道彦の散歩道

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01/06 アングレカム属

2014年01月06日 | 豆知識

「アングレカム属」は、ラン科植物の群の一つ。白く香りのよい花をつける。

『概要』

「アングレカム属」のランは単軸性で細長い葉を二列につける着生植物である。
花は白から緑白色で、派手な色は無い。多くはよい香りを夜間に放つ。花は唇弁が大きく広がる以外は特に大きな特徴はないが、とんどが長い距を持つ。特にこの属の一種「ア・セキスペダレ」はとても長い距を持ち、ダーウィンがそこからそれに対応する長い口吻を持つ蛾の存在を予言したことで知られる。
分布はアフリカ諸国に限定され、特にダマスカスで種分化が進んでいる。

多くの種が洋ランとして栽培される。学名は着生ランを意味するマレー語「angurek」に基づく。ただし、現在この種に所属するものに学名仮名読みに基づく種はない。日本での呼称は学名仮名読みに基づく。仮名表記としては「アングレクム」、あるいは「アングレークム」も使われているが、洋ランとしての呼び名は「アングレカム」で定着している。

『特徴』

着生の多年生草本。単軸性のランで茎は先端に向けて成長し続け、次々に葉を出す。偽球茎はない。茎のあちこちから根を出して着生する。

ただし、見かけではかなりの差がある。茎が長く伸びるものでは茎の上に間をおいて葉がつき、茎のあちこちから根を出しているので「バンダ」のような外見となる。茎が伸びないものでは葉は互いに接してつき、根出状に密集し、そこからそれぞれ反対向きに葉をのばし、フウランなどのような姿となる。草丈は小さい方は10センチ程度のものから、大型種は1メートルになるものがある。

葉は細長く厚みがあって革質で二列性。基部は鞘になって茎を包む。普通は中助沿いに二つ折りになって平らに広がる形である。が、一部には棒状になったもの、左右から扁平になった単面葉を持つなどがある。

花は葉腋から花茎を伸ばしてつける。花茎は斜め上から横に伸び、あまり垂れ下がらない。花は花茎に単独で、または少数、まれに多数が総状につく。
花はロウ質で外花被と側花弁はほぼ同型でやや細長くて比較的単純な形、唇弁は大きく広がり、一つながりか、あるいはごく浅くだけ三裂し、付け根近くはややずい柱を抱き、基部には普通長い距を持つ。
花色は白、あるいはそれに近い緑や黄色などの色を呈し、往々にして夜間に香りを放つ。ずい柱は全体に低くくぼんで短い。花粉塊は二個で、それぞれに独自の柄を持つ。

『代表的な種』

代表的な種としては、■大型の方の代表種「ア・セスクイペダレ」。■1メートルになる大型種「ア・エバーネレウム」。■小型の種「ア・レオニス」。■葉が独特な姿の「ア・ディスティクム」。■茎が細長く、葉も棒状でやや垂れ下がる「ア・スコッテイアヌム」。などがある。

『分布と分類』

熱帯アフリカ・南アフリカ、及びマダガスカルとそれに隣接するコモロ諸島などに分布する。特にマダガスカルにおいて分種化が激しい。

アフリカ近辺にはこのような単軸性で長い距のある白系統の花をつけるランは種類が多く、かってはそれらをすべてこの属に含めた。しかし、主として花粉塊の構造などを基に多くの属に区分された。

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