■Jano Brindisi / Jano Brindisi■
このアルバムを迷い無く買った理由はただひとつ。 レーベル名と品番です。 Songwriters Records というあまりにもストレートな名称と、そのレーベルから最初の作品であることを予感させる SR-1001 という品番を見てしまったら、よほど高額ではない限り、手が伸びてしまいます。
Jano Brindisi という変わった名前と、暗めのジャケットからは想像できませんが、このアルバムは発売された 1980 年という時代をそれなりにビビッドに反映してしまった曲が数曲あり、そこがマイナスに作用しています。 とはいえ、さすがは Songwriters Records というレーベルからのリリースということで、全体を通じて曲の弱さはあるものの、シンプルなサウンドが楽しめるレコードとなっています。
アルバムは圧倒的に B 面のほうが充実しており、極端に言えば、B 面だけでもいいかなというくらいです。 そこで、B 面に重点を置いて、曲の紹介をしてみます。
冒頭の 3 曲は田舎臭さが伴うものの、いい感じのフォーク・ロックが並びます。 個性にはかなり欠けますが、奇をてらったりしない安心感があります。 ここからラストまでの 3 曲がかなり素晴らしいですね。 声質は違うものの、孤独感と侘しさは、以前ブログで紹介した Susan Pillsbury の世界観に近いものを感じます。 それゆえに、このアルバムは B 面だけでいいように思ってしまうのです。 その三部作(と名付けますが)の 1曲目、「Someday」はアコースティック・ギターの弾き語りと、Nicole Welch によるチェロのみの素朴な楽曲。 Jano Brindisi のボーカルも繊細で表現力にあふれており、部屋の空気をやや冷やすような感じがします。 つづく、「Letter Home」も、弾き語りとペダル・スティールのみのシンプルな編成。 かなりの哀愁感が漂います。 ラストの「Tigers And Lions」はより孤独感が強まった印象を受けますが、淡々と語られるようなボーカルに身を委ねているうちに、静かに幕を閉じます。
ところが、A 面はこんな具合にはいきません。 印象に残るのは、「Loves Old Sweet Song」くらいです。 これは唯一の非オリジナル曲ですが、シンプルで地味なギターの弾き語りでジャケット写真のような陰りに満ちています。 他には、凡庸なフォーク・ロックの「Talking About You」などで場をつなぐ感じですが、ひどいのはラストの2曲です。 「Bouncer」は軽いパンクっぽさがアルバムの全体像をぼかし、「Happy Hour」に至っては、シンセがピコピコ鳴ってアルバムを破壊するかのような内容です。 このシンセの音は、Devo とか Tom Tom Club を思い出してしまいます。
そんな Jano Brindisi ですが、公式ページをみつけることができました。 それによると彼女はまだ現役で活動しているようで、「Certain Things」というセカンドと、2003 年に発表された「Indian Time」は CD 通販などで買うことができます。 彼女のファーストとなるこのアルバムは CD にはなっていないようですが、代表曲「Someday」のみ試聴できるようになっていましたので、気になる方は覗いてみてください。
■Jano Brindisi / Jano Brindisi■
Side-1
Talking About You
Loves Old Sweet Song
Meteor Shower
Twice As Hard
In A Dream Of Tucson
Bouncer
Happy Hour
Side-2
Defensive Friends
Just Lucky
Right Now
Someday
Letter Home
Tigers And Lions
All songs , words and music by Jano Brindisi
Except ‘Loves Old Sweet Song’ Public Domain
Produced by Jano Brindisi and Alan Goldwater
Engineered by Alan Goldwater
Jano Brindisi : vocals , eclectic guitars (acoustic and electric)
Ned Doherty : bass
Stephen Mason : Arp Synthesizer , Hammond C-3 organ
Jim Norris : drums
Gary Roda : electric guitar , pedal steel
Nicole Welch : cello
Songwriters Records SR-1001
このアルバムを迷い無く買った理由はただひとつ。 レーベル名と品番です。 Songwriters Records というあまりにもストレートな名称と、そのレーベルから最初の作品であることを予感させる SR-1001 という品番を見てしまったら、よほど高額ではない限り、手が伸びてしまいます。
Jano Brindisi という変わった名前と、暗めのジャケットからは想像できませんが、このアルバムは発売された 1980 年という時代をそれなりにビビッドに反映してしまった曲が数曲あり、そこがマイナスに作用しています。 とはいえ、さすがは Songwriters Records というレーベルからのリリースということで、全体を通じて曲の弱さはあるものの、シンプルなサウンドが楽しめるレコードとなっています。
アルバムは圧倒的に B 面のほうが充実しており、極端に言えば、B 面だけでもいいかなというくらいです。 そこで、B 面に重点を置いて、曲の紹介をしてみます。
冒頭の 3 曲は田舎臭さが伴うものの、いい感じのフォーク・ロックが並びます。 個性にはかなり欠けますが、奇をてらったりしない安心感があります。 ここからラストまでの 3 曲がかなり素晴らしいですね。 声質は違うものの、孤独感と侘しさは、以前ブログで紹介した Susan Pillsbury の世界観に近いものを感じます。 それゆえに、このアルバムは B 面だけでいいように思ってしまうのです。 その三部作(と名付けますが)の 1曲目、「Someday」はアコースティック・ギターの弾き語りと、Nicole Welch によるチェロのみの素朴な楽曲。 Jano Brindisi のボーカルも繊細で表現力にあふれており、部屋の空気をやや冷やすような感じがします。 つづく、「Letter Home」も、弾き語りとペダル・スティールのみのシンプルな編成。 かなりの哀愁感が漂います。 ラストの「Tigers And Lions」はより孤独感が強まった印象を受けますが、淡々と語られるようなボーカルに身を委ねているうちに、静かに幕を閉じます。
ところが、A 面はこんな具合にはいきません。 印象に残るのは、「Loves Old Sweet Song」くらいです。 これは唯一の非オリジナル曲ですが、シンプルで地味なギターの弾き語りでジャケット写真のような陰りに満ちています。 他には、凡庸なフォーク・ロックの「Talking About You」などで場をつなぐ感じですが、ひどいのはラストの2曲です。 「Bouncer」は軽いパンクっぽさがアルバムの全体像をぼかし、「Happy Hour」に至っては、シンセがピコピコ鳴ってアルバムを破壊するかのような内容です。 このシンセの音は、Devo とか Tom Tom Club を思い出してしまいます。
そんな Jano Brindisi ですが、公式ページをみつけることができました。 それによると彼女はまだ現役で活動しているようで、「Certain Things」というセカンドと、2003 年に発表された「Indian Time」は CD 通販などで買うことができます。 彼女のファーストとなるこのアルバムは CD にはなっていないようですが、代表曲「Someday」のみ試聴できるようになっていましたので、気になる方は覗いてみてください。
■Jano Brindisi / Jano Brindisi■
Side-1
Talking About You
Loves Old Sweet Song
Meteor Shower
Twice As Hard
In A Dream Of Tucson
Bouncer
Happy Hour
Side-2
Defensive Friends
Just Lucky
Right Now
Someday
Letter Home
Tigers And Lions
All songs , words and music by Jano Brindisi
Except ‘Loves Old Sweet Song’ Public Domain
Produced by Jano Brindisi and Alan Goldwater
Engineered by Alan Goldwater
Jano Brindisi : vocals , eclectic guitars (acoustic and electric)
Ned Doherty : bass
Stephen Mason : Arp Synthesizer , Hammond C-3 organ
Jim Norris : drums
Gary Roda : electric guitar , pedal steel
Nicole Welch : cello
Songwriters Records SR-1001
janobrindisi.com