■Patti Dahlstrom / The Way I Am■
Patti Dahlstrom のセカンド・アルバムは、彼女の最高傑作だと思います。 それは、僕が初めて聴いた彼女のアルバムだということを差し引いても、です。
前回の流れを受けながらも、プロデューサーは、Michael Omartinan に交代となっており、彼の人脈により、前作以上に LA の豪華ミュージシャンが参加しています。 Larry Carlton に Dean Parks という黄金コンビ、Jim Gordon、Leland Sklar の鉄壁リズムセクションなど、20th Century がこのアルバムに賭ける意気込みの表れともいえる面々が勢ぞろいしています。
楽曲の方も、当時の彼氏でもあった Severin Browne の作曲した曲が過半数の 6 曲を占めるなど、Patti Dahlstrom が公私ともに充実していたことがうかがえます。
前作では Patti Dahlstrom のボーカルがどうも力んでいて気になったのですが、アルバムの 1 曲目 「I’ll Come Home」を聴けば歌い方がいい方向に変わってきたことがわかります。 それは、この曲のメロウさにも拠るとは思いますが、つづく「I Promised」のようなバラードもしっとりと歌いこなしています。 Michael Omartinan によるエレピのイントロがジェントルなそよ風を運んでくるようなアルバムタイトル曲「The Way I Am」は、A 面のハイライト。 プリ AOR に近いサウンドなのですが、1973 年という時代を考えると、時代を先んじたセンスはさすがといえるでしょう。 これは、Severin Browne の作曲センスなのか、Michael Omartinan のアレンジの手腕によるものかはわかりませんが、最高のグルーヴ感が味わえる名曲です。 クラブ系 DJ にはお勧めですね。 つづく「High Noon Alibis」は、二拍子のファンキーな楽曲。 Larry Carlton のスライド・ギターが唸る曲というのも珍しいのではないでしょうか。 A 面ラストの「Cleveland Snow」は、切なさと喪失感がモチーフとなっているように聴こえる美しい佳作です。
B 面 1 曲目は、彼女の曲で最も好きな「Emotion」です。 カナダの SSW である Veronique Sanson の作曲によるこの曲は、ドラマティックでいて仰々しすぎず、感情を抑制しながらもエモーションを発散する彼女のボーカルの魅力が最大限に発揮された名曲です。 「Emotion」とはまさにタイトル通りです。 つづく「Give Him Time」は、Craig Doerge のピアノ、Tom Scott の各種ホーン、David Spinoza のアコギによるアンサンブルを背景に、伸びやかなボーカルが繰り広げられます。 Larry Carlton の神経質そうなギターソロが聴こえると、「Then I Lose You」です。 彼の泣き系のギターが全編に渡って聴くことができるのは貴重かも。 Ned Doheny がギターで参加した「Innate」は、物静かなバラード。 贅沢なバックに支えられた奥行きのあるサウンドが楽しめます。 アルバムを締めくくる「For Everybody’s Sake」はラストにふさわしく、徐々に盛り上がりを見せるミディアム。 デビュー作から1年で、よくこれだけ成長したなあと感慨深い気持ちで聴いてしまいます。 ちなみに、この曲には David Lindley が参加しています。 Severin と Jackson の Browne 兄弟の人脈でしょうかね。
こうして久しぶりにこのアルバムを聴きましたが、懐かしさもあってやはりいいアルバムだということを再確認できました。 懐の深いバック・ミュージシャンの貢献も大きいとは思いますが、前作の課題であったボーカルが見事に成長したこと、ひとつひとつの楽曲のクオリティが向上したことが、このアルバムの魅力に結びついています。
この勢いのままでいけば、次のアルバムはきっと大名盤になるに違いないと思うのですが、それは次回までのお楽しみということで。
■Patti Dahlstrom / The Way I Am■
Side-1
I’ll Come Home
I Promised
The Way I Am
High Noon Alibis
Cleveland Snow
Side-2
Emotion
Give Him Time
Then I Lose You
Innate
For Everybody’s Sake
Produced by Michael J. Jackson and Michael Omartian
Michael Omartian : piano , electric piano
Craig Doerge : piano
Dean Parks : acoustic guitar
Larry Carlton : acoustic guitar , electric guitar , slide guitar
David Spinozza : electric guitar
David Lindley : slide guitar
Ned Doheny : acoustic guitar
Jim Gordon : drums
Jack Conrad : bass
Leland Sklar : bass
Bryan Garofalo :bass
Ed Black : pedal steel
Gary mallaber : bass drum
Clarlence McDonald : fluegel horn
Michael Utley : organ
Tom Scott : all flutes , bass clarinet , clarinet
Don Dunn : background vocal
20th Century Records T-421
