佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

戦争を繰り返さない一番重要な条件は言論・表現の自由を守ること~浅田次郎

2015-02-22 | 雑感

日本ペンクラブ会長の浅田次郎へのインタビュー記事が2月18日の毎日新聞に出ていました。

 

浅田次郎は好きな作家の一人です。

十数年前はかなり嵌っていました。「勇気凛凛ルリの色」に出会って以来・・

 プリズンホテル、地下鉄に乗って、日輪の遺産、鉄道員、月のしずく、天国までの百マイル、

 霞町物語、シェエラザード、壬生義士伝 etc

読みやすくて、面白くて、笑って、泣いて、いつも最後は心がほっこりして・・

特に「壬生義士伝」を読んだ後は、それまで嫌いだった新選組に関心を持ったり、

浅田さんの講演を聴きに行ったり…

 

でも、佐世保に来て、いろいろ忙しくなって、小説も読まなくなって、すっかり忘れてるうちに、

浅田さんは日本ペンクラブの会長という、すごい役目を担われるようになっていたんですね~

 

で、言論・表現の自由を守る日本ペンクラブの会長として、特定秘密保護法をどう思うかなど聞かれ、

浅田さんは以下のように語っています。

抜粋します。

全文はこちらを見てください。

http://mainichi.jp/shimen/news/20150218ddm004070003000c.html

 

・今の日本でなぜ必要なのか、僕には疑問なんですよ。

これを言うな、あれを言うなという法律でしょう。

・尖閣諸島沖で中国漁船と巡視船の衝突を撮影した映像が海上保安庁から流出した事件がきっかけ。

・実際には、国会議員のスキャンダルやゴシップを暴かれたくないというのも含まれているのではないか

これからの日本はもっと開かれていくべきであって、時代に逆行しています

・できるだけ政府に情報公開をしてほしい。

・例えば公費の使い道は基本的にガラス張りにすべきです。

・世界的に見れば、日本は米国や欧州の先進国に比べて遅れています。

・背景には、情報は国益を損なわない範囲で国民に知らせるべきだ、という愚民思想がある

・明治政府は国民を信頼しました。それが明治維新の成功した第一の理由ではないかと思っています。

・ところが官僚制度が整備され、愚民思想が生まれ、政府と国民とが乖離してしまいました

・考える力は学歴も性別も年齢もまったく関係ないと思っています。

・重要なことを国民に諮らず閣議決定で決めていく今の政権のやり方は、民主主義にも反し、独善的ではないでしょうか。

・日本ペンクラブは世界100カ国以上にある国際ペンの支部の一つです。

・国際ペンは、第一次世界大戦後、人類が戦争を繰り返さない一番重要な条件は、言論・表現の自由を守ることである、という考えから始まっています。

・政府も、ほかの諸団体も同じように開かれた形で言いたいことを言い、主張したいことを主張する。

・そういう自由なやり取りができる社会であることは、文化国家の一つのバロメーターです。

・たとえ国益だといっても、言論・表現の自由に優先される利益って、僕はないと思います

もしあるとしたら、行く手には戦争があるだけです

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリーン・ベイ入港

2015-02-19 | 平和

 今日はころころ変わる妙な天気でした。

10時ちょうど、明るい日差しに誘われてベランダに出ると、

何やら見慣れない船が・・

最大の望遠でパチリ。

軍艦には間違いなさそう。。随分ゆっくりしたスピードでこちらに近づいてきます。

10:11急に曇り始めたので再びベランダに出ると、

軍艦は向きを変えて、バックで岸壁に向かっていました。

10:17 佐世保港は黒い霧の中。

10:18 デッキに見えた柵のようなものは、拡大してみると、人が立っている姿でした。

 

お昼のニュースで、この船がアメリカ海軍のドック型揚陸艦USSグリーンベイだと知りました。

グリーンベイはドック型揚陸艦で、LCAC2隻を搭載し、オスプレイも2機同時に離着艦できるそうです。

これまでの揚陸艦USSデンバーと交代し、第7艦隊の水陸両用戦力を向上させるため、

1月26日カリフォルニア州サンディエゴを出港し、佐世保にやってきたとのこと。

 

今日の天気のように、急に重苦しい雰囲気を感じてしまいました。

この小さな佐世保港に、大きな軍艦は似合いません。

これ以上海を灰色にしないで・・・ 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨水さえもパレスチナ人から取り上げるイスラエル!

