Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Danny Holien

2006-08-15 | SSW
■Danny Holien / Danny Holien■

 異色の SSW 作品を多く生み出している Tumbleweed は、コロラド州デンバーを拠点とするレーベル。 おそらく品番は TWS-100 か 101 から始まっていると思われ、アルバムの総作品数は数十枚程度ではないかと推測しています。 Tumbleweed に関しては、Peter McCabe や Robb Kunkel といった異彩を放つ SSW を輩出したこともあり、以前から注目しており、自分にとって「レーベル買い」のできる数少ないレーベルです。

 今日から Tumbleweed 特集をするかどうか(とはいえ、これを含めて3枚しか持っていませんが)は別として、今日は Tumbleweed の最初期にリリースされた Danny Holien のアルバムを取り上げてみました。 1971 年に発売されたこの作品は、Danny を含めて 4人で演奏されているものの、サウンドはいい意味でヴァラエティに富んだ内容になっています。

 レーベルの拠点であるコロラドを連呼する「Colorado」からアルバムはスタート。 この曲だけでは何とも想像できないという始まりですが、すでにサウンド面での大きな特徴である Peter Jukoff のフルートは自由に舞い始めています。 続く、「Wella Wella Isabella」は、曲調やコーラスもほとんどビーチ・ボーイズという意外な展開に。 一転して、シンプルなギターとフルートが美しい「Red Wing」でようやく SSW 的には本領を発揮。 カントリーロックの「Hick」につづいて、Jimmie Haskell の荘厳なオーケストレーションが際立つ「The Strange One」です。 この曲は、特に中盤でのストリングスの展開が聴き所ですね。

 B 面に入ると、何の意味か分からない祈りの言葉みたいな「Satsanga」で幕開け。 この曲もギターとフルートが素晴らしい素朴な名曲。 シンプルなロックンロール「Labor Man」につづいて、サンクスギビングを題材にしているだけに大げさなコーラスが聴ける「A Song of Thanksgiving」と続きます。 ここでもフルート・ソロが利いています。 かなり内省的なフォーク調の「Home」は、つぶやくようなボーカルにストリングスが入り、晩秋の別荘にいるかのような趣きです。 開放的なギターのカッティングで始まる「Lino The Wino」は、グランジ以降のコンテンポラリーなロックに近いテイスト。 ラストはライブ録音かと思うほどリラックスした「Joshua Brown」で幕を閉じます。
 いや、閉じないのです。 というのも、「Joshua Brown」の後にまた「Lino The Wino」がフェードインしてリピート。 その後は、ギターやドラムスによるインプロヴィゼーションが繰り広げられて、かなりサイケデリックなエンディングを迎えるのです。 このあたりは、さすがは Tumbleweed という気がしますね。
 
 ちなみに、このアルバムのジャケットには、Danny Holien の枠ところが窓のように切り取られている仕様のものと、通常のジャケットの二種類が存在しています。 ジャケットに写る Danny Holien はかなりのイケ面ですが、ネットで調べても、このアルバム以降の足取りをつかむことはできませんでした。



■Danny Holien / Danny Holien■

Side-1
Colorado
Wella Wella Isabella
Red Wing
Hick
The Strange One

Side-2
Satsanga
Labor Man
A Song of Thanksgiving
Home
Lino The Wino
Joshua Brown

Danny Holien : guitar and vocals
Gaga : drums , percussion , piano , backup vocals
Peter Jukoff : flute and sax
Stephen Swenson : bass and backup vocals

Produced and Engineered by Bill Szymczyk

All songs composed by Danny Holien
Strimgs arranged by Jimmie Haskell

Tumbleweed Records TWS 102


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ども (きよ)
2006-08-18 15:52:14
このアルバムに通常盤があるということを初めて知りました(笑)

切り抜きジャケしか見たことなかったもので。
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