佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

疲れました…

2010-11-29 | 石木ダム

石木ダム検証について再度の申し入れをするために、県庁へ行ってきました。

今回は川棚から7人、佐世保から4人、そして長崎からは5人も
予想に反して、前回よりも多人数の参加となりました。

受ける県側も、前回と同じ河川課のお二人と、さらに土木部長が出席で、
少しは実のあるやりとりが期待できると思ったのですが…

全くかみ合いません。

前回の河川課長さん同様、土木部長さんにも、私たちの言葉が通じません。

地方行政職の偉い方、いわゆる地方官僚と呼ばれる皆さん、
あなた方は異邦人?異星人?
それとも、自分たちに異を唱える県民の言葉だけ理解できない脳仕様なのでしょうか?

最後まで何一つ受け入れてもらえず、平行線のままでした。

どんなふうに説明しても、
どんな言葉を使っても、
通じませんでした。

疲れました…
 

例えば、

地権者の I さんが怒りを込めて追及しました。
前回、私たちが提出した申し入れ書のあて先は中村知事なのに、
なぜ土木部長名で返事が来るのか?
なぜ知事名で返事を出せないのか?

その答えは、「内容は知事にも了解をもらっている

了解してるなら知事名を書けるだろう、私たちは知事の返事がほしい、
今回の返事はそうするように、と言っても

知事には伝えます」と繰り返すばかり。

地権者の方たちが知事の返事に拘るのは、知事は聞く耳を持っていると感じてるからです。
今年3回にわたる知事との話し合いを通じて、その感触を得ているのです。

私もそのように感じます。直接話したこともないけれど・・何故かと言えば、

前回の申し入れで、いつ頃検討を始めるのか質問したのですが、
土木部長の回答書には「現在調整中であり決定次第公表する」としか書かれていません。
一方、知事は記者会見で、「年内には初会合を開く予定だ」と答えています。

訊かれたことにも答えようとしない土木部長と、わかる範囲で答えようとする知事と、
この差を皆は感じているのです。

さらに知事は、その会見で、

客観的な事実に基づき、論理的な説明ができるような検証作業が求められる。
あいまいな検証は許されない。
予断を持たずに作業を進める。

と言ったのです。
一方、検証が済むまで付替え道路工事を中止すべきとの申し入れに対し、土木部長は、

付替え道路工事につきましては、石木ダムの早期完成のためには進めてまいりたい
と考えておりますので、ご協力をお願いします。

という、あきれた回答です。
これがこれから予断を持たずに検証しようとする人の言葉ですか?
検証は形だけ、結論はダム建設続行、これは変わらない。
そう思っているからこんな言葉が出るのでしょう。

また、私たちは、今放映されている県政チャンネルの情報がいかにデタラメであるか、
事例をあげて説明しました。

佐世保市長がインタビューに応じ、佐世保市の水不足は深刻で
戦後、2年に1回は給水制限をかけてきた」と言ってますが、実際は・・・

昭和50年から今日までの35年間に給水制限を実施したのは4回です。
昭和53年と、平成6~7年、この2回は断水を伴う給水制限を実施しました。
平成17年と平成19年、この2回は減圧による給水制限です。
減圧給水は全く不便を感じないからずーっとやってもいいよ、という人もたくさんいます。

つまり、本当に市民が困った給水制限は、35年間で2回しかなかったし、
その内の1回の平成6~7年の渇水は西日本全域が水不足で苦労した年で、
佐世保に限ったことではなかったのです。

それなのに市長は「2年に1回給水制限をしてきた」とウソを言い、
TVの映像は、ポリバケツに水を溜める市民の姿を映します。
まるで平成6年時の渇水が、佐世保には2年に1回訪れているかのように…

また、核家族化が進み、下水道が普及すると水需要が増え、4万トンの水が必要…
と、相変わらずの主張です。

核家族化が進んでも減り続ける東京都の実例を示しても、
ここ数年続いている佐世保市の配水量の減少を示しても、答えは同じ。

我々は国の実施要領に沿って適切に検討を進めていきます

オオムのように繰り返すばかり。全く意味のない言葉を。

つい最近法務大臣の椅子から降りた柳田さんも答弁は2つの言葉で間に合うと言ってたけど、
同じ体質なんだなぁ

そう思うと、一生懸命調べて用意して、何とか分かってもらおうと考えてた自分が滑稽で、
疲れがどっとあふれてきてしまいました。

でも、わかっていますよ~
こんなことで萎んでちゃダメですね・・

そう、明日は写真展の準備です。

まだまだやることはいっぱいあるし、

やれることを見つけて、やるっきゃない  ですよね。 

 

