■Jade And Sarsaparilla / Jade And Sarsaparilla■
Jade And Sarsaparilla が残したアルバムは、レズビアン・デュオの作品としては比較的知られている人気の作品です。 Jade そして Sarsaparilla という名前は架空のカップルのことを指しているのか、それともお互いが呼び合っていたニックネームなのかは分かりませんが、いずれにしても本名ではありません。 では誰かというと、ボーカルとピアノの Janet Hood とボーカルのみを担当する Linda Langford のふたり。 サウンドは Linda Langford がリードボーカルをとり、Janet Hood がハーモニーを付けるというスタイルが多いのですが、アルバムは 1975 年という時代にふさわしく、オーソドックスな SSW サウンドというよりは、モダン・ジャズのフィーリングやグルーヴ感が色濃く打ち出された内容となっています。
アルバムのハイライトは何と言っても「It’s Gonna Take A Miracle」です。 ピンと来た方はその通り、Laura Nyro で有名なあの楽曲を取り上げているのです。 しかも、この出来が素晴らしく、Jade Hood のしっとりしたピアノをバックに、二人のボーカルが自由奔放に舞う様は、Laura Nyro にも引けを取りません。 CD 化されていれば、プレイリストに並べておきたくなるナンバーです。
とはいえ、この1曲だけにアルバムを集約してしまうことはさすがにできません。 アルバムには、優れた曲がまだまだあります。 なかでも柔軟に跳ねるリズムセクションをバックにした「She’s That Kind Of Woman」や、ふたりの息のあったミディアム 「I Need A Drink Of Water In My Mind」は親しみやすい仕上がりとなっています。 また、Janet Hood のピアノの弾き語り主体のミディアム「I Can’t Stay, I Can’t Go」は、じわじわと盛り上がりを見せ展開が光る名演です。 他には、ラグタイム風の「Gimme A Pigfoot」やブロードウェイ・ミュージカルの要素を感じさせる「Talkin’」など個性的な楽曲が並んでいます。 まとまりという点で難があるといえば、あるかもしれませんし、荒削りな感も否めません。 また、全 8 曲という点で物足りなさは残るのも事実です。 ですが、このアルバムを繰り返し聴くと、ニューヨークの裏通りや街に暮らす人々の息使いが感じられ、当時のアンダーグラウンド・ミュージックシーンの懐の深さが伝わってくるようです。
二人のなかで、ピアノの演奏力などで卓越した才能を感じさせた Janet Hood は何らかの形で音楽活動をしているのではないかと思い、ネットで調べてみました。 すると、予想通りミュージカル系の作曲家として活動していることが分かりました。 さすがに、オフ・ブロードウェイですが、「Elegies For Angels, Punks and Raging Queens」といった作品のコンポーザーとしてクレジットされています。 このミュージカルのプロデューサーは Bill Russell という人物なのですが、実はこの Jade And Sarsaparilla のアルバムでは、マネージャーとしてクレジットされています。 Bill Russell と Janet Hood は、他のサイトでも「長年のパートナー」という表現をされているので、二人の音楽的なつながりは 30 年以上ということになります。
一方の、Linda Langford は残念ながら行方をつかむことができませんでした。 ですが、少しうれしかったのも事実です。 というのも、このレコードに残された永遠の空気感を共有するには、すべてが解明されてしまってはいけないような気がするからです。
■Jade And Sarsaparilla / Jade And Sarsaparilla■
Side-1
She’s That Kind Of Woman
Gimme A Pigfoot
Daytime
Talkin’
Side-2
I Can’t Stay, I Can’t Go
It’s Gonna Take A Miracle
I Need A Drink Of Water In My Mind
I’d Like To Be
Executive Producer : Maureen Boyce
Musical Producer : Steve Tarshis
Recorded and Mixed at intermedia studios , boston
Linda Langford : vocals
Janet Hood : vocals , all piano
Richard Appleman : double bass , electric bass
Gene Roma : drums (I Can’t Stay, I Can’t Go), congas
Bob Gullotti : drums
Submaureen Records JS 723
