10月16日、「うたごえサークルふれんど」の仲間と共に「佐世保実業高校」を訪ねました。
最近話題になった、あの佐実です。
校内で出会う生徒さんたちはみんな明るく「こんにちはー!」と声をかけてくれて、
野球部暴力問題の暗い影は微塵も感じられなかった…
私たちは、同校がおこなっている「全通併修」の講座の、
なんと!講師として出かけたのです。
講師と言っても、メインは歌。
皆さんと一緒に歌ったのは、
「紅葉」「故郷」「翼をください」「ビリーブ」「あなたが夜明けを告げるこどもたち」の5曲。
他にも、絵本「花咲き山」、紙芝居「お母さんのうた」と、トーク2人。
それにしても「全通併修」って何?と思われていることでしょう。
実は私たち自身もよくわかっていませんでした。
教頭先生の説明によると、
全日制(佐世保実業高校)と
通信制(NHK学園高校)を
併用して、卒業単位を
修得するシステムのこと
だそうです。
例えば通学が困難になってしまった生徒が、
自宅でNHK学園の通信教育を受けながら、時々学校でスクーリングを受けて単位を取っていき、
その後、通学できるようになったら普通教室に戻って、全日制の生徒として卒業する。
全通教室では、今回のように、
保護者や普通教室の生徒も一緒になって特別な講座を受けたりできる、
画期的なシステムのようです。
そんな意義深い講座の講師を務めるなんて私たちにはできないよ~
と、その場になって一瞬ひるみましたが、
いやいや、私たちのようにヘタクソな歌だからいいのかもしれない、
と思い直し、教室へ。
50分の予定時間はあっという間に終わってしまいました。
歌の時は、保護者や普通教室の二年生の生徒さんなど一緒に歌ってくださる人もいましたが、
最前列に座っていた全通併修の生徒さんは、みんな下を向いて歌詞カードに目を落としていました。
でも、紙芝居や絵本朗読のときは、生徒さんの頭はしっかり前を向いていました。
(そのとき私たちは最後列の席に座っていたので、後ろ姿しか見えません)
Tさんの味のある読みに導かれ、きっと「花咲き山」の世界を味わってくれたことでしょう。
また、トークをした一人Yさんは、4人の子どものお母さんで、
そのうちの2人が不登校になってしまった経験を明るく語っていましたが、
聴いている保護者の皆さんの、ハンカチを出したり頷いたりする様子が、やはり後ろから見えました。
Yさんは、ご自身も身体的ハンデを持っていながら、とても活動的な方。
自称「吉永小百合」と名乗り、歌も歌えば踊りも踊るし、いつもみんなを笑わせ、
PTA会長まで務めるすごい人!
彼女の底抜けの明るさは、きっと二人の不登校のこどもさんが育ててくれたものに違いない、
と、私もやっと気づきました。
保護者のお母さんたちとまた会える機会があるといいな~