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関心を寄せ合う

2010-11-26 | 石木ダム

昨日は「西海アラカルト」の録音日。
本当は夕方まで「ふれあいセンター」に缶詰の一日なのだけれど、
皆さんのご親切に甘えて、私の担当記事を先に録音させて頂いた。

お昼の大事な会議も欠席して早退したにもかかわらず、
私が持ち込んだ石木ダム問題の写真展のチラシをY先輩が預かって、
すべての作業終了後、皆さんに配って下さったとのこと…本当に感謝!

3時半頃県庁に着き、県政記者室、河川課で用事を済ませ、

5時半からは、合唱構成「平和の旅へ」の練習。

冒頭のあいさつで、「長崎うたごえ協議会」のOさんが、
「今回ナレーションを担当して下さる佐世保のMさんは、石木ダム反対運動で・・・」
と紹介して下さり、

また、別の方は、
「日本のうたごえ祭典でも注目された『川原のうた』が、佐世保で歌われることになりました~!」
と伝えて下さり、
えーっ!良かったねー!と、あちこちから声が上がり・・

私は、お礼と共に、川棚町での文化祭でも発表されたこと、一番大きな拍手がおくられたこと
などを伝えることができて、とても嬉しかった。

ほんの小さな共感でも有難いし、大切にしたいと思う。

多くの人が社会のいろんな問題を知って、このままじゃいけない、どうにかしなければ…
と思っても、行動に参加するのはなかなか難しい。時間的なこと、周りの環境などなどで。
また、すべての問題に関わるのは不可能だから、
行動するとしても、自分の身近なこと、あるいは一番関心のあることに限られる。

私もそう。
今は石木ダムのことで精一杯。
沖縄の選挙や、プルサーマル問題や、上関原発のことなど、気になりながら何もできないでいる。

何もできないけど、関心だけは持ち続けたいと思う。
幸い、それらについて情報を送ってくれる友人知人がたくさんいる。

今日、COP10のMLに、らんぼう君からのメールが入っていた。

16日から田ノ浦(上関原発予定地)の埋め立て工事に来ていた作業台船が深夜帰ったという。

祝島島民の会からの情報によると、

今月16日より埋め立て工事再開にむけ上関原発建設予定の海域まで来て、
祝島の漁業者らの抗議によって工事海域外に停泊していた作業台船ですが、
本日午前1時半ごろ、現場海域から離れていきました。
夜通しで監視していた祝島の漁業者によると、
風や波が強くなってきたためだと作業員から説明があったとのことです。

約10日間の祝島の漁業者よる夜を徹しての抗議によって、
今回も埋め立て工事は再開されませんでした。

ただ、中国電力が埋め立て工事再開を目論んで作業台船を工事海域に向けたのは、
9月以降でこれで3回目です。
いつまた作業台船が動くか、油断できない状況に変わりはありません。
どうか今後とも上関原発問題にご注視ください。

と書かれていた。

祝島の皆さんの頑張りは本当にすごい。
その意志も、行動力も、持続力も…

そのことを知った人々が希望と勇気と力をもらう。
私たちも頑張ろう…頑張れる…と。

祝島島民を応援している「虹のカヤック隊」のブログに、10代の若者からのメッセージが紹介されていた。

 

僕は今、本当に本当に守りたい海があります。

それは瀬戸内海にある自然が自然のまま残されてきた宝の海。

その海と1000年以上も共に生きてきた歴史を持つ、祝島という小さな離島に住んでいる人々。

だけど、その海が原子力発電所の放射能や廃水などによって
二度と戻ることのない環境破壊に脅かされています。

中国電力の原発計画が28年前に持ち上がったときから、
祝島の人々は反対の声をあげてきましたが、
それとは無関係に原発建設のための工事が「今」進められています。

だから、祝島の人々は中電に訴えられても、生活削っても
毎日、原発建設予定地で座り込みをしています。

僕は祝島の人たちを大切に思ってるし、本当にこの海を守りたい。

そしてこの瞬間にも、訴えられたり、生活を削ったりしながらも、笑って支え合いながら、
先へ続いていく命の為に海を守ろうとしている人たちがいることを知って欲しい。

みなさんのお力をお貸しください。よろしくお願い致します。



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知っていますか?28年前のこと

2010-11-24 | 石木ダム

もうすぐ師走。

このクソ忙しいときに写真展?