2015-02-18 | 平和

ここはどこでしょう?

彼らは何を見つめているのでしょう?

それは・・・とても信じられない現実でした。

 

ここはヨルダン渓谷。

柵の向こうを見つめる人々はパレスチナ人。

彼らが見つめているのは

貯水池を破壊する、イスラエル軍の軍用ブルドーザーの動きでした。

その貯水池は、パレスチナ自治政府とヨルダン渓谷の住民らが作った農業用貯水池です。

イスラエル軍は「自分たちの許可を取らないで建設された違法な貯水池」という理由で破壊しました。

 

この写真を撮ったのは、日本国際ボランティアセンターのパレスチナ現地代表 今野さんです。

この日たまたま日本からのゲストを案内してヨルダン渓谷を訪問し、この光景に出会ったとのこと。

 

その今野さんにパレスチナ人の農民は、こう言いました。

イスラエルは、私たちに井戸を掘ることを禁じています。

イスラエルの違法な入植地のために、彼らは多くの井戸を掘り、

そこから24時間体制で水を取っています。

そのために、私たちが昔から使っていた井戸は枯れ、

塩水が入ってきて使えなくなってしまったのです。

だから雨季に雨水を溜めるために貯水池を作ったのに、

イスラエルはそれさえも破壊しました。

私がイスラエル軍将校に文句を言ったら、

『地下水だけでなく雨水も、ユダヤ人のものである。

だから勝手に貯水池を作るのは許されない』と言われました。

水なしで、私たちにどうやって生きろと言うんですか

 

イスラエル軍によるパレスチナ人の家屋破壊や強制的な追い出しなど頻繁に目にしている今野さんでさえ

看過できない現実としてカメラにおさめ、その現状をサイト上で訴えています。

http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine-report/2015/02/20150209palestine.html

ぜひ、お時間のあるときに立ち寄って、しっかりご覧いただきたいと思います。

 

不勉強な私にはわからないことだらけです。

「イスラエルの安全保障」とは何なのか?

パレスチナ人の人権はなぜ無視されているのか?

 

中でも、この数字が「?」を通り越して「!!!」の思いで、いっぱいです。

入植者が使用できる水量(1人当たり) 487リットル/日
パレスチナ人住民が使用できる水量(1人当たり) 60リットル/日
人間が生きるうえで必要な最低水量(1人当たり、WHO)

100リットル/日

 

                          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「マエストロ」と不屈のタクト

2015-02-17 | 平和

「マエストロ」という映画を観てきました。

久しぶりに音楽映画を堪能しました。

マエストロの意味も、クラシックの良さも何も知らなかった私が、

演奏の凄さに酔いしれました。

「この世で一番美しいものは音楽でしょ」という台詞に初めは反感を持ったけれど、

コンサートシーンでは、そうかもしれない…と思ってしまうほど。。

 

そんな音楽の素晴らしさと力を確信している人々が現実の世界にもいるのですね~

イラクの指揮者のカリム・ワスフィさんとイラク国立交響楽団の団員の皆さんたち。

一昨日の朝日新聞の記事で知りました。

 

こちらは、映画「マエストロ」よりもずっとずっと過酷な現実。

テロの脅威を乗り越えて、瓦礫の中から演奏を始めました。

「不屈のタクト」の意味とは・・・

ぜひお読みください。

 

朝日新聞デジタル版 2月14日05:44 の記事

http://digital.asahi.com/articles/ASH1M71Z5H1MUHBI03F.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH1M71Z5H1MUHBI03F

イラク、不屈のタクト 演奏続ける国立交響楽団

 過激派組織「イスラム国」が勢力を広げ、混乱が続くイラクで、国立交響楽団が「音楽による連帯」をめざして活動を続けている。テロの脅威を乗り越え、1月に開いた定期演奏会には、1千人を超える聴衆が集まった。

 1月9日、バグダッドの国立劇場。登壇した指揮者のカリム・ワスフィさん(42)がイラク国旗を掲げた。通路まで埋まった超満員の観客は、会場が震えるほどの拍手で迎えた。

 マーラーの交響曲第一番「巨人」。技術的に高度な曲だ。10~70代の団員は、みな運転手や教師など別の仕事を掛け持ちする。練習時間は十分ではない。ハープやバスクラリネットなど足りない楽器もある。

