あのTさんからよ」って。

とても可憐な花が咲いて、母と「ウチの、咲きましたよ~♪」「あら、こちらはまだ蕾よ」など

faxし合うのも楽しかったです。

そんなことをTさんに出逢ったときに伝えると、満足そうな表情をしてくれましたね。

その後、母のは毎年花をたくさん咲かせ、

今年もきれいに咲きましたと、嬉しそうな報告が。

これからも母を元気づけてくれそうですよ、Tさん。

 

 生きていく上で大事なことを、さりげなく自然な感じで いっぱい

いっぱい教えてもらいました。本当にありがとうございました。

 どうぞ安らかにお眠り下さい。

 

 

 

 

コメント
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