とお思いの向きもあるでしょうが…

場所は佐世保駅から徒歩3分の「アルカスさせぼ」です。
その1階、交流スクエア、入場無料です。

駅方面からアーケード街へのお買いものついでにでもお立ち寄りください。

 

百聞は一見に如かず…

写真は正直です。

その時そこで何があったのか、

あなたの目で見て下さい。

そして、なぜ、そんな事態に至ったのか、

あなたの頭で考えてみて下さい。

これは過去のことですが、同じことが繰り返されるかもしれないとしたら…

あなたは、どう思いますか?

佐世保市民の私たちの水のために、こういうことが再び起きるとしたら…

ビデオも流します。

まずは過去を知って、今の実情を知って、それから未来を共に考えましょう 

 

「こうばる通信」8号ができました~!

と、ほーちゃんからメールが届きました。

これからはB5サイズで4ページなんだそうです。

漫画も入れてボリュームアップです。

決して巧いとは言えないけれど(ほーちゃん、ごめん!)
でも、ほのぼのとして、読後感が何とも言えないいい気分です。

ほーちゃんは、自分にできるやり方で、自分なりにふるさとを守ろうと頑張っています。

この通信は、川棚新鮮市場、川棚郵便局、川棚西肥バスセンターに置いてあります。

関心のある方は是非手にとって読んでみて下さい。

また持ち帰って周りの方に見せて頂ければ、ほーちゃんはもっと嬉しいでしょう。

そして、このブログを読んで下さっている方で、

私も読みたーい!とか、ウチのお店に置いてもいいよ、

などお考えの方がいらっしゃいましたら、ご一報下さい。

どうぞ宜しくお願い致します。 

 

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素敵なおじいさん

2010-11-21 | 雑感

取り出した本からポトリ・・

あー、こんなとこにあったんだ!
どうして~?
まあ、いいや。良かった、良かった。。

無くした宝物が再び手元に戻ってニンマリする私。

その宝物とは、

半月ほど前のこと・・・

風邪の症状が悪化して、明日から大事な用事があるのに大変!
と、あわてて駆け込んだご近所の内科医院。

待合室には患者さんがいっぱい。
長椅子の真ん中に空席があったので、そこに座りました。

その席の斜め向かいに、1組の老夫婦が座っていました。

おじいさんもおばあさんもかなり腰が曲がっていて、
おじいさんは手が少し震えていたので、おばあさんが問診票に記入していました。
でも、おばあさんは視力がかなり悪そうで、問診票の字が見えない様子。
「わからん、わからん」と、だんだんいらついてきています。

気になったので、お手伝いしようかと立ちあがって近づいた時、
その様子に気づいた看護婦さんがやってきて、「あ、こちらで書きましょうね~」と言いながら、
おばあさんに代わって、書き始めました。

安心して元の席に戻ろうとしたら、もう別の人が座っていました。
気づいたおじいさんは、何度も頭をぺこぺこなさるので、手を振って少し離れた壁際に移動。

しばらくして、別の席が開いたので座りました。

すると、先ほどのおじいさんがやってきて、カバンから小さなものを取り出し、
「どうぞ」と、私の手の中に置いて行かれました。

それは、四葉のクローバーの押し花でした。

もうすっかり変色して茶色になっているけど、かなり大きなしっかりした4枚の葉がついています。
台紙の裏には、「22,4,26 佐世保 鹿子前」と書かれていました。

私がびっくりした顔をしていると、

うちの近所には、探せばいっぱいあるとです。
毎年、いっぱい見つけっとです。ほら。

と言いながら、カバンの中を見せてくれました。

確かに、小さなカードに貼り付けた四葉のクローバーが10枚くらい入っていました。

 

クローバーのおかげでしょうか。
風邪もひどくならず、予定の日程もこなし、すぐに回復しました。

おじいさん、ありがとう。

来年の春は、私も探してみようかな。

おじいさんのように、知らない誰かにあげてみたいなぁ・・・

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暗雲?

2010-11-12 | 石木ダム

薄墨を流したような朝靄の佐世保港・・・ではありません。

午後1時過ぎ、真昼の太陽の下なのですが・・・

いえいえ、ピンボケの写真ってわけでもないのです。
私のカメラは、私が撮ってもボケないように映し出してくれる優れ物ですから。

ほらね。手前の建物はけっこうしっかり写っているでしょ。

この現象は黄砂。なんと、季節外れの黄砂が飛来中なのです。

昨夜の天気予報で、明日は黄砂の影響で視界が5km以下のところもあるでしょう。
洗濯物にもご注意を…と呼びかけていましたが、予報は大当たりですね~

黄砂は中国大陸内陸部の砂漠などの細かい砂が強風で巻き上げられ、
偏西風に乗ってやってくるんですよね~

春先の現象かと思ってましたが、今ごろでも来るんですねー。

ニュースによると、10日頃ゴビ砂漠で発生した低気圧が砂を巻き上げたのが原因らしい。

今日は外に出ないで一日家に籠ってました。
外仕事の方々(郵便屋さん、宅配業者さん、工事作業員さんetc)は、たいへんでしたね~
ほんとにご苦労様でした。

 

ところで、この景色と同じように、石木ダム検証も、ますます暗雲がたちこめてきました。

昨日の定例会見で、中村知事は、

ダム検証の検討の場に第三者を入れることは今のところ考えていない。

これまでも専門家の意見を聴いてきた。

専門家を入れないと再検証できないということはない。

と、述べたそうです。

 

あ~あ、そこなんですよねー。

これまで県がお膳立てした検証の場?再評価の場?には、
御用学者や、県の意向に沿った識者の皆さんばかり・・・
そんな場で何回検証しても、議論しても結論は同じでした。

なのに、今回は、その御用学者ですらも検討の場に入れず、
関係自治体だけで構成すると言う。

それはもう「検討の場」とは言えないでしょう?「確認の場」じゃないんですか?

また記事の中で、知事は、

他県の検討の場も関係自治体だけで構成していることを挙げ、・・・・見解を示した」

と書かれていましたが、これは事実なのでしょうか?

私が入手した(水源連や全流連を経由してですが)新聞記事によると、
いくつかの県では、自治体だけでない検討の場を実施しているようですが・・・?

★新潟県は9月30日、新潟市中央区の新潟県自治会館で、学識経験者で構成するダム事業検証検討委員会(委員長・大熊孝新潟大名誉教授)の初会合を開いた。国によるダム事業の見直し方針を受け、本体工事が未着工の補助ダム4事業を対象に事業継続の可否を判断するための検討に着手した。(10月4日建設通信新聞)

★国の「補助ダム見直し」方針を受け、金出地(かなじ)ダム(上郡町)の本体工事着工の是非を検討するため兵庫県が設置した「金出地ダム検討会議」は4日、上郡町の県西播磨県民局で初会合を開催。出席した地元住民から早期着工を求める意見が出された。会議のメンバーは学識経験者や地元民ら12人。(10月5日毎日新聞)

★兵庫県は、昨年末に国が検証対象とした補助ダムの西紀ダム(篠山市、総工費54億円)と金出地ダム(上郡町、同170億円)について、今月から学識経験者や関係住民・利水者、関係市町で構成する「ダム検討会議」による検証を行う。会議は公開で行い、年内にも対応方針を決定する。(9月24日産経ニュース)http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/hyogo/100924/hyg1009240156004-n1.htm

できるだけダムに頼らない治水への転換を進める国からの要請に基づき、島根県は13日、補助ダムの検証をスタートさせる委員は防災土木工学、水環境などの学識経験者のほか、地元関係委員を選ぶ。13、14日に初会合と現地視察をし、1月下旬までの計3回の議論で結論をまとめる方針。(10月12日中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201010120038.html


これら4つの記事は誤報ですか?

誤報でなければ、少なくとも新潟、兵庫、島根の各県は学識経験者や地元住民を入れた検証or検討の場をスタートさせています。

となると・・・知事は認識不足と言わざるをえませんよね。

いずれにしても、他県がどうであろうと、長崎県は、公正な検証検討を目指してください!

知事に届かないことはわかっているけど、声を大にして言いたいのです。 

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石木ダム検証~佐世保市の対応は?