 「それでも、挑戦して乗り越える必要があった」とワスフィさんはいう。

 イスラム教スンニ派やシーア派、キリスト教、クルド人。様々な背景を持つ団員の奏でる音色が、ひとつの指揮棒の下で共鳴した。

 1940年代に設立された楽団は、苦難の道を歩んできた。当初は欧州出身者が過半数を占めたが、イランとの戦争が続いた80年代に国を離れた。91年の湾岸戦争とその後の経済制裁、2003年に始まったイラク戦争。そのたびに、多くの団員が国を離れた。

 09年12月には「イスラム国」の前身組織が起こした首都での同時多発テロで、楽団の拠点だった国立芸術院が被害を受けた。

 これに立ち向かったのがワスフィさんだ。テロ事件の2日後、窓が割れ、がれきが散乱したままの芸術院で演奏会を企画した。ほとんど聴衆のいないホールで十数人の団員とともに演奏会を決行した。暴力に対する自分なりの抗議だった。

 人々は宗派ごとに分かれて暮らすようになった。楽団の存続も危ぶまれた。

 ワスフィさんは学生たちを訪ねて個別に指導し、楽団に誘った。団員は、音楽全てを「禁忌」とみなす過激派の攻撃を避けるため、楽器をスポーツバッグに入れて運んだ。練習や公演の日時は団員のみに伝えるようにした。

 米国などを拠点にしていたワスフィさんが祖国に戻ったのは04年。06年に50人だった団員は今、150人に増えた。「ようやくここまできた」

 長びく戦争で、イラクの文化振興は停滞している。楽団を所管する文化相は、昨年まで防衛相と兼務。予算が足りず、楽器の修繕も間に合わない。

 それでもワスフィさんが祖国で活動を続けるのは、「前向きなエネルギーは暴力に必ず勝てる」と信じるからだ。「過激派の青年たちと話せるなら、15分で彼らの銃を楽器に持ち替えさせてみせる」。国難を、指揮棒1本で戦い抜く覚悟を決めている。(バグダッド=渡辺淳基)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旬彩魚酒の店 K

2015-02-15 | 佐世保・長崎

今日は新鮮なお刺身を堪能!

魚が美味しいことで評判の旬菜魚酒の店K。

いつも夫がお世話になっているAさん御夫妻を案内する予定でしたが、

Aさんの体調不良で急遽キャンセル…ではなく、夫と二人だけで行ってきました。

今日も期待を裏切らない美味しさ!

刺身の盛り合わせ、天ぷら、茶碗蒸し、小鉢3種(イカの酢味噌和え、トマト、すり身揚げ)、

ご飯、鰤アラの味噌汁、香の物3種、デザート(コーヒーゼリー)…の「地魚御膳」がなんと、

1620円!

なんといっても、お刺身が絶品でした。

 

タイもハマチもアジも…みんなコリッコリの食感。身が引き締まってるから超美味しい!

アラの味噌汁もいいダシ出てる!

などと感激を口にしながら食べているのに、目の前のご主人?ニコリともしない・・

予約を入れた時すでに個室は空きがなく、私たちはカウンター席で食べていたのです。

目の前では店のご主人(or板前さん)らしき方が黙々と刺身の盛り合わせを作っていました。

以前来た時もカウンター席でしたが、

その時の板さんorご主人は、魚やお酒の話など気さくになさってたのにな~

 

カウンターの左端に立てかけられていた数冊の本を待っている間、パラパラとめくってみると、

なかなか面白い本ばかりでした。

魚の本がほとんどだったので、お店のご主人の趣味かも・・と思って、

「面白い本ですね」と声をかけると、

ちらっとこちらを見て、「ああ、お客さんの本ですよ」とボソリ。

お客さんの所持品という意味なのか、お客さんが書いた本という意味なのか、理解できず、

聞いてみようかなと思ったけれど、止めました。

本にも、客との会話にも全く関心がなさそうだったので。

 

その本というのがこちら。

タイトルは「大村湾再発見」

大村湾誕生ー推定年齢9000歳>そんな目次に惹かれて少しだけ読んでみました。

特に「チョー!超閉鎖性内湾」というコラムが印象的でした。

湾口から湾奥までの距離(奥行)÷湾口の距離(幅)が4以上だと閉鎖性海域と呼ぶそうで、

例えば東京湾は5で、博多湾は4で、有明海は19でというふうに・・

で、大村湾がどうかというと…なんと130もの倍率!

