佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

国際民主法律家協会(IADL)、共謀罪廃止を訴える

2017-06-18 | 平和

友人からのメールを貼付します。

 

6月16日、NGOの国際民主法律家協会(IADL、発言者ミコル・サビア)
は、ジュネーヴで開催中の国連人権理事会35会期において、日本の共謀罪につ
いて発言しました。

*****************************

  国際民主法律家協会(IADL)は、人権理事会に対して、2017年6月15日に日本
の国会で採択された、いわゆる「共謀罪法案」が人権保障にとって否定的影響を
持つことについて注目するよう呼びかける。

 法案は広汎な抗議がある中で、通常は本会義の投票の前になされる委員会での
承認を省略するという異例な方法で成立した。これは、争いのあるテーマについ
ての議会での十分な討論の促進という点からも問題である。

  政府は、この法案を採択することは、国内法を国連国際組織犯罪条約に適用す
る上で、そして2020年の東京オリンピックを迎えるにあたってのテロの危険に対
応するために、必要だと言った。法案の中では、テロリストグループや他の組織
犯罪グループは、放火や著作権違反までの277の犯罪に関する計画と準備行為
に関し罰せられることになっている。

  法律専門家は、このような法律を追加して創設することの適切性と必要性につ
いて疑問を投げかけている。さらに、プライバシー権に関する国連特別報告者、
ジョセフ・カナタッチ氏が2017年5月18日に日本政府宛にあてた書簡では、法案
はプライバシー権と表現の自由に対する不当な制限になる可能性がある、と指摘
されている。「組織犯罪集団」の定義のあいまいさは、安全保障のセンシティブ
な領域におけるNGOの活動に対する監視を合法化する機会を与えることになる。

  日本政府は、特別報告者の正当な懸念に正面から答えずに、「明らかに不適切」
と言って受け付けなかった。安倍晋三首相は、カナタッチ氏の評価を「極端にバ
ランスを欠いている」と言って公然と非難し、特別報告者の言動を「客観的な専
門家のものではない」とした。このような攻撃的な言動は、日本政府の国連特別
報告者制度に対する重大な侮辱である。特に日本は、他のすべての国連加盟国の
人権尊重を推進すべき人権理事会の理事国の一つなのであるから、許されるべき
ものではない。

  IADLは、テロリズムに対抗する上では国際人権法の義務を遵守することが
何よりも優先しなくてはならないと強調するともに、日本の国会に対してはいわ
ゆる共謀罪法案を廃止するとともに、人権理事会に対しては、日本政府に対して、
仮に特別報告者に好まない評価をされた場合や実際にされた場合でも、特別報告
者の権限と権威を尊重するように呼びかけることを要望する。

2017年6月15日 国際民主法律家協会(IADL BUREAU)


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共謀罪が成立した日

2017-06-15 | 雑感

ついに今朝、共謀罪が成立してしまいました。

「テロ等準備罪」と名前を変えて内容をカムフラージュし、衆議院でも参議院でも強行採決。しかも、参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」という異例の手続きを導入しての、まさに強引なやり方。

国連の特別報告者、ジョセフ・ケナタッチ氏は共謀罪が「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と警告していたし、

世界100以上の国・地域から2万6000人を超す作家らが参加する国際組織「国際ペン」は、共謀罪法案に反対し、〈日本国民の基本的な自由を深く侵害することとなる立法に反対するよう、国会に対し強く求める〉とする声明を発表するなど、

国際的な批判を多く受けていたにも拘わらず、議会は廃案に出来なかった。

野党の弱さ、だらしなさを追及する声もたくさん聞こえてくるけれど、それは同時に、私たち国民の弱さ、だらしなさに他ならない。

夕方のニュースを見ていたら、「決め方はよくなかったと思うけど、やはり必要な法律だとは思う」とか「テロは怖いし、オリンピックもあるし、決まって良かった」などのコメントもけっこう有り、びっくり!

私たち日本人はあの頃と何も変わっていない。何も学んでいない。全く進歩していない。

85年前、国際連盟のリットン調査団の報告を否定し、忠告には耳を貸さず、ただ自己主張するばかりの政府を良しとしていた頃と。

あの頃と違って、こんなに情報は得やすくなったのに。

なぜだろう?なぜ、私たちの人権が侵されそうな法案の強行採決を許してしまって平気なんだろう?

不思議でならない。脱力感と不安感でいっぱい。

 

そんなとき、こんなメールをいただきました。

発信者は「あすわか」。
「あすわか」とは「明日の自由を守る若手弁護士の会」のことです。
http://www.asuno-jiyuu.com/

 

 共謀罪(テロ等準備罪)が作られた今、「これからどうすればいいの」
 と震えるすべての方へ。

 どうか、けっして、萎縮しないで下さい。
 その震え、その不安こそが権力の狙いなのですから。
 私たちには自由にものを考え、表現する自由があります。
 心の中を誰にも覗かれない自由があります。
 憲法に違反する共謀罪のせいで、皆さんが自発的に自由を手放したら、
 永遠にこの国の民主主義は帰ってきません。
 一人ひとりが考え、表現し続けることは、「共謀罪」を運用させずに
 死文化させる大きな圧力になります。

 それから、万が一、おかしな政治に声を上げる市民が共謀罪で捜索
 されたり逮捕されたりしても、けっして「犯罪者」扱いしないでください。
 テロ等準備罪というまがまがしい名称で、「もの言う市民」を反社会的な
 存在かのようにレッテル貼りする手口に乗せられたら、排除を恐れて
 みんな考えることを止めてしまいます。
 自由に政治を批判してなにが悪い、という風を吹かせ続けましょう。


