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佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

2009年大晦日

2009-12-31 | 雑感
今日は横殴りの雪が降ったり止んだり…荒れ模様の大晦日です。

外は灰色。

リビングの窓から見える佐世保港は、海も空も同じ灰色で境目がわからないほど。
その中に濃い灰色の軍艦が浮かんでいます。
手前のマンションの茶色の壁が、雪が降っていることを教えてくれます。
あの灰色の海の面にも、真白な雪が落ちては消えているはず…

私の部屋の窓からは、冬でも緑の烏帽子岳が見えるのですが、
その烏帽子岳も今は灰色の世界に包まれています。

書斎の窓からは、小高い山の中腹まで続く住宅地やまっすぐ延びた国道が見えますが、
こちらも白黒写真を見ているようで、車の列のランプだけが有彩色の景色です。

年の瀬の忙しいときにのんきに外の景色など見ていていいの?
とお思いの向きもあるでしょうが・・

いいのです!
ちょっと体調をくずして休んでいます。
いえ、大したことではないので心配ご無用。
2,3日薬を飲んで温かくして、ごろごろしてれば治る病気ですから、全く問題無し!です。

今年、少しだけ頑張った私に神様がくださった休日だと思って、喜んで?休んでいます。


神様以外にも、人間様からの贈り物もたくさん頂きました。
昨日は私の○○回目の誕生日でしたから。
本、CD、楽譜、ケーキ、電話やメールやカードや祝電!etc.
(誕生日に電報をもらったのは生まれて初めてで、びっくりしました)

楽譜は、「こうばるのうた」です!
石木川を守りたい、ホタルの里川原(こうばる)と、そこに住む人の暮らしを守りたい、
そういう私たちの思いに共感してくれる作曲家と合唱団の仲間が遠くに居ます。
とてもとてもありがたいことです。

今年は石木ダムのことが常に頭から離れない一年でした。
その美しい里山を知り、純粋な人々の生き方を知り、行政の誤魔化しや横暴を知った一年でした。

そして石木ダムにとっても激動の一年だったでしょう。
事業認定申請は出されたけれど、民主党政権のもと、国の方針は大きく変わろうとしています。

来年が勝負。そんな気がします。
今年以上に、皆さんと力を合わせて頑張りたいと思う年の瀬です。


誕生日には関係ないけれど、
有明海の海苔を作っている「しのさん」からはたくさんの海苔が送られてきました。
こちらも県や国の悪政に苦しめられている被害者です。
諫早湾の水門が閉ざされてから、有明海の海はどんどん死に近づき、
魚も貝も海苔も被害は深刻になるばかりです。

それでも、しのさんはいつも前向きです。

「つい最近まで例年の6割程度しか生産量が上がらず非常に心配しておりましたが、自然界の摂理、
海苔の生命力を信じて海苔を育てています。
お正月を過ぎると残り3ヶ月の生産期間となりますが、楽しみながらやっていきたいと思います」
とのメールが届きました。

しのさんの言葉にはいつもこちらの方が元気をもらいます。


もう一つ、海の向こうから、素敵なメールが届きました。

皆さんは「Hibakusha, Our Life to Live」という映画をご存知ですか?
たぶん、ほとんどの方が首を横に振っていらっしゃるでしょう。
それもそのはず。まだ完成したばかりです。
が、予告編は、youtubeで見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=IMB3Kpxt3Jo

これはアメリカ人ディレクターDavid Rothauserデビッド・ロスハウザー氏の作品で、
そのご本人からのメールだったので、本当にびっくりしました。

この映画はまもなく国連前で最初の上映がなされますが、その後アメリカ国内での上映になるのでしょう。
そして、今年の8月、広島と長崎でこの映画を上映したいとロスハウザー監督は願っています。
その計画が広島では進んでいるけれど、長崎では受け入れ先さえ見つかっていないというのです。
何とか協力してもらえないか、という依頼のメールでした。

そんなメールが、なぜ見ず知らずの私に届いたかというと…長くなるので省略しますが、
カナダの友人や、「ピースウォークfrom沖縄」長崎実行委員会の仲間や、佐世保や東京の友人など、
いろんな人との繋がりが織りなした縁です。
そのどれか一つが欠けていても生まれなかった縁です。
それを思うと不思議な気がします。
とにかく私は、この映画が長崎で上映されるように願って、ゆっくりと今日動き始めました。


さて、映画の概要にはこう書かれています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この映画は、広島、長崎で被爆した日本人、そして韓国人、中国系の人々のドキュメンタリーである。

一時間の番組の中で、世界を渡り歩く音楽家中西えいじ氏の日常を追う。写真や思い出、人間関係を通して、中西氏の人生の軌跡をたどる。番組の最後まで、他の登場する人々とともに被爆者であることは明かされない。

ギターとフォークソングを教えている7歳の少女、ようこさんと中西さんが番組の始めに登場し、少しずつ被爆者が出てくる。

平和慰霊祭が中盤に入り、目を覆うような悲惨な写真から感じられる戸惑いを通して、平和な今日と原爆が落とされた広島、長崎に目を向けられる。ここで初めて日本人と同様に被爆したアメリカ、韓国、中国などの外国人がいたことを知る。被爆者は核廃絶を訴え、他には核保有の正当化を主張しつつも、平和を祈る人々もいる。

命の大切さを表現しているような音楽や踊りには、核に脅かされることのない世の中を作ろうする真摯な取り組みが感じられる。 番組の最後は、ようこさんが平和公園で中西さんのギターを一生懸命覚えようとする姿が写し込まれている。

この映画は被爆者の魂のもと、平和を願う世界の人々との共感とともに、人生を尊ぶものである。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


昼間から書き始めたブログですが、途中中断してたので、今は夜。
もうすぐ新年です。

もうとっくに雪は止んでます。

空には満月。

皆さん、一年間お付き合い下さって本当にありがとう。
来る年もどうぞよろしく。

新年を祝う船の汽笛が聞こえます。    







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魔法の9

2009-12-27 | 平和
半月ほど前、友人からのメールに、前田真吹(しぶき)さんという女性のことが書かれていた。
「アフガニスタンお話会」という集会で出会ったそうだ。

彼女は若き映画製作者。
だけでなく、アフガニスタンで井戸を掘ったりしているという。
いま『魔法の9』という映画を製作中で、友人はその活動を応援していて、
「出来ればアフガニスタンのカレンダーを購入して下さい」とあった。

そこに記されたURLhttp://mahou9.blogspot.com/にアクセスしてみると、
右側に映画の予告編というのがあって、そこをクリックすると、

いきなり音楽が流れ、アフガニスタンの山や街や人々の姿が映し出され・・・、

あ! なっちゃんだ! ともちゃんもいる!
あー! MMCCの子どもたちだ~!
歌ってる!日本語で!「ともだちのうた」を!
覚えてたんだ・・・。

数年前、新座(埼玉県新座市、去年まで住んでいたところ)のピースフェスティバルで
一緒に歌った子どもたちの顔、顔、顔。
みんな元気そうで、嬉しかった。

しかし、私は、ただ偶然彼らに出会って、そのそばを通り過ぎただけ。
前田さんはそうではなく、ずっと彼らのことを思い続け、何かしたいと行動してきた。
それが井戸掘りであり、映画だったのだ。

その映画を作る過程で、彼女は、足元の日本にも目を向けた。
それまで知ろうとしなかった戦争体験者の言葉を拾い集め、一生懸命耳を傾けた。

「体に爆弾を巻き付け飛び込んでいく、いまのイスラムがやっていることは
 昔わしらがやっていたことと同じ」

「ニューギニアには日本兵の遺骨が今なお放置されたまま」

「64年前の戦争の後始末が何らされていない。
 にもかかわらず、新しい戦争に既に足を踏み入れてしまっている」

「一億玉砕って言ってね、私たちも戦争に行ったけど。
 玉砕してどうすんねん。皆死んでどうすんねん。馬鹿げてるやろ?いま考えたら」

前田さんは、来年にも行われるかもしれない憲法改正を問う国民投票を視野に入れて、
かつての歴史を掘り起こそうとしている。
教科書にある歴史ではなく、戦争の中で暮らした庶民の歴史を。

素晴らしいと思う。
私たちがしなければならなかったこと。
戦争体験を親にしっかり聞いて、それを自分の子に伝える。
私たちが怠けてきたことを、体験者からすれば孫の世代である前田さんたちがやろうとしている。
反省を込めて応援したいと思った。

早速カレンダーを10部頼んだ。
このような趣旨の贈り物を喜んでくれる友だちが少なくとも10人はいるから。

ところが、すぐに返事が来て、残り3部だという。

ガーン!迷いに迷って3人の住所を送る。
(もらえなかった人ごめんなさい!)

それぞれに丁寧なクリスマス用のラッピングをして、
そのでき上がりの写真をメールに添付して依頼主の私に見せてくれて、
25日に間に合うよう送って下さった。

3人の友人からは感動の電話やメールが届いた。
その説明によると…

表には、「○○様からの贈り物です」と書かれていて、
中を開けると、
「このカレンダーがあなたに届くことによりアフガニスタンに小さな笑顔が増えました…」
と書かれた手書きのメッセージが入っていたとのこと。

その心遣いに皆感動していた。

前田さんの優しさと、友人たちの反応が嬉しくて、私もでっかいプレゼントをもらったような
幸せ気分のクリスマスだった。

前田さんへの感謝を込めて、
再度前田さんのブログ「魔法の9」をご紹介します。
http://mahou9.blogspot.com/
皆さん是非立ち寄ってみてください。素晴らしいですよ。

     



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石木ダムも検証対象に!

2009-12-26 | 石木ダム
昨夜9時25分、長崎新聞社から電話。
石木ダムが検証対象のダムに選ばれましたので、
「石木川まもり隊」の代表にコメントを頂きたいのですが… 

すぐに夫に連絡。
私はパソコンに向かいました。

一昨日、FNNニュース「国交省、80前後のダム事業を事実上凍結の方針」を見て以来、
私はその知らせを心待ちにしていました。

その約80の中に石木ダムが入っているのか、いつ発表されるのか…と。

すぐに第1報として、「石木ダムが凍結対象に選ばれたダムの中に入っていたそうです」
と仲間や支援者にメールを送りましたが、
件名には「石木ダム、凍結だそうです!」と打ってしまいました…。

今朝の新聞をよくよく見ると、あくまでも必要かどうかを検証するダムの対象であり、
前原国交相の私的諮問機関「有識者会議」が来年夏をめどにまとめる評価基準に基づいて、
その検証を行うというものでした。

しかも、県などが主体の補助ダムについては、
「国は事業を止める権限はないが(補助金を増減する)裁量の余地はある」と語り、
自治体が事業を進めた場合、補助金支出に関して意思表示するということなのです。
う~ん、「事実上の凍結」というFNNニュースの記事を真に受けた私は、ちょっと単純過ぎました。

総事業費285億円のうち、国の負担は93億円、すでに43億円支出済みですが、
本年度は3億8000万円の補助をつけたそうです。

しかし、前原国交相は会見で、
財政悪化や人口減少を理由に、今後も公共投資を抑制したい、と言いました。

希望は大いにあると思います。

来年度予算では、補助金をうんと減らしてください。
できれば、全額カットでお願いしたいところです。
県民所得は全国で45位、自主財源比率は44位の長崎県が、自腹でやれる事業ではありませんから。

ところで、長崎県内には、その検証対象ダムが3つあります。
国直轄の本明川ダム、県と佐世保市が事業主となる石木ダム、県と長崎市の浦上ダム。
これらが対象となるのかどうか、県は全く知らされてなかったそうで、
「国からは何の相談もなかった。国には利水、治水両面での必要性を訴えていく」とコメント。

また、佐世保市の朝長市長は、「想定の範囲内。佐世保の水事情は悪いという点を念頭に
十分な検証をし、建設する方向で結論を出してほしい」とおっしゃったそうで。
県も市も、あくまで「進める」というのですね。

しかし、国はそれに同調していないことがわかりました。
そしてこれから検証するというのですから、その検証結果が出る前に、
いま出されている石木ダム事業認定申請に認定が下されるようなことがあってはおかしいですよね。

この件に関して、県には188通もの意見書が届いたそうです。
この貴重な意見を、国交省社会資本整備審議会はしっかり受け止め参考にしてほしい。

この中には、地元住民の切実な思いの他、専門家の意見、
そして私たち一般市民の意見も多数あります。
私たちの仲間の中には、50枚に及ぶ意見書をまとめた人もいます。
また、入院中の病床から痛みを堪えつつ書き送った政治家もいます。

国交省は、政権が代わり、総理や大臣の意向が今までとは180度変わったんだということ、
コンクリートではなく緑のダムを目指す政府なんだということを理解してほしい。
そうすれば、答えは自ずと明らかになるでしょう。


 
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約6割、80前後のダム事業凍結!

2009-12-24 | 石木ダム
今日、FNNニュースをインターネットで見て驚きました。

国交省は、143のダム事業の6割にのぼる80前後について、
「検証」の対象とし、事実上凍結する方針を固めたというのです。

その中で固有名詞として出てくるのは、群馬県の八ッ場ダムと熊本県の川辺川ダムだけですが、
石木ダムはその中に入っているのか?それが気になるところです。

しかし、国直轄のダム48と水資源機構の8ダムを合わせても56なので、
地方自治体が主体となるいわゆる補助ダムは、24以上はありそうです。
とすれば、可能性は大と思っていいのではないでしょうか。

なぜなら、石木ダムは、本体工事はおろか付け替え道路さえ未着工で、
必要性に乏しく、何よりそこには住民の生活があるのですから。

半世紀近く反対し続け、そこで暮らす13世帯がいる。
そこで生まれ、そこで育った人々がいる。
この暮らしを壊すには、よほどの強固な理由が必要でしょう。
石木ダムがその理由になり得るとは、どうしても思えません。


ところで、このニュースを見る数時間前に、ある情報を頂きました。
その情報とは、「公共事業チェック議員の会」が今月21日、緊急提言をまとめ提出したというものです。

以下がその中身です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2009年12月21日
国土交通大臣 前 原 誠 司 様

                   公共事業チェック議員の会
                   会長 参議院議員 松 野 信 夫


補助ダム事業の政策転換に関する緊急提言


前原国土交通大臣は、さる12月15日、各道府県知事に対して、国直轄ダムだけ
ではなく補助ダム事業についても「できるだけダムにたよらない治水」への政策転
換を求められました。前原大臣の強い決意と実行力に深甚の敬意を表します。
当会は、補助ダム事業についての政策転換を求めるにあたり、国土交通大臣として
次の措置をとられることを提言いたします。

1 来年度予算においては個別ダムの進捗状況等を考慮して、継続ダムと要検証ダ
 ムに区分するとされているが、以下に該当するダム事業は要検証ダムとすること

 ① 本体工事に着手していないダム事業、もしくは着手していても2010年度
  末までに確実に完成する見込みのないダム事業
 ② 地元および周辺の住民からダム反対の意思が示されているダム事業


2 土地収用法による強制収用の準備が進められているダム事業について、事業認
 定庁である国土交通省として次の指示を行うこと

 ① 土地収用法に基づく事業認定が申請されている補助ダム事業については事業
  認定の審査をダム見直し基準に基づく見直しが終わるまで凍結するよう、関係
  する地方整備局長及び北海道開発局長に指示すること(例.長崎県の石木ダ 
  ム)

 ② 事業認定取り消し訴訟が提起されている補助ダム事業については、「ダム見
  直し基準に基づく見直しが終わるまで訴訟進行の凍結を求めること」を被告の
  国土交通大臣として裁判所に申し出るよう、関係する地方整備局長及び北海道
  開発局長に指示すること(例.香川県の内海ダム再開発、石川県の辰巳ダム)

                                  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここに提言者代表として書かれているのは、「公共事業チェック議員の会」会長の松野信夫参院議員。
先日、福岡での水シンポジウムでお会いしました。

また、この松野議員にこの提言書の原文を提出されたのは、
「水源連」(水源開発問題全国連絡会)共同代表のお二人。

そのお一人の遠藤保男氏は、
私たちが12月8日佐世保で開催したシンポジウム「佐世保の水これから」で基調講演なさった方です。
もうお一人の代表嶋津暉之氏は、
八ッ場ダム関係でたいへんご多忙な中、石木ダム問題にも強い関心を持って下さって、
先日、長崎県に事業認定申請の却下を求める意見書を提出されました。

「水源連」という言葉を聞いたことのある人はどのくらいいるでしょう。
「水源開発問題全国連絡会」というのがその正式名称だという事を知っている人は、さらに少なく、
ごくわずかでしょう。

私もその正式名称と活動内容については、この夏、知ったばかりです。
そのホームページにはこのように書かれています。

無駄なダム計画は地域社会と自然を根底から破壊します。
水源連は、地域社会と自然を無駄なダム計画から守る活動を行っています。
国や都道府県は勝手に川のあり方を決めていますが、
川と最も付き合いが深いのは流域住民。
流域住民が川を取り戻すことが川を守る必須の条件です。
私たちが水源連の活動を通して求めているのは、
「流域住民が川を取り戻す」ことにほかなりません。

とても共感します。

日本の、そして地球の自然を守ること、
これ以上子孫に借金を増やさない努力をすること、
それは、未来のことを考えたら、今を生きる私たちにとってごく当たり前のことのように思います。
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水道料金、19.68%値上げ決定!

2009-12-19 | 佐世保・長崎
昨日の佐世保市議会本会議で、9月議会から継続審議していた水道料金改定問題が決着しました。

改定率19.68%アップ、つまり約2割の値上げです。

15日の企業経済委員会で可決された時から、この結果はわかっていましたが、
たった一人の議員の質疑も反論もなく、全会一致で決定したことには、ちょっとがっかりです。

9月に約3割近い値上げ案(100号議案)が出された時は、
企業経済委員会のすべての議員が納得できないとして、
副市長や財務部長の出席が求められました。
つまり、石木ダム事業がある限り、このまま水道局だけでは対応しきれない、
一般会計からの繰り出しの検討も含め、全庁的な対応が必要と市側に迫り、継続審査となりました。

その討論の過程を傍聴した私は、佐世保市の議員さんってなかなかやるじゃん!
佐世保市議会って面白いじゃん!
と、思ったものです。

ところが、12月議会に入り、
当局から100号議案は撤回、改定率を約2割に下げた200号議案が再提案されると…

議員さんたちの追及は弱まり、委員会でも全会一致で可決されたのです。

100号議案と200号議案ではどこが違うのか…それは、値上げ率です。
29,35%(はじめの2年間は27,35%)から19,68%にダウン。

つまり3割は許せないけど、2割の値上げなら許せるってこと?

このデフレ不況の中で、本当に苦しい生活を強いられている人にとっては、2割だってかなり厳しいはず。
まして、小さなお豆腐屋さんとか美容院とか、お水をたくさん使う業種の個人経営者はたいへんです。

その人々が納得できる理由が200号議案のどこに見当たるでしょうか?

200号議案では、圧縮された値上げ幅約10%、その財源は、
平成22年度から26年度までの5年間、
佐世保市の一般会計から毎年2億円繰り出し、
また1億円を一般会計から水道会計に貸し付け、
水道局自身も経営努力して1億8千万円を捻出するというのです。

自身の経営努力とは、給与や手当の見直しで、年間1600万円捻出し、
あとの1億6750万円は、資産維持率を変えただけです。

資産維持率とは、将来の施設の建設や改良のためにプールしておく費用の率で、
これを、日本水道協会が提案している3%から2.359%に変更したというのです。
コンマ数%変えるだけで、1億6750万円のお金を生み出し、
それを「水道局の経営努力により…」と言えるのですから、
私たち一般庶民には理解できないカラクリです。

あとは入りの方、どこからどれだけ持ってくるか・・・と。
一般会計から2億円回してくれて、1億円は貸してくれるそうです。
どうしてそんな特別な計らいをしてくれるかと言うと、
水道局が収入減になったのは、市民が節水に努めたからで、その節水分の金額が約3億円です。
市民の努力に対する部分も値上げでは市民の理解は得られないということで、
その分だけは一般会計がお手伝いしましょうということ。

でも、これって、喜べますか?
一般会計のお金は私たち市民の税金ですよね。
結局、私たちのお財布から出ていくお金です。

不思議ですね。
普通では考えられないですね。
一般の会社や家計なら、収入が減れば、支出を減らすことをまず考えます。

新しい機械を入れたいけど、もう少し我慢して今のまま使おうとか、
子どものお稽古事を減らそうとか。

そういう支出の見直しをせずに、親の援助を当てにしようとか、借りようとか、
そういうやり方はしませんよね。

しかも現在の水道局は「ひっ迫」してるんですから、
家計でいえば、お稽古ごとどころではなく、
新しい衣類も買わず、暖房費も節約し、おかずも減らして、耐乏生活に突入すべきところ。

ところが、水道局も佐世保市も、数百億の負担が生じる石木ダム建設を見直す気は全くないようです。

平成23年度から急激に増える資本的支出は、圧倒的に石木ダム建設関連事業費です。
この大型出費がなければ、財政はずいぶん楽になるんじゃないでしょうか?

ときどきW議員から、その固有名詞が出てきますが、
当局はじめ他の議員も、ほとんど皆さん避けて通っていらっしゃるような気がしました。

とにかく「ダム有りき」なんです。

「ダム有りき」だからダムの費用はしっかり計上する。
計上したものを集めると、これだけ財源が必要です。
これだけお金が必要だけど、集まりそうにない、これだけ足りない。
じゃあその分一般会計から出してもらいましょう。
そうしよう、そうしよう。

そういうふうに映りました。

もちろん真剣に考えている議員さんもいます。
節水条例や水源涵養林の育成などを何度も訴えていた議員さんたちがいました。

しかし、そういう議員さんたちでも、石木ダム建設が今の佐世保市に本当に必要なものかどうか、
立ち止まって考えようとはしない。
水需要が年々減り続けているという現実があり、
水道局の経営は赤字続きで重症だという現状を認識しても、
もう一度検討してみようとは思われないようです。

なぜだろう?

意見交換を申し込んでずいぶん経ちますが、お返事はいまだ、頂いていません。


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シンポジウム「佐世保の水これから」を振り返って

2009-12-15 | 石木ダム


12月8日、シンポジウム「佐世保の水これから」に、こんなにたくさんの方が来て下さいました~

師走ですよー 忙しい時期です。
夜ですよー 外は暗くて寒いです。
なのに こ~んなにたくさん!
嬉しかったです。

やはり、それだけ、水資源に対する市民の関心が高まってきたのでしょうか?

オープニングはオトヒトツのミニコンサート!



演奏している彼らも、水のこと真剣に考えている仲間です。

7時からシンポジウム、スタート。

まずは、横浜から駆けつけて下さった遠藤保男さんの基調講演。
遠藤さんは、元東京都の水道局職員だった方で、
現在は「水源開発問題全国連絡会」略して「水源連」の共同代表です。

その遠藤さんが、何故か全国の中でも特に佐世保の水事情に注目して下さって、
今年8月には佐世保市の水源地や水道施設を視察、調査されました。
そこから見えてきたものは何か?

