■Randy Edelman / Randy Edelman■
今日は趣向を変えて、Randy Edelman のファーストを取り上げてみました。 彼は、1970 年代から 80 年代に活躍したがヒットに恵まれなかったピアノ系 SSW です。 20th Century からリリースした 3枚目、4 枚目と、その後移籍した Arista からの 5枚目、6 枚目が国内では CD 化されましたが、今日ご紹介するファーストとセカンドは、彼の 1970 年代の作品では未だに CD 化されていません。 この 4 枚があれば十分という意見もあろうかとは思いますが、やはり初期の Randy Edelman の瑞々しい萌芽の息吹も捨てがたいものがありますので、このファーストをピックアップすることにしたのです。 このアルバムは 1972 年、映画会社の MGM 傘下のマイナーレーベル Sunflower からリリースされました。
アルバムを曲順におさらいしてみます。 A 面の「The Farmer」はピアノをバックにシリアスな曲調が展開されます。 後の曲にもありますが、アメリカというよりはイギリスの匂いのするサウンドです。 つづく「My Cabin」は、すでに顕在していたかという「エデルマン節」ともいえる楽曲。 うねるようなメロディーとまとわりつくピアノによる Randy Edelman の世界がすでに確立しています。 もうひとつの持ち味ともいえるメロウさを堪能したければ「Make A Time For Lovin’」でしょう。 中期の Randy Edelman の最大の魅力でもあるメランコリックな味わいがすでに表れていることに驚きを覚えます。 クラシカルな展開が繰り広げられる「Seventh Avenue」は、エンディングがちょっとうるさいです。 つづく「Just Somebody」も次第に盛り上がっていくお得意の手法によるミディアムです。
B 面です。 「Give A Little Laughter」は、奥さんの Jackie De Shannon がコーラスで参加。 Randy Edelman の得意とする手法のひとつである、早口系リピートによるサビ(って書いても伝わらないですね)は一度聴けば、忘れないという感じです。 つづく「Sunny Days」はタイトルどおりのマイルドな楽曲。 アレンジからは英国的な要素を感じます。 「Piano Picker」は、英才教育を受けたであろう Randy Edelman の流麗でクラシカルなピアノが堪能できます。 彼は、各アルバムで必ずピアノのテクニックをさりげなく披露する楽曲を用意しています。 そこが鼻につくかどうかで彼に対する評価が左右されるといってもいいでしょう。 つづく「Wouldn’t It Be Nice」は、もちろんあの The Beach Boys のカバーです。 というのは全くのウソで、Randy Edelman のオリジナルです。 しかし紛らわしいタイトルをつけるものですね。 こちらの楽曲はピアノを中心としたミディアム・バラードで、なかなかの名曲です。 そしてアルバムのラスト「Please Don’t Send Them Anymore」が始まりますが、この曲は Randy Edelman の卓越したアイディアが盛り込まれています。 というのも、アメリカ民謡の父フォスターの名曲「故郷の人々(スワニー河)」をモチーフにしており、この曲のメロディーをこっそりと間奏に忍ばせているのです。 もちろん「故郷の人々」は誰が聴いてもすぐわかるメロディーですので、すぐに気がつくのですが、こういった遊び心の背景に、Randy Edelman の秀才ぶりを感じることができるのです。
こうして Randy Edelman のファーストを聴いてきましたが、以降の彼のアルバムと、趣を異に感じる部分があるのは、このアルバムがニューヨーク録音だからではないかと思います。 Randy Edelman と同じピアノ系 SSW ですが、まったく異なるタイプの Billy Joel を連想することなど普通はありえないのですが、同時代ということで Billy Joel の「Cold Spring Harbor」を思い出してしまいました。 もちろん、内容はまったく異なるので誤解の無いようにお願いします。
さて、次回は彼のセカンドをご紹介します。 できれば次の週末くらいにアップしたいと思っていますので、お楽しみに。
■Randy Edelman / Randy Edelman■
Side-1
The Farmer
My Cabin
Make A Time For Lovin’
Seventh Avenue
Just Somebody
Side-2
Give A Little Laughter
Sunny Days
Piano Picker
Wouldn’t It Be Nice
Please Don’t Send Them Anymore
Orchestrated and Produced by Randy Edelman
Engineer : Brooks Arthur and Jay Tropp
Randy Edelman : piano , vocals and clarietta
Dennis Seiwell : drums
Russell George : bass
Albert Gorgoni : guitar
Phil Bordner : woodwinds
David Nadien : concert master
Special Thanks to
Michael Leonard and Stephen Foster and Jackie De Shannon
Sunflower SNF-5005
