■Sparky Grinstead / Won Out■
1978 年、カリフォルニアのオークランドの自主制作レーベルから届けられた愛しいアルバム。 Sparky Grinstead の「Won Out」を取り上げてみました。
このアルバムは、昼下がりによく似合うリラックスしたハッピー・サウンドです。 逆にいうと、秋の夜長にじっくり聴くタイプのものではありません。 ということで、久しぶりに聴いたのも土曜日の午後 2 時、昼食を済ませた時間でした。 ジャケットのデザインからもある程度イメージできるのですが、このアルバムはひと言で言うと、シンプルでメロディックなフォーキーです。 若い人向けに言うならば、1990 年代のイギリスのネオアコ的なサウンドとも言えるでしょう。 ちょっとマイナーですが、John Cunningham や Harvey Williams のソロ作品の持つ味わいに似たものを感じます。
アルバムの内容を簡単にご紹介しますと、全曲が Sparky Grinstead の多重録音で出きており、曲によって恋人と思われる Arlene Lee のピアノが彩りを添えるという構成となっています。 A 面に針を落とすと、唐突にサウンドコラージュ的な SE が入り、すぐに「Fall On Me」が始まります。 この曲は陽だまりのなかでビールを飲んでいるときのような心地良さで、アルバムを象徴する名曲です。 落ち着いてメロウな「Love Is All Right」、弾き語りの雰囲気がピクニック気分の「Trucks In The Sky」では、はじめてArlene Lee のピアノが聴けます。 続く「No Magic」はアルバム随一のバラードです。 「珠玉の」と形容するほど、精巧なアレンジや切れのある場面はないのですが、逆にこの二人のシンプルな編成だからこそ、胸がキュンとしてしまう気がします。 ちなみに、この曲のエンディングには曲と関係のないセッションが数秒収録されています。
B 面では、「Everything They Say」が出色の出来です。 セルフユニゾンするハーモニーの清涼感、美しいメロディ、サビでのバックコーラスなど、内容的には突出して完成度の高いものになっています。 タイトル通りブルースっぽい「You Know Me Blues」や二拍子のポップソング「Breaking Point」も悪くありません。この曲だけはライブの一発録りらしき「Ten Years (Abortive)」では、他人の息使いや気配を感じ取ることができます。 陽気なロックチューンの「Big Ass」が終わると、オープニングに似た細切れのコラージュとなり、クレジットの通り「Fall On Me」が20 秒程度ですが細かく裁断されてエンディングを迎えます。 このようなユニークなオープニングとエンディングも、このアルバムをより個性的なものにしているような印象です。
さて、僕は以前からこのアルバムが彼の唯一の作品だと思っていましたが、ネットで調べたところ、Sparky Grinstead Project という準公式サイトのようなものがあり、それによると通算 3 枚あるうちの、2 枚目だということが判明しました。 1 枚目も3 枚目も見かけたことはありませんが、今はそのサイトから CD でも買えるようです。
本名は、Earl J. Grinstead Jr. とクレジットされている Sparky Grinstead と唯一のゲストメンバーでもある恋人の Arlene Lee の名前からネーミングしたと思われる Sparlene の1001 番となっているこのアルバム。 両面合わせて、25 分しかないアルバムですが、ポップな味わいの私的な SSW アルバムとして、毎年 5 月頃から 9 月頃の間に聴きたい作品ですね。 梅雨時期と盛夏には似合いませんが。
■Sparky Grinstead / Won Out■
Side-1
Fall On Me
Love Is All Right
Trucks In The Sky
No Magic
Side-2
You Know Me Blues
Everything They Say
Breaking Point
Ten Years (Abortive)
Big Ass
Fall On Me
Piano and Electric Piano : Arlene Lee
Vocals , Guitars , Bass and Drums : Sparky Grinstead
Produced by Sparky Grinstead
Remix Engineer : Jim Weyeneth
Photography : Steve Hanamura
Sparlene SP-1001