 国民の心を侵すことになんのためらいもなく、同法案に賛成した
   政府・与党、すべての国会議員を、私たちは忘れません。
 全身の血が沸くほどの怒りをもって、あなたたちを許しません。

 いくらでも濫用できる条文で「物言う市民」を恫喝する現政権に、
 民主主義国家の舵を取る資格はありません。


 落胆、やりきれない思い、徒労感。すべての重い気持ちで押しつぶされ
 そうになっているすべての人へ。
 それでも希望はあるのです。あなたがその怒りを前向きなエネルギーに
 変えてくれる限り!
 私たちはいまある自由と、自由でいられる社会を手放したくありません。
 子どもたちの尊厳と自由も、穏やかな民主主義の社会も、手放すつもりは
 ありません。
 自由を行使し続けることでしか、自由は守り抜けない――憲法が問いか
 ける「不断の努力」の覚悟を、「彼ら」に見せつけましょう。

 私たちあすわか570名は法律家として、主権者として、「不断の努力」で
 共謀罪を廃止させることを誓います。

 

そして、田中優さんのメルマガにも同様のメッセージがありました。

 

共謀罪成立
 
今日は共謀罪の成立した日だ。戦後の焼け野原から新しい社会を求めてきた時
代の終わる日だ。もちろんこれは悲劇だが、一方で再建の日の始まりでもある。
本当に自由と民主主義を求める勢力が、新たな時代を作り始める日でもある。
 

昨日までの、ただ数とカネと権力に寄り掛かった考えることをしない人たちの
時代から、誰もがきちんと自分の考えを持つための始まりの日でもある。法は廃
止できる。それを目指すことも大切だが、死文化させることも重要だ。すなわち
適用できない状況を作ってしまうことだ。立法機関(国会)は法を作ろうとする
が、実際には使うことのできなかった法文もたくさんある。本来廃止すべき法が
放置されたままになっている事例もたくさんあるのだ。つまり立法は万能ではな
いのだ。
 

憲法は生き続けている。憲法は、憲法に反する法の制定を禁止している。
だから共謀法が違憲となれば、法の側が効力を失う。それが違憲立法審査権の趣
旨だ。ただしそれは個別の事件によって審査されるので、まず法によって罰せら
れる事件が先になければならない。しかしそれが明瞭に違憲であるとすれば、
行政側もその法を使うことに消極的になる。つまり死文化するのだ。

 
共謀法の成立によってそれを「忖度」し、自己規制することが最も危険な変化
となる。抵抗は特別なことをすることではない。今まで通りに暮らすことだ。
大切なのは自己規制せずに今まで通りに在ることだ。そうすることが最大の共謀
法適用に対する規制になる。特別な事情がなければ「違憲立法」となる可能性が
高まる以上、法を使うことができないからだ。

 
抵抗は特別なことではない。法が存在しなかったときと同じように暮らすこと
だ。そして、もしそれが共謀罪の適用対象になったならば、違憲立法だと主張し
よう。なんだか大きな段差を乗り越えてしまったように感じるかもしれないが、
実は事態はあまり変わっていない。それが浸透するならば、次に法を廃止させよ
う。

危険なのは委縮すること、自己規制することだ。メディアがダメになったと聞
くことも多いが、実はテレビ視聴率、新聞購買数ともに減り続けている。今や最
大のメディアがSNSやブログなど、インターネットに移行しつつあるのだ。
そう、自らがメディアになればいい。
 

違う状況になってはいても、私たちには別な次元の自由がある。
そこに次の時代の萌芽がある。
 

2017.6.15 記  

 

そうですよね。 

今のままで、今までのままでいましょう。

共謀罪に忖度することなく、

憲法で保障された人権を行使していきましょう。

憲法こそが最高法規なのですから

 

 

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国会が死にかけている

2017-06-10 | 雑感

国会が死にかけている

http://worldpeace7.jp/?p=1009


アピール WP7 No.125J
2017年6月10日
世界平和アピール七人委員会
武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 高村薫


かつてここまで国民と国会が軽んじられた時代があっただろうか。

戦後の日本社会を一変させる「共謀罪」法案が上程されている国会では、法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない。聞くに耐えない軽口と強弁と脱線がくりかえされるなかで野党の追及は空回りし、それもこれもすべて審議時間にカウントされて、最後は数に勝る与党が採決を強行する。これは、特定秘密保護法や安全保障関連法でも繰り返された光景である。

いまや首相も国会議員も官僚も、国会での自身の発言の一言一句が記録されて公の歴史史料になることを歯牙にもかけない。政府も官庁も、都合の悪い資料は公文書であっても平気で破棄し、公開しても多くは黒塗りで、黒を白と言い、有るものを無いと言い、批判や異論を封じ、問題を追及するメディアを恫喝する。


こんな民主主義国家がどこにあるだろうか。これでは「共謀罪」法案について国内だけでなく、国連関係者や国際ペンクラブから深刻な懸念が表明されるのも無理はない。そして、それらに対しても政府はヒステリックな反応をするだけである。

しかも、国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」法が不可欠とする政府の主張は正しくない上に、そもそも同条約はテロ対策とは関係がない。政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである。

政府と政権与党のこの現状は、もはや一般国民が許容できる範囲を超えている。安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのものであり、こんな政権が現行憲法の改変をもくろむのは、国民にとって悪夢以外の何ものでもない。

「共謀罪」法案についての政府の説明が、まさしく嘘と不正確さで固められている事実を通して、この政権が「共謀罪」法で何をしようとしているのかが見えてくる。この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである。

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