佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

一松懸命

2011-12-13 | 雑感

今年の創作四字熟語が、9日の新聞に出ていた。

 

理路整然をもじって帰路騒然~地震や台風による帰宅困難者の様子

電光石火をもじって電考節夏~電気について考え、節電した夏

年々歳々をもじって年々宰宰~毎年変わる首相

 

なるほど、うまいなぁ・・と読んでいたら、選者の俵万智さんのコメントがあった。

   「電考節夏は標語にしたいほどの出来栄え。

    解説の要らない愛円義援一松懸命には多くの人が頷くのでは」

 

は?一松懸命?

私、知らない…多くの人が頷くってことはほとんど誰でも知っている…?

アチャャ・・・

四字の漢字から考えて、大体意味は推測できるけど、でも、どこの松なんだろう?

あとでネットで調べてみよう~と思って…いつもののように忘れてしまってた。

 

ところが今日、私は何度もその一本松のことをTVニュースで知らされた。

それは、岩手県は陸前高田市の松のことだった。

あの大津波に耐え、70000本もの松林の中でたった1本生き残った松。

まさに奇跡の一本松だった。

すべてが奪い去られた浜で、一人気丈に立ち続ける姿がどれほど人間を励まし続けたか…

人々のがっくり肩を落とした表情を見て、何も知らなかった私でさえ哀しくなった。

 

陸前高田市長の戸羽さんは、「残念で忍びない」「9カ月間みんなの支えになってくれた」と感謝した。

写真詩集「希望の木」を発表した作家の新井満さんは、「何としても生き抜いてほしかった」と言葉を詰まらせた。

「高田松原を守る会」の鈴木善久会長は、「泣いても泣ききれない。白砂青松の高田松原を、また復活させたい」と誓った。

 

でも、「奇跡の一本松」は枯死しても、その命を継ぐ「ツギキ4兄弟」は順調に育っているという。

一本松の枝から接ぎ木した4本は、「ノビル」「タエル」「イノチ」「ツナグ」というりっぱな名前を持っている。

その名付け親は、漫画家のやなせたかしさん。
http://www.asahi.com/national/update/0628/TKY201106280283.html

一本松を「ひょろ松さん」と名付け、「陸前高田の松の木」という歌を作詞作曲。CDに収録した。

   陸前高田の松の木は 

   みんないのちの友だちだ

   ぼくらは生きる 負けずに生きる 

   生きていくんだ オーオーオー

 

こんなに皆の心を虜にし、生きる勇気を与え続けた一本松に、私もありがとう。。

12月10日、「皆既月食と一本松」 写真家の村山嘉昭さんが撮られました。

こちらも村山さんの作品。満月に照らされる一本松。月食前に撮影。

http://twitpic.com/photos/_murayama

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする