普通でも寝たっきりだと腰が痛い、術後は切開の傷の痛みもありボルトが4本入っているんだもの、
違和感はないだろうが、考えただけでも辛いと思う。 ずっと痛みをとる為に座薬を使用している。
寝ていても大変な表情をしている、熟睡も出来ないのだろう、その精かいびきも余り気にならない。
こちらが気にしているより、まいっかこんな時だもの仕方ないと開き直る位がいいのかな。
食事のときだけ、初コルセットでベッドを半分あげて食べる。 「しばらくこんな状態であかん?」
「腰に負担がかかるので今日は駄目です」 しっかり言われてがっかりの表情。
点滴は抜けたが、まだ腹腔内の血抜きや尿の管がついている、そりゃぁ昨日の今日なのだから。
辛いだろうなぁ、厳しい夫の寝顔を見ていると可愛そうになってくる、今まであちこちの病院で
普通に治療で紛らわして耐えてきた年月を思うから。 背骨の状態MRはすごく痛々しかったもの。
ベッドでX線検査、機械の方が部屋に来てくれる。 採血は異常なし。 食事は半分。
入院があり6人部屋が満杯になった。 各階でも部屋が詰まってきたようだと看護師さんが言う。
向かいのご主人は和歌山から、1月手術予定が都合が悪く、やっと5月順番が回ってきたそうだ。
段々日が経つと、皆さんと会話するようになったし、患者同士でも話したり今まで気が重かったが、
部屋に居ても少しだけ気持ちが楽になる。
肩甲骨の人が多く、夫のように歩けなくはないが、付き添っているのは私だけ。
いるとあれしてこれしてと色々要求してくれるから嬉しい。 今までの悪妻罪滅ぼし。
腰の痛だるさが辛いので上向いたまま本を読んだり、イヤホンでFMを聞いている。
いい音楽があると私にも「いいのやってるで聞いてみ」 イヤホンさしかけ、私も持参の携帯ラジオで聞く。
なんだか一緒に同じ曲を楽しんでいる、術後の静かに流れる時間。
午後仕事帰りに娘たちがなつめを連れてきた。 その時初めて大がしたいとベッドから降り
看護師さん付き添いで歩行器でオトイレに、(看護師さんいると・・出るものも出ない)そうだ。
なつめは見慣れない夫の姿に飛びついてはいかない。 しかし孫の顔はいい薬だ。
食事は半分、野菜の鮮度がいいのか煮浸しの味付けがいい。 明日から普通食になる。
それにしても看護師さん、毎日変わるし夜もまた違う人。 患者とやりとり聞いていると、
男の人って・・こんな時一番優しい、いい男になっているのではなかろうか、と苦笑いして思う。
適当にからかって、楽しんで、勘違いして恋になりそうな。 しかし、偉大であり天使だ。
朝来た時、ナースステーションで「毎日違いますが、自分の患者さんなんだと思って、しっかり
お世話して下さい」と婦長さんが厳しい口調で話していた。 細やかなお世話に毎日が感謝。
昼食 夕食