■Charles Brauer / Out In The Open■
例年になく東京は日照が少なく底冷えする日が続いています。 報道によると 2 月に入って 18 日間で 9 回も雪が舞ったようです。 ところが、今日の土曜日はようやく快晴で気温も 10 度に届く予報。 梅も咲いているので春が待ち遠しくなってきます。
そこで取り出したのは「Out In The Open」という春の息吹を感じる作品。 アコースティック・ギターの弾き語りを主体とした温かみあふれるアルバムです。 1972 年にCharles Brauer がウィスコンシン州でレコーディングしたこの作品は、ゲストも最小限に留められたシンプルで素朴な味わいが特徴です。 そのうえ、Charles Brauer の声はJames Taylor に通じる優しさを持ち合わせており、この手の SSW 作品としてはオリンピック選手にたとえるならば、標準記録を超えていると言えるでしょう。
アルバムは、バンジョーが騒々しくかきならされる「Watermelon Song」以外はすべてCharles Brauer のオリジナル。 美しいギターの音色に身を委ねて安心して聴くことができる粒ぞろいの楽曲が並んでいます。 1 曲目の「Soup Song」のイントロの和みからして名盤の予感。 セカンド・ギターとのコンビネーションも素晴らしく、この曲で一気にアルバムに引き込まれていきます。 つづく「For Now」はクリスチャンミュージックのような清楚な佇まいとハーモニーが印象的。 柔らかなギターの音色が心を癒す「Happy Song」も最高のリラックス・サウンド。 ややテンポアップした「Up In My Tree House」、ハーモニカの入ったフォーキー「Old Man Shorty」と徐々にアルバムは田舎くさくなっていきます。
B 面は A 面の前半のような落ち着きを取り戻します。 ミディアムで美しいバラード「Together」はアルバムのベストトラックでしょう。 つづく「You’re Much Too Pretty」はベースが入った唯一の曲。 徐々にそのベースが隠し味的に効いてきます。 「Back Porch Song」は犬の鳴き声から始まる、田舎気分の陽気な楽曲。 ハーモニカの音色や、変拍子によるアクセントなど工夫が感じられます。 「Here I Come」もシンプルなメロディーですが、ギターは凝ったアレンジが施されおり、その対比が聴きどころとなっています。 ラストの「The Wren」はかなり地味なミディアム。 鳥の鳴き声などのエフェクトを入れながらフェードアウトしていきました。
こうして 2 回続けてアルバムを聴きましたが、カントリー風味の強い数曲を除けば、同時代の SSW 作品に引けを取らない出来栄えであることを実感しました。 ヒューマンタッチなボーカルと繊細なギターが見事に溶け込んだサウンドは、名盤と呼ばれる資格が十分に備わっています。
このように Charles Brauer の「Out In The Open」は春の日差しが窓越しに感じられる部屋の片隅で、紅茶を飲みながら過ごすひとときには、打ってつけのレコードです。 今朝、新聞を取りに行くと、ヒヨドリが梅の花をつつき、メジロが低木の間を飛び交っていました。 春は着実に近づいているようです。
■Charles Brauer / Out In The Open■
Side 1
Soup Song
For Now
Happy Song
Up In My Tree House
Old Man Shorty
Watermelon Song
Side 2
Together
You’re Much Too Pretty
Back Porch Song
Here I Come
The Wren
Produced by Charles Brauer
Recorded at American Music Corporation, Sauk City, Wis.
All songs written and arrenged by Char;es Brauer
‘Watermelon Song’ which is smoky mountain traditional
Charles Brauer : vocals, guitar, harmonica, banjo
Peter Newton : second guitar, bass
Junior Moose and Paul LaMott : barking
Shagbark Records KS-5005
例年になく東京は日照が少なく底冷えする日が続いています。 報道によると 2 月に入って 18 日間で 9 回も雪が舞ったようです。 ところが、今日の土曜日はようやく快晴で気温も 10 度に届く予報。 梅も咲いているので春が待ち遠しくなってきます。
そこで取り出したのは「Out In The Open」という春の息吹を感じる作品。 アコースティック・ギターの弾き語りを主体とした温かみあふれるアルバムです。 1972 年にCharles Brauer がウィスコンシン州でレコーディングしたこの作品は、ゲストも最小限に留められたシンプルで素朴な味わいが特徴です。 そのうえ、Charles Brauer の声はJames Taylor に通じる優しさを持ち合わせており、この手の SSW 作品としてはオリンピック選手にたとえるならば、標準記録を超えていると言えるでしょう。
アルバムは、バンジョーが騒々しくかきならされる「Watermelon Song」以外はすべてCharles Brauer のオリジナル。 美しいギターの音色に身を委ねて安心して聴くことができる粒ぞろいの楽曲が並んでいます。 1 曲目の「Soup Song」のイントロの和みからして名盤の予感。 セカンド・ギターとのコンビネーションも素晴らしく、この曲で一気にアルバムに引き込まれていきます。 つづく「For Now」はクリスチャンミュージックのような清楚な佇まいとハーモニーが印象的。 柔らかなギターの音色が心を癒す「Happy Song」も最高のリラックス・サウンド。 ややテンポアップした「Up In My Tree House」、ハーモニカの入ったフォーキー「Old Man Shorty」と徐々にアルバムは田舎くさくなっていきます。
B 面は A 面の前半のような落ち着きを取り戻します。 ミディアムで美しいバラード「Together」はアルバムのベストトラックでしょう。 つづく「You’re Much Too Pretty」はベースが入った唯一の曲。 徐々にそのベースが隠し味的に効いてきます。 「Back Porch Song」は犬の鳴き声から始まる、田舎気分の陽気な楽曲。 ハーモニカの音色や、変拍子によるアクセントなど工夫が感じられます。 「Here I Come」もシンプルなメロディーですが、ギターは凝ったアレンジが施されおり、その対比が聴きどころとなっています。 ラストの「The Wren」はかなり地味なミディアム。 鳥の鳴き声などのエフェクトを入れながらフェードアウトしていきました。
こうして 2 回続けてアルバムを聴きましたが、カントリー風味の強い数曲を除けば、同時代の SSW 作品に引けを取らない出来栄えであることを実感しました。 ヒューマンタッチなボーカルと繊細なギターが見事に溶け込んだサウンドは、名盤と呼ばれる資格が十分に備わっています。
このように Charles Brauer の「Out In The Open」は春の日差しが窓越しに感じられる部屋の片隅で、紅茶を飲みながら過ごすひとときには、打ってつけのレコードです。 今朝、新聞を取りに行くと、ヒヨドリが梅の花をつつき、メジロが低木の間を飛び交っていました。 春は着実に近づいているようです。
■Charles Brauer / Out In The Open■
Side 1
Soup Song
For Now
Happy Song
Up In My Tree House
Old Man Shorty
Watermelon Song
Side 2
Together
You’re Much Too Pretty
Back Porch Song
Here I Come
The Wren
Produced by Charles Brauer
Recorded at American Music Corporation, Sauk City, Wis.
All songs written and arrenged by Char;es Brauer
‘Watermelon Song’ which is smoky mountain traditional
Charles Brauer : vocals, guitar, harmonica, banjo
Peter Newton : second guitar, bass
Junior Moose and Paul LaMott : barking
Shagbark Records KS-5005