今日は趣向を変えて、Randy Edelman のファーストを取り上げてみました。 彼は、1970 年代から 80 年代に活躍したがヒットに恵まれなかったピアノ系 SSW です。 20th Century からリリースした 3枚目、4 枚目と、その後移籍した Arista からの 5枚目、6 枚目が国内では CD 化されましたが、今日ご紹介するファーストとセカンドは、彼の 1970 年代の作品では未だに CD 化されていません。 この 4 枚があれば十分という意見もあろうかとは思いますが、やはり初期の Randy Edelman の瑞々しい萌芽の息吹も捨てがたいものがありますので、このファーストをピックアップすることにしたのです。 このアルバムは 1972 年、映画会社の MGM 傘下のマイナーレーベル Sunflower からリリースされました。
アルバムを曲順におさらいしてみます。 A 面の「The Farmer」はピアノをバックにシリアスな曲調が展開されます。 後の曲にもありますが、アメリカというよりはイギリスの匂いのするサウンドです。 つづく「My Cabin」は、すでに顕在していたかという「エデルマン節」ともいえる楽曲。 うねるようなメロディーとまとわりつくピアノによる Randy Edelman の世界がすでに確立しています。 もうひとつの持ち味ともいえるメロウさを堪能したければ「Make A Time For Lovin’」でしょう。 中期の Randy Edelman の最大の魅力でもあるメランコリックな味わいがすでに表れていることに驚きを覚えます。 クラシカルな展開が繰り広げられる「Seventh Avenue」は、エンディングがちょっとうるさいです。 つづく「Just Somebody」も次第に盛り上がっていくお得意の手法によるミディアムです。
B 面です。 「Give A Little Laughter」は、奥さんの Jackie De Shannon がコーラスで参加。 Randy Edelman の得意とする手法のひとつである、早口系リピートによるサビ(って書いても伝わらないですね)は一度聴けば、忘れないという感じです。 つづく「Sunny Days」はタイトルどおりのマイルドな楽曲。 アレンジからは英国的な要素を感じます。 「Piano Picker」は、英才教育を受けたであろう Randy Edelman の流麗でクラシカルなピアノが堪能できます。 彼は、各アルバムで必ずピアノのテクニックをさりげなく披露する楽曲を用意しています。 そこが鼻につくかどうかで彼に対する評価が左右されるといってもいいでしょう。 つづく「Wouldn’t It Be Nice」は、もちろんあの The Beach Boys のカバーです。 というのは全くのウソで、Randy Edelman のオリジナルです。 しかし紛らわしいタイトルをつけるものですね。 こちらの楽曲はピアノを中心としたミディアム・バラードで、なかなかの名曲です。 そしてアルバムのラスト「Please Don’t Send Them Anymore」が始まりますが、この曲は Randy Edelman の卓越したアイディアが盛り込まれています。 というのも、アメリカ民謡の父フォスターの名曲「故郷の人々(スワニー河)」をモチーフにしており、この曲のメロディーをこっそりと間奏に忍ばせているのです。 もちろん「故郷の人々」は誰が聴いてもすぐわかるメロディーですので、すぐに気がつくのですが、こういった遊び心の背景に、Randy Edelman の秀才ぶりを感じることができるのです。
こうして Randy Edelman のファーストを聴いてきましたが、以降の彼のアルバムと、趣を異に感じる部分があるのは、このアルバムがニューヨーク録音だからではないかと思います。 Randy Edelman と同じピアノ系 SSW ですが、まったく異なるタイプの Billy Joel を連想することなど普通はありえないのですが、同時代ということで Billy Joel の「Cold Spring Harbor」を思い出してしまいました。 もちろん、内容はまったく異なるので誤解の無いようにお願いします。
さて、次回は彼のセカンドをご紹介します。 できれば次の週末くらいにアップしたいと思っていますので、お楽しみに。
■Randy Edelman / Randy Edelman■
Side-1
The Farmer
My Cabin
Make A Time For Lovin’
Seventh Avenue
Just Somebody
Side-2
Give A Little Laughter
Sunny Days
Piano Picker
Wouldn’t It Be Nice
Please Don’t Send Them Anymore
Orchestrated and Produced by Randy Edelman
Engineer : Brooks Arthur and Jay Tropp
Randy Edelman : piano , vocals and clarietta
Dennis Seiwell : drums
Russell George : bass
Albert Gorgoni : guitar
Phil Bordner : woodwinds
David Nadien : concert master
Special Thanks to
Michael Leonard and Stephen Foster and Jackie De Shannon
Sunflower SNF-5005
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