2010-11-11 | 石木ダム

昨日10日、佐世保市議会では水資源確保対策特別委員会が開かれたので、傍聴してきました。

議題は、石木ダムの検証についてです。

 

まず当局(佐世保市水道局)から、

経過(この検証の目的も含めて、国交省から県に対して要請がきた日までの流れ)と、

検証の概要(検証の進め方の全体的な流れと利水検討に関する流れ)が説明され、

具体的な検討スケジュールについては、現在県において検討中なのでわからない

ということでした。

 

つまり、検討作業がいつ始まるのか、
作業チームを誰が決めて、どういう人たちが選ばれるのか、
いつ頃結論を出すのかなど、すべて県にお任せだというのです。

委員の山下議員が、

それはおかしいのではないか、
たとえ検討スケジュールを決めるのが県の役目であったとしても、
佐世保市は石木ダムの共同事業者ではないか。
県と共に事業費の負担を目的に応じて分担してるではないか。
総事業費の35%という金額、それは市民の税金であり、水道料金であり、
そのような責任を担っている当局が、佐世保市としての意向を県に伝えるべきではないか、

と質しますが、当局はあくまでも逃げの構えです。

佐世保市水道局長の説明によると、

佐世保市は、確かに石木ダム事業の共同事業者ではあるけれども、
工事に関しては県に委託している。

また、佐世保市はダムの利水目的での事業者であり、我々の上にいるのは厚労省である。
今回のダム検証の要請は、国交省から県になされたもので、
厚労省は、佐世保市に対して「その検証に協力して下さい」という要請をしているのだ。

あくまでも検証主体は国交省(国)で、検討主体が県で、
佐世保市は、その県から依頼が来れば協力するという立場なので、
検討に関する具体的な方法についてとやかく言える立場ではない。

のだそうです。

山下議員との平行線がしばらく続いて説明に困った水道局長は、よりわかりやすくと思ったのでしょう、
こう言いました。

会計検査院を例にとりますと、
検査を受ける側が、検査官に、検査に関してあれこれ注文は付けられないでしょう?
我々もそれと同じで、検証を受ける側です。受ける側が検証のやり方について意見は言えないのです。

そうなのです!
水道局長の言うとおり!

検証主体は国です。国土交通省です。

佐世保市も長崎県も検証される側なのです。

だから、検討作業は、本来、第三者機関に任せるべき!なのです。

それを、「有識者会議」とやらが、検討主体は各自治体に…
などとバカな提言をおこなったのが大間違い!

ただ、水道局長が言ってることはその間違いを指摘してるのではなくて、
検討主体が県だから、佐世保市は県に協力するだけ、県の言いなり…ってことなんですが。トホ…

 

その後、山下議員は、

県が示した石木ダム建設工事の予定が大幅に遅れていること、

国の補助金が大幅に減額されたこと、

工事中の付替え道路はまだ未買収区間がかなり残っていること、
町道川原木場線の場合、55%が未買収。これで道ができると言うのか、

それらの遅れはすべて、強固な地権者の意志による、
彼らは1ミリたりとも売らないと言っている、
100年たってもダムはできないと言っている、

国は、検証に際して、その実現性も確かめなさいと言っている

こういう状況を事業責任者としてどう思っているのか、と再び質しました。
が、これに関しても当局は、県にすべてを投げてしまっています。

我々はダムを造る専門家ではない。

我々はダム建設を県に委託した。その県が工程通りに進めると言っている以上、
我々がそれと違うことは言えない。

と繰り返すばかりでした。

昨日の委員会には新聞各社とTVの記者もいました。
山下議員が、工程表や付替え道路のフィリップを出して説明した時には、
皆さん席を立って、何枚も写真を撮っていました。
ビデオカメラを回している記者さんもいました。

お、明日は一斉に報道してくれるのかな?と思っていたのに、
今日、どこにも記事はでていませんでした。

がっくり。

県に言えば、「国の提言通りにやるだけだ」と聞く耳持たず、
市に言えば、「県の意向に沿って協力するだけだ」と考えようとせず、
マスコミは、その実態を見ていても重要視せず、

あ~あ、
世の中、ワカランチンばかりだなぁ。

当事者でなく、第三者に検証作業を委ねましょう
それが無理なら、
検討の場は自治体だけでなく、賛成反対両方の専門家や住民も入れて下さい
というごく当たり前のことを言ってるだけなのに。

はは~ん、
やっぱり、自分たちの計画に自信がないのですね。
石木ダムは不要と唱える専門家の論理に対抗できないとわかってるのですね。

でも、後戻りするなら今ですよ。
今がチャンス!
半世紀にわたる失策を見直す、きっと最後のチャンス。

中村知事、佐世保市長、もう一度よーく考えてみてください。。 

 

追記:すみません。マスコミはどこも報道してないと記してしまいましたが、
    1紙ありました。毎日新聞長崎版です。
    http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20101111ddlk42010567000c.html

    毎日新聞さん、ごめんなさい。 

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川原のうたin川棚

2010-11-08 | 石木ダム

川原のうたin川棚

昨日「川原のうた」が、みたび、ステージ上で歌われました。

今回は、川原の皆さんの住む川棚町の総合文化祭、その芸能部門への出場でした。

応援に行けない私は、「石木川まもり隊」の仲間の I さんにビデオ撮影をお願いしていたのですが、

なんと、昨日のうちに You Tube にアップして下さったのです。

 

I さんの奥さんのY子さんは、その時の様子をこのようにメールして下さいました。

6番目の出演で、それまでの方々のは 話し声があったり、 ざわざわしたり、
拍手とかは なんとなく まばらだったんですが、
川原の皆さんのときは 会場のみなさんがみんな聞きいり、 終わったら すごい拍手でした。
もうジ~んとして、私は 涙なみだでした。
歌もですが、ナレーションが自然で ものすごく よかったです。

諫早から駆けつけて下さった「多良見の竜神さん」も、ブログのコメント欄に

終わった後の拍手は,一番盛大でしたよ。川棚町の皆さんの本当の思いが分かったような気がします。私も手が痛くなるほどでした。

帰り道,一年ぶりに「こうばる」を訪れました。去年と変わらない清流でした。

秋の訪れを知らせる野鳥の「ジョウビタキ」が電線の上でさえずっていました。
川の水面すれすれに,「カワセミ」が上流に向かって飛んでいきました。
ルリ色の羽が輝いていました。

と、書いて下さいました。

歌った皆さんからもメールを頂きました。S子さんは、

川棚町で発表することができて本当によかったです!!
お客様も多く、拍手もいっぱいもらいました。
I さんが応援に見えました。有難く思いました。
Kさんも初めて見て、感動してました。
M先生もコーラスしてもらいました。嬉しかったです!

K子さんは、

「思いの丈を元気に歌おう」と臨みましたが、
「知っている人が多いので緊張するね」と今までにない”緊張感”でした。
歌う前「楽しみにしています。頑張って」と声をかけてもらいました。
(元職場の人で、応援していますって…。最近こう言って下さる方が増えたと感じます。)
聴いてもらっている!拍手も多かった!と実感しました。
(歌う直前に、M先生に「先生も一緒に歌いませんか?」と言いましたら
即、そうしましょうって、急きょ、予備のTシャツを着て一緒に歌って下さいました。
ありがたかったです。)
さっき、知人から電話があり「良かった!特に歌詞、語りが良かった!CDはないの?」
と言われました。

など、嬉しいメールが続々・・・

何よりも、川棚の皆さんの前で、川原への想いを、歌って伝えられたこと、

その想いを川棚の皆さんが温かく受け止めて下さったことがわかって、

本当に嬉しいです。

 

いつの日か、佐世保でも、川原の皆さんの歌声をお届けできる日が来ますように…

夢見ています。

 

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県庁へ 申し入れ

2010-11-05 | 石木ダム
今日、私たち13人(川棚町民と佐世保市民)は、
石木ダム建設事業の公正な検証を求めて、県に申し入れに行きました。
(他に長崎市からも応援団お二人が参加して下さいました)

まずはじめに5団体からなる申し入れ書を I さんが読み上げ、長崎県土木部河川課長に手渡しました。

それに対して河川課長は、そこに書かれた2つの質問、
1.検証を始める時期と結論を出す時期の目安
2.検証検討会議のメンバー構成
については、今現在は何も決まってないので、何も答えられないと言いました。

また、私たちの要望5つの中の1つ、公開については認めましたが、
他の4つはすべて否定しました。

つまり、第三者機関による検証委員会の設置を否定し、
ダム賛成反対両者の割合が同じになるような委員会も否定し、
公開討論会や双方向性の公聴会の開催も否定し、
事業認定申請の取り下げや付替え道路の中止も否定しました。

なぜなら、国交省が示した再評価実施要領には
そのような委員会を設置しなさいとは書いていないではないか、
私たちは国の方針に基づいてやっていくだけだと、
県は繰り返すばかりでした。

国の実施要領とは、ダム事業の検証をする際の手続きというか段取りというか、
そのようなことについていろいろ具体的に述べているのですが、その中に、
①「関係地方公共団体からなる検討の場」を設置し・・・
②検討過程においては情報公開を行うとともに、主要な段階でパブリックコメントを行い・・・
と書かれている部分があり、
県は、これを絶対視して、この通りにやると言っているのです。

だから検討の場は地方公共団体が集まればいいし、その過程の中でパブコメもやるつもりです、
それで何が問題なのですか?と県はつっぱねます。

確かに県の言い分もわかります。
しかし、それは、ものごとの本質についてはこれっぽっちも考えず、
ただ上から言われたからその通りにやるという、ロボットのような仕事ぶりです。

普通に考えると、事業者が検証主体になるなんて、とんでもない話です。

例えばあなたが、台所の調理器具を、電子レンジにするかガスレンジにするか迷っていたとしたら、
誰に相談しますか?
電力会社の人に訊けば、それは電子レンジがいいと言うでしょうし、
ガス会社の人に訊けば、もちろんガスレンジを薦めるでしょう。
電力会社の人ばかり数人に訊いて、それで決定はしないですよね。
電器屋さんとかハウジングコンサルタントとかの第三者に相談したり、
実際に使っている友人たちに感想を求めたり…ですよね。

ダムを造りたい、ダムしか道はない、と言ってる自治体の人々が何人か集まって検証しても、
その答えは初めからダムに決まっているでしょう。

国は(昨年夏誕生した民主党政権は)、そもそもダムに頼らない治水対策を!と呼びかけたのです。
自然を破壊し、膨大な税金を食いつぶすムダなダム計画を、そろそろ見直そうじゃないか、
と呼びかけ、検証すべきダムをリストアップしたわけです。

しかし、初心はどこかに置き忘れたのか、
民主党の上をいく河川官僚のワナにハマったのか、
事業者である県に検証検討を任せるという大失敗の方法を提示してしまったのです。

であってもなお、 「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進めるという考えに基づき…
という大義は残っています。

その大前提を考えるなら、
「石木ダムしかない」と言い続けている県や佐世保市や川棚町の行政担当者が集まって検討しても
無意味です。
「十分に検証しましたが、やはりダムを造るのが最善の対策です」と言うでしょう。

検討するだけ時間の無駄、税金の無駄と言いたくなります。

本当に検証する気があるのなら、
堂々と反対者も交えて議論しましょう。

反対する専門家の意見にも耳を傾けて下さい。

また国は、実現性のことも考えなさいと言っています。
石木ダムの反対地権者は一坪たりとも渡さない。
絶対に土地は売らない。ここから出ていかない。
と言い続けているのに、どうしてダムが造れるでしょう?

造れないダムにいつまでもお金をつぎ込むのは、まさに税金の無駄遣いです。

そのようなことを、私たちは口々に言いました。

そして、地権者の女性たちの言葉には、さすがの河川課長も返す言葉がありませんでした。

「私たちはあなたたちの言葉を信じません。
 あなたたちとは話したくありません。
 あなたたちは、事業認定申請をしました。
 私たちの土地を力づくで奪い取ると宣告したのです。
 私たちは喉元に刃物を突き出された状態で、お願いしますと言われても
 話し合えるわけがないじゃないですか」


県の河川課の皆さん、佐世保市の水道局の皆さん、中村知事、
元はと言えば、あなた方の責任ではないのです。

あなた方の先輩がこの計画を立てた時期と、今では状況が全く変わったのです。
その変化をしっかり受け止め、先輩が立てた計画にいつまでも縛られないで下さい。

勇気を持って客観的なな検証を実施し、公正な結論を導き出してください。
それが本当の意味で国の意向に沿うことになり、何よりも県民のための行政になるのです。

私たちは文書での回答を要望し、一週間後という期限を提示、了解して頂きました。

私たちの想いが少しでも届いていますように、願いつつ待っています。
仮に、それが無視された回答であったとしても、まだ交渉は始まったばかり。
私たちは何度でも足を運びますよ~


                               