Jade And Sarsaparilla が残したアルバムは、レズビアン・デュオの作品としては比較的知られている人気の作品です。 Jade そして Sarsaparilla という名前は架空のカップルのことを指しているのか、それともお互いが呼び合っていたニックネームなのかは分かりませんが、いずれにしても本名ではありません。 では誰かというと、ボーカルとピアノの Janet Hood とボーカルのみを担当する Linda Langford のふたり。 サウンドは Linda Langford がリードボーカルをとり、Janet Hood がハーモニーを付けるというスタイルが多いのですが、アルバムは 1975 年という時代にふさわしく、オーソドックスな SSW サウンドというよりは、モダン・ジャズのフィーリングやグルーヴ感が色濃く打ち出された内容となっています。
アルバムのハイライトは何と言っても「It’s Gonna Take A Miracle」です。 ピンと来た方はその通り、Laura Nyro で有名なあの楽曲を取り上げているのです。 しかも、この出来が素晴らしく、Jade Hood のしっとりしたピアノをバックに、二人のボーカルが自由奔放に舞う様は、Laura Nyro にも引けを取りません。 CD 化されていれば、プレイリストに並べておきたくなるナンバーです。
とはいえ、この1曲だけにアルバムを集約してしまうことはさすがにできません。 アルバムには、優れた曲がまだまだあります。 なかでも柔軟に跳ねるリズムセクションをバックにした「She’s That Kind Of Woman」や、ふたりの息のあったミディアム 「I Need A Drink Of Water In My Mind」は親しみやすい仕上がりとなっています。 また、Janet Hood のピアノの弾き語り主体のミディアム「I Can’t Stay, I Can’t Go」は、じわじわと盛り上がりを見せ展開が光る名演です。 他には、ラグタイム風の「Gimme A Pigfoot」やブロードウェイ・ミュージカルの要素を感じさせる「Talkin’」など個性的な楽曲が並んでいます。 まとまりという点で難があるといえば、あるかもしれませんし、荒削りな感も否めません。 また、全 8 曲という点で物足りなさは残るのも事実です。 ですが、このアルバムを繰り返し聴くと、ニューヨークの裏通りや街に暮らす人々の息使いが感じられ、当時のアンダーグラウンド・ミュージックシーンの懐の深さが伝わってくるようです。
二人のなかで、ピアノの演奏力などで卓越した才能を感じさせた Janet Hood は何らかの形で音楽活動をしているのではないかと思い、ネットで調べてみました。 すると、予想通りミュージカル系の作曲家として活動していることが分かりました。 さすがに、オフ・ブロードウェイですが、「Elegies For Angels, Punks and Raging Queens」といった作品のコンポーザーとしてクレジットされています。 このミュージカルのプロデューサーは Bill Russell という人物なのですが、実はこの Jade And Sarsaparilla のアルバムでは、マネージャーとしてクレジットされています。 Bill Russell と Janet Hood は、他のサイトでも「長年のパートナー」という表現をされているので、二人の音楽的なつながりは 30 年以上ということになります。
一方の、Linda Langford は残念ながら行方をつかむことができませんでした。 ですが、少しうれしかったのも事実です。 というのも、このレコードに残された永遠の空気感を共有するには、すべてが解明されてしまってはいけないような気がするからです。
■Jade And Sarsaparilla / Jade And Sarsaparilla■
Side-1
She’s That Kind Of Woman
Gimme A Pigfoot
Daytime
Talkin’
Side-2
I Can’t Stay, I Can’t Go
It’s Gonna Take A Miracle
I Need A Drink Of Water In My Mind
I’d Like To Be
Executive Producer : Maureen Boyce
Musical Producer : Steve Tarshis
Recorded and Mixed at intermedia studios , boston
Linda Langford : vocals
Janet Hood : vocals , all piano
Richard Appleman : double bass , electric bass
Gene Roma : drums (I Can’t Stay, I Can’t Go), congas
Bob Gullotti : drums
Submaureen Records JS 723
このアルバム、とても好きなのですがあまり情報がなくて気になっていたところ、こちらで詳しく紹介されていたので驚き、とってもうれしくなってしまいました!(まことに勝手ながら自分のブログのコメント欄にこちらのリンクを挙げさせていただきました。おゆるしいただければ幸いです。。)