だから、超閉鎖性を超えて、チョー!超閉鎖性という表現になるわけですねー

 

そして、このようなことも書かれてました。

閉鎖的過ぎる大村湾は海水交換が乏しいので、いったん水質が悪化すると、

その改善には長い時間がかかる・・と。

 

でしょうね。

それは素人でも想像できます。

大村湾の海の幸を守るには、大村湾の水質を悪化させないことが大事。

私たちの生活排水や工場用水がそのまま流れ込まないよう、

また、これ以上ダムを造って川の水を堰止めたりしないよう、

みんなが意識してチョー超閉鎖的な大村湾の環境を守っていきたいな~

などと思いながら、魚の旨さを噛み締め・・・完食!

 

「ご馳走様でした」と立ち上がると、

「ありがとうございましたー!」と、目の前の方の初めて元気な明るい声が返ってきて・・

「また来ますねー」と、心の中で呟きました。

                      

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

青空の下で かき食うカキ祭り

2015-02-14 | 佐世保・長崎

今日は絶好のカキ日和。

カキとは牡蠣のこと。

この時期、九十九島パールシーリゾートでは「九十九島かき食うカキ祭り・冬の陣」を開催中。

会場はこのように大賑わい!

 

生カキ1kg 700円、木炭1kg200円、軍手・カキ開けナイフセット250円とお手頃価格。

美味しかったです!

2人でカキ2kgに、ウチワエビ、鶏肉、しいたけ、とうもろこし、焼き芋、おにぎりなどなど・・

お腹いっぱい食べました~

 

食べ終わると、ゴミは分別して捨てます。

飲み物の缶はこっち、割り箸や串はあっち、ビニール袋はそっち…なんて具合に。

不思議に思ったのは、貝殻の箱が2つあって、牡蠣殻と他の貝殻とに分かれていること。

理由を聞いてみました。

普通の貝殻は砕いて肥料にするそうです。

では、牡蠣殻は?

牡蠣殻は、ギョショウにするそうです。

魚醤ではなく漁礁です。

もう一度海に戻して、良い漁場作りに役立てるわけですね~

調べてみると、牡蠣殻の効果はすごい!

水質浄化、底質改善、アマモの成長促進、そして生物多様性(多種類の魚が集まる)等々。

それなら、特別扱いされるのももっともですね。

 

さてさて、おなかもいっぱいになり、でも、久しぶりの青い空を見ていると、

このまま帰るのはもったいない…で、弓張岳に登ってみました。

登ると言っても、車で行くだけですが・・

展望台から左手を見下ろすと

佐世保港と駅周辺の市街地、遠くには西海市や川棚方面も見えます。

反対の右手の方を見下ろすと、

南九十九島や、高島、黒島、遠くには平戸まで見えました。

中程に見える赤茶色の広い敷地は、陸上自衛隊相浦駐屯地です。

 

さてさて、真下を見下ろすと・・

米海軍佐世保基地です。

佐世保湾の水域の約83%は米軍の使用を優先する制限水域となっているのですから、

残念ながら自慢できる景色ではありません・・

 

軍隊と言えば、この展望台のすぐ近くの公園には、砲台跡があります。

第二次大戦中に造られたもので、佐世保空襲のとき300発ほど撃ったけれど全然命中しなかったという…

 

いつ行っても人気のない静かな公園ですが、今日は立ち入り禁止になっていました。

ガードマンらしき人に尋ねると、

「すみません。いま工事中なので公園は閉鎖してるんです」と言われ、

しかたなく車に戻って発車しようとした時、

その男性が近づいてきて教えてくれました。

 

さっきね、この上を鶴が飛んでいったんですよ。

鹿児島から来たヤツだと思います。

 

え!?マナヅルの北帰行?

何羽くらい飛んでましたか?