Patti Dahlstrom のセカンド・アルバムは、彼女の最高傑作だと思います。 それは、僕が初めて聴いた彼女のアルバムだということを差し引いても、です。
前回の流れを受けながらも、プロデューサーは、Michael Omartinan に交代となっており、彼の人脈により、前作以上に LA の豪華ミュージシャンが参加しています。 Larry Carlton に Dean Parks という黄金コンビ、Jim Gordon、Leland Sklar の鉄壁リズムセクションなど、20th Century がこのアルバムに賭ける意気込みの表れともいえる面々が勢ぞろいしています。
楽曲の方も、当時の彼氏でもあった Severin Browne の作曲した曲が過半数の 6 曲を占めるなど、Patti Dahlstrom が公私ともに充実していたことがうかがえます。
前作では Patti Dahlstrom のボーカルがどうも力んでいて気になったのですが、アルバムの 1 曲目 「I’ll Come Home」を聴けば歌い方がいい方向に変わってきたことがわかります。 それは、この曲のメロウさにも拠るとは思いますが、つづく「I Promised」のようなバラードもしっとりと歌いこなしています。 Michael Omartinan によるエレピのイントロがジェントルなそよ風を運んでくるようなアルバムタイトル曲「The Way I Am」は、A 面のハイライト。 プリ AOR に近いサウンドなのですが、1973 年という時代を考えると、時代を先んじたセンスはさすがといえるでしょう。 これは、Severin Browne の作曲センスなのか、Michael Omartinan のアレンジの手腕によるものかはわかりませんが、最高のグルーヴ感が味わえる名曲です。 クラブ系 DJ にはお勧めですね。 つづく「High Noon Alibis」は、二拍子のファンキーな楽曲。 Larry Carlton のスライド・ギターが唸る曲というのも珍しいのではないでしょうか。 A 面ラストの「Cleveland Snow」は、切なさと喪失感がモチーフとなっているように聴こえる美しい佳作です。
B 面 1 曲目は、彼女の曲で最も好きな「Emotion」です。 カナダの SSW である Veronique Sanson の作曲によるこの曲は、ドラマティックでいて仰々しすぎず、感情を抑制しながらもエモーションを発散する彼女のボーカルの魅力が最大限に発揮された名曲です。 「Emotion」とはまさにタイトル通りです。 つづく「Give Him Time」は、Craig Doerge のピアノ、Tom Scott の各種ホーン、David Spinoza のアコギによるアンサンブルを背景に、伸びやかなボーカルが繰り広げられます。 Larry Carlton の神経質そうなギターソロが聴こえると、「Then I Lose You」です。 彼の泣き系のギターが全編に渡って聴くことができるのは貴重かも。 Ned Doheny がギターで参加した「Innate」は、物静かなバラード。 贅沢なバックに支えられた奥行きのあるサウンドが楽しめます。 アルバムを締めくくる「For Everybody’s Sake」はラストにふさわしく、徐々に盛り上がりを見せるミディアム。 デビュー作から1年で、よくこれだけ成長したなあと感慨深い気持ちで聴いてしまいます。 ちなみに、この曲には David Lindley が参加しています。 Severin と Jackson の Browne 兄弟の人脈でしょうかね。
こうして久しぶりにこのアルバムを聴きましたが、懐かしさもあってやはりいいアルバムだということを再確認できました。 懐の深いバック・ミュージシャンの貢献も大きいとは思いますが、前作の課題であったボーカルが見事に成長したこと、ひとつひとつの楽曲のクオリティが向上したことが、このアルバムの魅力に結びついています。
この勢いのままでいけば、次のアルバムはきっと大名盤になるに違いないと思うのですが、それは次回までのお楽しみということで。
■Patti Dahlstrom / The Way I Am■
Side-1
I’ll Come Home
I Promised
The Way I Am
High Noon Alibis
Cleveland Snow
Side-2
Emotion
Give Him Time
Then I Lose You
Innate
For Everybody’s Sake
Produced by Michael J. Jackson and Michael Omartian
Michael Omartian : piano , electric piano
Craig Doerge : piano
Dean Parks : acoustic guitar
Larry Carlton : acoustic guitar , electric guitar , slide guitar
David Spinozza : electric guitar
David Lindley : slide guitar
Ned Doheny : acoustic guitar
Jim Gordon : drums
Jack Conrad : bass
Leland Sklar : bass
Bryan Garofalo :bass
Ed Black : pedal steel
Gary mallaber : bass drum
Clarlence McDonald : fluegel horn
Michael Utley : organ
Tom Scott : all flutes , bass clarinet , clarinet
Don Dunn : background vocal
20th Century Records T-421
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