1978 年、カリフォルニアのオークランドの自主制作レーベルから届けられた愛しいアルバム。 Sparky Grinstead の「Won Out」を取り上げてみました。
このアルバムは、昼下がりによく似合うリラックスしたハッピー・サウンドです。 逆にいうと、秋の夜長にじっくり聴くタイプのものではありません。 ということで、久しぶりに聴いたのも土曜日の午後 2 時、昼食を済ませた時間でした。 ジャケットのデザインからもある程度イメージできるのですが、このアルバムはひと言で言うと、シンプルでメロディックなフォーキーです。 若い人向けに言うならば、1990 年代のイギリスのネオアコ的なサウンドとも言えるでしょう。 ちょっとマイナーですが、John Cunningham や Harvey Williams のソロ作品の持つ味わいに似たものを感じます。
アルバムの内容を簡単にご紹介しますと、全曲が Sparky Grinstead の多重録音で出きており、曲によって恋人と思われる Arlene Lee のピアノが彩りを添えるという構成となっています。 A 面に針を落とすと、唐突にサウンドコラージュ的な SE が入り、すぐに「Fall On Me」が始まります。 この曲は陽だまりのなかでビールを飲んでいるときのような心地良さで、アルバムを象徴する名曲です。 落ち着いてメロウな「Love Is All Right」、弾き語りの雰囲気がピクニック気分の「Trucks In The Sky」では、はじめてArlene Lee のピアノが聴けます。 続く「No Magic」はアルバム随一のバラードです。 「珠玉の」と形容するほど、精巧なアレンジや切れのある場面はないのですが、逆にこの二人のシンプルな編成だからこそ、胸がキュンとしてしまう気がします。 ちなみに、この曲のエンディングには曲と関係のないセッションが数秒収録されています。
B 面では、「Everything They Say」が出色の出来です。 セルフユニゾンするハーモニーの清涼感、美しいメロディ、サビでのバックコーラスなど、内容的には突出して完成度の高いものになっています。 タイトル通りブルースっぽい「You Know Me Blues」や二拍子のポップソング「Breaking Point」も悪くありません。この曲だけはライブの一発録りらしき「Ten Years (Abortive)」では、他人の息使いや気配を感じ取ることができます。 陽気なロックチューンの「Big Ass」が終わると、オープニングに似た細切れのコラージュとなり、クレジットの通り「Fall On Me」が20 秒程度ですが細かく裁断されてエンディングを迎えます。 このようなユニークなオープニングとエンディングも、このアルバムをより個性的なものにしているような印象です。
さて、僕は以前からこのアルバムが彼の唯一の作品だと思っていましたが、ネットで調べたところ、Sparky Grinstead Project という準公式サイトのようなものがあり、それによると通算 3 枚あるうちの、2 枚目だということが判明しました。 1 枚目も3 枚目も見かけたことはありませんが、今はそのサイトから CD でも買えるようです。
本名は、Earl J. Grinstead Jr. とクレジットされている Sparky Grinstead と唯一のゲストメンバーでもある恋人の Arlene Lee の名前からネーミングしたと思われる Sparlene の1001 番となっているこのアルバム。 両面合わせて、25 分しかないアルバムですが、ポップな味わいの私的な SSW アルバムとして、毎年 5 月頃から 9 月頃の間に聴きたい作品ですね。 梅雨時期と盛夏には似合いませんが。
■Sparky Grinstead / Won Out■
Side-1
Fall On Me
Love Is All Right
Trucks In The Sky
No Magic
Side-2
You Know Me Blues
Everything They Say
Breaking Point
Ten Years (Abortive)
Big Ass
Fall On Me
Piano and Electric Piano : Arlene Lee
Vocals , Guitars , Bass and Drums : Sparky Grinstead
Produced by Sparky Grinstead
Remix Engineer : Jim Weyeneth
Photography : Steve Hanamura
Sparlene SP-1001
「S.O.N.G.S」の beck でした。