一松懸命
今年の創作四字熟語が、9日の新聞に出ていた。
理路整然をもじって帰路騒然~地震や台風による帰宅困難者の様子
電光石火をもじって電考節夏~電気について考え、節電した夏
年々歳々をもじって年々宰宰~毎年変わる首相
なるほど、うまいなぁ・・と読んでいたら、選者の俵万智さんのコメントがあった。
「電考節夏は標語にしたいほどの出来栄え。
解説の要らない愛円義援や一松懸命には多くの人が頷くのでは」
は?一松懸命?
私、知らない…多くの人が頷くってことはほとんど誰でも知っている…?
アチャャ・・・
四字の漢字から考えて、大体意味は推測できるけど、でも、どこの松なんだろう?
あとでネットで調べてみよう~と思って…いつもののように忘れてしまってた。
ところが今日、私は何度もその一本松のことをTVニュースで知らされた。
それは、岩手県は陸前高田市の松のことだった。
あの大津波に耐え、70000本もの松林の中でたった1本生き残った松。
まさに奇跡の一本松だった。
すべてが奪い去られた浜で、一人気丈に立ち続ける姿がどれほど人間を励まし続けたか…
人々のがっくり肩を落とした表情を見て、何も知らなかった私でさえ哀しくなった。
陸前高田市長の戸羽さんは、「残念で忍びない」「9カ月間みんなの支えになってくれた」と感謝した。
写真詩集「希望の木」を発表した作家の新井満さんは、「何としても生き抜いてほしかった」と言葉を詰まらせた。
「高田松原を守る会」の鈴木善久会長は、「泣いても泣ききれない。白砂青松の高田松原を、また復活させたい」と誓った。
でも、「奇跡の一本松」は枯死しても、その命を継ぐ「ツギキ4兄弟」は順調に育っているという。
一本松の枝から接ぎ木した4本は、「ノビル」「タエル」「イノチ」「ツナグ」というりっぱな名前を持っている。
その名付け親は、漫画家のやなせたかしさん。
http://www.asahi.com/national/update/0628/TKY201106280283.html
一本松を「ひょろ松さん」と名付け、「陸前高田の松の木」という歌を作詞作曲。CDに収録した。
陸前高田の松の木は
みんないのちの友だちだ
ぼくらは生きる 負けずに生きる
生きていくんだ オーオーオー
こんなに皆の心を虜にし、生きる勇気を与え続けた一本松に、私もありがとう。。
12月10日、「皆既月食と一本松」 写真家の村山嘉昭さんが撮られました。
こちらも村山さんの作品。満月に照らされる一本松。月食前に撮影。