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「川原のうた」ふたたび

2010-11-04 | 石木ダム
川原のうた


これは、10月17日、長崎市のブリックホール国際会議場で歌ったときの映像。
「2010日本のうたごえ祭典in長崎」のオリジナルコンサート部門への出場でした。

この川原の皆さんが再びステージに立って歌います。
11月7日(日)、川棚公会堂で開かれる文化祭に出演されます。

川原に住んでいる方が、かけがえのない郷、川原への想いを歌います。

この場所を水底に沈めてはならないと、
命がけで闘ってきた方々が淡々と歌います。

川棚町では長い間、ダム問題はタブー視されていました。
静かな里山の集落が、権力とお金にかき回され、分裂し、しこりを残したからです。

2年前、「石木ダム建設促進川棚町民の会」が設立されました。
その会長だった人が、今年9月の町長選挙で当選しました。

そんな川棚町の背景の中で、
勇気と信念を持って、でも決して声高に主張するのではなく、
ありのままの想いを伝えたくて歌うのです。

どうか、真白な気持ちで、その歌に耳を傾けてください。


12時開演で、「We Love こうばる」の出番は13時頃とのこと。

多良見の竜神さん、間に合いますか?

川棚の方、佐世保の方、お時間があったらどうぞ聴きに来て下さいね~
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神話 ― トリニティーあるいは三位一体 ―

2010-11-02 | 雑感
昨日の長崎新聞「マンスリーポエム」、11月の詩に登場したのは、森ぶんめいさん。
大村市在住の方で、高校教師をなさっているようです。

今回掲載されたのは、「神話 ― トリニティーあるいは三位一体 ― 」
タイトルはかなり意味不明ですが、読んでみるとわかります。

森さんが告発なさっている現代の神話の世界へどうぞ・・・



     始まりはたった三つだった

  ニューメキシコ州アラモゴード
  トリニティー・サイト
  その三位一体と呼ばれる砂漠で
  最初の「ヒバクシャ」となったのは
  ガラガラヘビだった

  1945・7・16
  三つのうちのひとつが
  そこで世にも恐ろしい産声をあげた
  その声は大地を揺るがし
  やがては
  人類を何世代にもわたり欺き
  裏切り、傷つけつづける
  「神」となっていった

     始まりはたった三つだった

  「チビ」と呼ばれた「神」の一人が
  1945・8・6
  ヒロシマという小都市の上空で
  黒い雨を降らせた

  その三日後、
  美しい港町ナガサキに
  「デブ」というニックネームの
  「神」が舞い降りた

     始まりはたった三つだった

  二つの街に舞い降りた神々は
  その意味さえ知らない人々を
  コンクリートに焼き付け
  一瞬のうちに気体と化し

  体内に永遠の十字架を刻みつけた

  ヒロシマ、ナガサキは
  現代を生きる人々に「思想化」されず
  死と隣り合わせの「ヒバクシャ」は
  日常に突き刺されたトゲでさえもない

     始まりはたった三つだった

  ニューメキシコ州アラモゴード
  トリニティー・サイト
  その三位一体と呼ばれる砂漠に今
  「原爆博物館」という名の
  「神殿」がそびえているという




その神々を生んだアメリカの大地で生まれ育ったオバマ大統領が
核兵器の廃絶を世界に訴えた。

世界中が拍手喝采し、ノーベル平和賞を授与した。
ヒロシマ、ナガサキの人々も歓喜した。
ヒロシマ市長などは、オバマジョリティという造語さえ作って称えた。
ナガサキのヒバクシャたちは、「オバマさん、ナガサキに来て!」とラブコールを送った。

その願いは無視され続け、
9月15日アメリカが臨界前核実験をやっていたことを、
私たちは1ヶ月後に知った。

アメリカ当局は
「保有する核兵器の信頼性と安全性を維持するために必要な情報を得るのが目的」
として条約にも違反しないと弁明した。

「核兵器の信頼性と安全性の維持」?
あら~、やっぱり核兵器廃絶なんて本気ではなかったのね~

ヒロシマとナガサキのヒバクシャたちは怒りの声をあげ、抗議の座り込みをした。
ノーベル平和賞を返せ!との叫びがこだました。

しかし日本政府は、「未臨界核実験は、包括的核実験禁止条約CTBCにおいて禁止されている核爆発は伴わない実験である」から抗議は行わないと言った。

アメリカだけでなく日本の為政者も信仰心が篤いらしい。
ニューメキシコ州トリニティー・サイトで産声をあげたという現代の神への信仰。
彼らもその「神殿」にお参りしたのだろうか?

コメント (2)
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