 

150くらいかな~

カギのような形で飛んで行きましたよ。

 

わー、見たかったな~

夫も私も思わずそう言うと、

 

この前、そろそろここを通る頃だとたくさんの人が見に来てましたけどね、

結局その日は来ませんでしたよ。

今日は、すぐそばを飛んで行きましたよ。

 

と、とても誇らしげに話してくれました。

きっと、みんなが見たがっている鶴の編隊を見た嬉しさと感動を、誰でもいいから伝えたい。

伝えて、びっくりさせたい、そして、自分の幸運を確認したい・・

そんな心境だったのでしょうか。。

 

でも、ほんとに羨ましかったな~

今日の青空に白い鶴の編隊は、きっと、きっと、間違いなく感動的なシーンだったことでしょう。

いつか私も出会いたい・・

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦争の匂いがぷんぷんする

2015-02-11 | 平和

この方をご存知ですか?

反戦を訴え続けている100歳のジャーナリスト、「むのたけじ」(本名・武野武治)さんです。

 

先日、友人が愛媛新聞の記事を紹介してくれて、私は初めて知りました。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018201501102626.html

でも今は、そのURLをクリックしても既に記事は削除されているので、写真がなくて・・

これはネット上で検索して見つけた画像です。愛媛新聞に出ていたものではありません。

記事の文面だけはコピーしていましたので、転載します。

 

2015年1月7日付愛媛新聞5面

  反戦の声 生ある限り 「戦争のにおい ぷんぷんする」
     ジャーナリスト むのたけじさん 100歳
         舌鋒健在 危機感強く

 反戦を訴え続けたジャーナリスト、むのたけじさんが2度のがん治療を乗り越え2日、100歳になった。足腰や目は弱くなったが、鋭い舌鋒(ぜっぽう)は健在だ。
「今の日本は戦争のにおいがぷんぷんする。生きている限り、戦争をなくすことに役立ちたい」。
戦後70年を迎え、放つ言葉には一層の力がこもる。

 「負け戦を勝ち戦と報じ続けてきたけじめをつける」。1945年8月の終戦を受け朝日新聞社を退社。故郷の秋田県横手市でミニコミ誌「たいまつ新聞」を発刊し、30年間、反戦記事を書き続けた。
今、さいたま市で暮らし、講演や執筆をする。

 むのさんは、昨年の衆院選を振り返り、「投票率が52%なんて国は、主権在民とはいえない」と一喝。「国民は自分たちの意見が反映された生きた政治にするために、考え、もだえなければいけない。
それが全くない状況のままだった」と憂えた。

 「この道しかない」。安倍晋三首相は第3次内閣発足の記者会見でアベノミクス推進や安全保障法制の必要性を繰り返した。近衛文麿、東条英機両元首相への取材経験もあるベテラン記者の目には「八方美人でうまい言葉をつなぐが、肝心要のところをぼかす」と危うく映る。

 安倍政権が進めてきた特定秘密保護法制定や集団的自衛権行使容認に、戦争の影を感じるというむのさん。「安倍さん個人の話ではない。彼を全面に出し、日本を変えようとする政治、経済界の勢力がある。
誰が何を求め、何をしようとしているのか。それを明らかにするのが記者の務めだ」

 戦争の話になると口調が熱を帯びる。「人類の三大敵は病気と貧困と戦争。戦争をやめ、その分のエネルギーと金を回せば病気と貧困を解決できる、それがなぜできないのか」
憲法改正や沖縄の米軍基地、冷え込む日中、日韓関係・・・。危機感をあふれさせ、時に拳を振り、足を踏み鳴らした。

 100歳の感想は「老いは醜くなることではなく、経験を積んで輝くこと。まだ生きる意味がある」ときっぱり。ただ「10年前に亡くなった妻が今もそばにいてくれたら」
腰掛けたソファの隣にそっと手をやった。

 

政府や為政者だけでなく、自分自身にも戦争責任があると考え、敗戦の日に朝日新聞を退社した。

そんな反骨の方ですが、お顔がなんともにこやかで・・

誰かに似ていると思いませんか?

そう、この方、恵比寿様にそっくりです!

七福神の一人で、最も柔和な顔で知られる恵比寿様。

恵比寿様は大漁をもたらす海の福の神。

海の福を得るには、七つの海が平和でなくては・・・。

 

今の日本は戦争のにおいがぷんぷんする

むのさんが言うと、とても分かる気がします。

だろうな・・と思ってしまう。そんな説得力が彼の言葉には詰まっている。

twitter上にも、むのさんの言葉がたくさんならんでいました。
https://twitter.com/munotakeji_bot

 

憎む相手とは口論をするな。
そんなひまがあるなら、憎むものを断つヤイバを研げ。


希望の根は絶望の深さに沿うて張る。
希望を希望するなら、絶望に絶望せよ。
絶望が本当なら、希望も本当だ。


倒れないこと、倒されないことが自立ではない。

ぶちのめされて、ぶっ倒されて、そして立ち上がるときに自立しはじめる。


自分を変える力をもった一粒は、やがて1,000粒の種子になる。
自分から登っていく一歩は、やがて1,000メートルの高さになる。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後藤さんが残したもの

2015-02-02 | 平和

2月1日早朝、「イスラム国」後藤健二さんを殺害!の報に、日本中が衝撃を受け、悲しみに包まれた。

後藤さんがどんなに素晴らしいジャーナリストであったか、

どんなに優しい心の持ち主であったか、

どんなに家族を愛し、多くの人から愛されていたか、

どんなにかけがえのない存在であったか

TV各局はそのような情報を競って発信し、

それまで見知らぬ人であった後藤さんを失った悲しさは、悔しさに変わっていった。

 

後藤さんは、紛争地域の子どもたちだけでなく、

日本国内でも弱い立場におかれた子どもたちに寄り添っていた。

それを私は、数日前知人のブログで初めて知った。

彼女は弁護士で、知的障害のある男児が教師から受けた虐待事件を受け持ったとき、

その親子を支援していた後藤さんと出会ったという。http://blog.goo.ne.jp/okunagairi_2007/e/84a7bf55fe5f161914357c6c6efcfab0

 

しかし、一夜明けると、今日のTVはなんとなく雰囲気が違う。

昨日までの、憔悴しきったような表情の安倍首相は、もういない。

後藤さんの死を悼むよりも、今後のテロ対策へ万全を期す意欲を力強く語っていた。

イスラム国が「今後も日本人を標的にする」「日本の悪夢が始まる」

などと宣言したことにマスコミも注目し、

今後は国内においてもテロの被害にあう可能性が高まったとか、

東京五輪でのテロ対策をどうするのかなどの議論を始めている。

 

「残虐非道なテロリストたちを私たちは絶対に許さない。

 その罪を償わさせるために、国際社会と連携していく」

と総理は述べたが、どういう形で償わせようというのか?

連携していく国際社会とは、どんな国々を念頭に置いているのか?

そんな勇ましい発言こそがテロを煽っていることに、気づいていないのか?

また予算委員会での質問に答えて、「ヨルダンへの駐在武官の派遣」を考えているとも語った。

 

暴力を武力でねじ伏せようとしても解決はしない。

自分たちの価値観や正義感で制圧しても、本当の平和は訪れない。

平和な社会は理解し合うことからしか生まれない。

そう信じていたからこそ、後藤さんは危険な紛争地域に行き、取材をしてきたのではないか?

 

シエラレオネの少年兵や、ルワンダの家族の物語など、

私たちの知らない紛争地域で生きる人々を取材し、写真を撮り、

それを子ども向けの本にしたのは、先入観のない子どもたちに伝えたかったのだと思う。

後藤さんは「ありのままに撮ります」と言っていた。

美しいものは美しく、汚いものは汚く、悲しいものは悲しく・・・

辛いシーンもあるけれど、ありのままの世界を伝え、

どんな地域にも希望を持って生きている子どもたちがいることを知ってもらいたい。

知ることによってしか理解は始まらない。

理解し会うことによって初めて平和の糸口が見いだせる。

そう信じていたのではないか?

 

後藤さんは、「イスラム国」という名の過激派組織の蛮行の一部を、身を持って伝えた。

生きたまま首を切断するなど悪魔の仕業としか思えないことを実行する彼らを憎むことは容易い。

が、それでは、何も解決しない。

指導者や中枢部の数人だけなら狂人扱いもできるが、そうではない。

「イスラム国」に集まった大勢の志願兵はなぜそこにいるのか?

各地で「イスラム国」に呼応する動きが起きているのはなぜなのか?

その「なぜ」を考えて!と後藤さんは願っていたに違いない。

私は何もできないが、考えることだけはできる。

ずっと考え続けたい。

 

   " I am KENJI " のページには46,975の人々が「いいね!」しています。

     後藤さんの思いが、さらにたくさんの人々に広がっていきますように…

        https://www.facebook.com/IAmKenjiGoto

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする