■Rob Galbraith / Nashville Dirt■
カナダ出身の SSW、Rob Galbraith が 1970 年に発表したファースト・ソロ・アルバム。 日焼けしたような色合いの地味なジャケットに、Nashville Dirt というタイトルから土埃のするスワンプなサウンドをイメージしますが、概ねその通りの内容となっています。
クレジットはないものの全曲を Rob Galbraith 自身が作曲し、ギター・ピアノ・ビブラフォンなど演奏家としてのマルチぶりもすでに発揮しています。 しかし、何と言っても Rob Galbraith の魅力はボーカルです。 彼のマイルドな声はそれだけで魅力的なのですが、歌の上手さはまた格別。 リズム感・歌いまわし・アドリブの効かせ方が同時代の SSW のなかでも特に秀でており、音楽の都ナッシュビルからいきなりメジャー・デビューするだけの実力を感じます。
アルバムはほとんどが R&B やスワンプの典型的な曲が並んでいますが、何と言っても超のつく名曲「We’ve Come A Long Way」に尽きるでしょう。 名曲でもあり、名演でもあるこのバラードこそが、このアルバムの最大の聴きどころです。 極端に音数の少ないウッド・ベース・ドラムスそしてビブラフォンをバックにした Rob Galbraith の鳥肌もののボーカルに言葉もありません。 この瞬間、Rob Galbraith のもとの音楽の神が舞い降りたのではないかと思うほどの名演です。
他の曲についても触れておきましょう。スワンプ色の薄い「Just An Everyday Guy」や「Overcompensation」あたりは、後年の Rob Galbraith の音楽を予感させるものがあります。 また、「Jezebel Of The Morning」、「Mr. Stanton Don’t Believe It」や「Mudflap Cadillac」といった曲は、いかにも南部録音という演奏が展開されます。 参加ミュージシャンの名前には、すぐに思い出せるようなビッグネームはいませんが、そこはナッシュビル、生半可なミュージシャンはいないということでしょう。
Rob Galbraith はこのアルバムを発表した後、1972 年に Dennis Linde らと組んで Jubal というグループを結成し、Elektra からアルバムを 1 枚残しています。 その後しばらく音沙汰無かったようですが、1976 年にソロとしては 2 枚目となる「Throw Me A Bone」を RCA/Victor からリリースしています。 この「Throw Me A Bone」はクラブ系の DJ に取り上げられたらしく、人気盤となっています。
今後、Rob Galbraith にまつわるアルバムを取り上げていきたいと思いますが、このファースト・ソロがもっとも玄人好みのする内容であることは間違いないでしょう。 発表された 1970 年の時点ですでに年期の入ったたたずまいを見せていたに違いないこのアルバムは、まるでそれを望んでいるかのようにビニールの中に閉じこもったままです。
しかし、何度もこのアルバムを聴いているのに、今日になって表ジャケットにも犬が写ってることに気付くなんて! まだまだ発見があるかもしれない...そんな作品です。
■Rob Galbraith / Nashville Dirt■
Side-1
Jezebel Of The Morning
Just An Everyday Guy
Corner Of Spit And Whittle
Overcompensation
Mr. Stanton Don’t Believe It
Side-2
Mudflap Cadillac
I Remember Me
Billy Utah
We’ve Come A Long Way
Saturday Night
Willie Was A Honkie
Produced by Rob Galbraith and Tom Malone for HLI Productions
Engineering : Mike Figlio
Rob Galbraith : vocal, gut string guitar, piano and vibe
Wade Conklin : guitar
Tom Malone : 12-string electric guitar
Major Talton : electric bass
Arvin Scott : drums
James Burke : drums
Henry Stzetecki : acoustic bass
Mark Morris : conga
Ed Kollis : harmonica
Columbia Records CS 1057
カナダ出身の SSW、Rob Galbraith が 1970 年に発表したファースト・ソロ・アルバム。 日焼けしたような色合いの地味なジャケットに、Nashville Dirt というタイトルから土埃のするスワンプなサウンドをイメージしますが、概ねその通りの内容となっています。
クレジットはないものの全曲を Rob Galbraith 自身が作曲し、ギター・ピアノ・ビブラフォンなど演奏家としてのマルチぶりもすでに発揮しています。 しかし、何と言っても Rob Galbraith の魅力はボーカルです。 彼のマイルドな声はそれだけで魅力的なのですが、歌の上手さはまた格別。 リズム感・歌いまわし・アドリブの効かせ方が同時代の SSW のなかでも特に秀でており、音楽の都ナッシュビルからいきなりメジャー・デビューするだけの実力を感じます。
アルバムはほとんどが R&B やスワンプの典型的な曲が並んでいますが、何と言っても超のつく名曲「We’ve Come A Long Way」に尽きるでしょう。 名曲でもあり、名演でもあるこのバラードこそが、このアルバムの最大の聴きどころです。 極端に音数の少ないウッド・ベース・ドラムスそしてビブラフォンをバックにした Rob Galbraith の鳥肌もののボーカルに言葉もありません。 この瞬間、Rob Galbraith のもとの音楽の神が舞い降りたのではないかと思うほどの名演です。
他の曲についても触れておきましょう。スワンプ色の薄い「Just An Everyday Guy」や「Overcompensation」あたりは、後年の Rob Galbraith の音楽を予感させるものがあります。 また、「Jezebel Of The Morning」、「Mr. Stanton Don’t Believe It」や「Mudflap Cadillac」といった曲は、いかにも南部録音という演奏が展開されます。 参加ミュージシャンの名前には、すぐに思い出せるようなビッグネームはいませんが、そこはナッシュビル、生半可なミュージシャンはいないということでしょう。
Rob Galbraith はこのアルバムを発表した後、1972 年に Dennis Linde らと組んで Jubal というグループを結成し、Elektra からアルバムを 1 枚残しています。 その後しばらく音沙汰無かったようですが、1976 年にソロとしては 2 枚目となる「Throw Me A Bone」を RCA/Victor からリリースしています。 この「Throw Me A Bone」はクラブ系の DJ に取り上げられたらしく、人気盤となっています。
今後、Rob Galbraith にまつわるアルバムを取り上げていきたいと思いますが、このファースト・ソロがもっとも玄人好みのする内容であることは間違いないでしょう。 発表された 1970 年の時点ですでに年期の入ったたたずまいを見せていたに違いないこのアルバムは、まるでそれを望んでいるかのようにビニールの中に閉じこもったままです。
しかし、何度もこのアルバムを聴いているのに、今日になって表ジャケットにも犬が写ってることに気付くなんて! まだまだ発見があるかもしれない...そんな作品です。
■Rob Galbraith / Nashville Dirt■
Side-1
Jezebel Of The Morning
Just An Everyday Guy
Corner Of Spit And Whittle
Overcompensation
Mr. Stanton Don’t Believe It
Side-2
Mudflap Cadillac
I Remember Me
Billy Utah
We’ve Come A Long Way
Saturday Night
Willie Was A Honkie
Produced by Rob Galbraith and Tom Malone for HLI Productions
Engineering : Mike Figlio
Rob Galbraith : vocal, gut string guitar, piano and vibe
Wade Conklin : guitar
Tom Malone : 12-string electric guitar
Major Talton : electric bass
Arvin Scott : drums
James Burke : drums
Henry Stzetecki : acoustic bass
Mark Morris : conga
Ed Kollis : harmonica
Columbia Records CS 1057
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