たくさんの表やグラフをパワーポイントでスクリーンに表示。
客観的な事実が素人にもわかります。

最後のまとめで訴えられたことは、
佐世保市水道局は、有収率の向上(=漏水対策を強力に推進すること)に努めなさい!
現在のあまりにも恥ずかしい状態から脱却しなさい!と。

佐世保市民の水の使い方は全国でもトップクラス(=とても大切に水を使っている)なのに、
佐世保市水道局の水の供給の仕方は最低クラス。
全国の大規模水道事業体215中、有効率は203位、有終率は201位。
(=漏水がものすごく多い=水をたくさんムダにしている)

福岡や東京のように漏水率3.3%を目指せば、ダムなど要らない。
漏水対策にかかる工事は、地元の仕事創出、経済活性化につながる。
「造る」公共事業から「修理・改造」の公共事業へ。

とても説得力のあるお話でした。


こちらは、パネルディスカッションで発言中の遠藤さん。

お隣に座っているのは、「ライフ佐世保」の編集長の末永修一さん。
市議会に提案された30%近い水道料金値上げ案に驚いて記事にしたら、
新聞を配布した1時間後に、水道局の部長さんが二人とんできて、クレームがあった。
水道局には取材してないじゃないか、一方的だと。
しかし、その日以降、市民からの電話が殺到、「よく書いてくれた」「もっと書いて」が大部分。
「水が足らん言うから節水したのに、収入が減ったから値上げなんて冗談じゃない!」
「これ以上値上げされたら、水を使われんようになる…」と怒りや愚痴も。
しばらくは仕事ができない状態だったそうです。

でも、外回りの記者たちは行く先々でミカンやらお菓子やら、お土産をたくさん渡されるようになったとか。

編集長のお隣は、県議会議員の末次精一さん。
今回のシンポジウムの言いだしっぺ。
前日の県議会で一般質問に立ち、ご本人によるとうまくいかなかったと反省しきりでしたが、
シンポジウムでのディスカッションでは、実に歯切れよく、好評でした。

議員になってわかったことの一つだが、
行政というのは一度決めたことは、ぜったい変えようとしない。
ダムにかかる費用はどんどん増えていってる。
今まで県や市は総事業費285億円と言ってきたけれど、
ダムに付随する施設設備費を足せば538億円もかかるんですよ。
一方、海水淡水化施設はダムの何倍もお金がかかる、とても無理だと県は言っているけれど、
それは、毎日4万トンも造水した場合の話。
ふだんは間に合っているんだから、渇水の時に備えた小規模のものなら、それほどかからない。
などと、強くアピール。会場の人々は大きく頷いていました。

浅田眞澄美議員のコーディネートでパネルディスカッションはさらに盛り上がり、
会場からの質問の時間になると、質問というより賛同の意見ばかり。

そして、最後にマイクを握ったのは、現地住民を代表して松本好央さん。



いつものように、素朴で正直な語りで、会場がシーンとなってしまいました。
「僕らの親は四十数年間、僕は生れてずーっと34年間、ダムと闘ってきた、それが僕らの人生だった」
「強制測量のときのあの経験を自分の子どもにはさせたくない。その思いで、今も闘い続けている」
「僕らの住んでいるところを奪ってまで水が必要なんですか?」と言いつつも、
「今日、佐世保でこのような話が聞けて励みになった」
「自慢できるものは何もありませんが、僕らの住んでいる川原(こうばる)を是非見に来て下さい」と。

「この前行ったよー!のどかないいとこやったー」と会場からの声!

「ありがとうございます」と答える松本好央さんの声が心なしか潤んでいました。

閉会は9時を少し過ぎましたが、ほとんどの方が最後まで熱心に聴いて下さいました。
そして、最後に署名と節水に関するアンケートとカンパのお願いをしたら、
たくさんの方が応じて下さいました。

署名95筆、アンケート80枚。カンパは・・・¥33,850!!

1枚のアンケート用紙の裏に、こんな文章が記されていました。


    今回のシンポジウムにて、いろんなことがわかった!
    水道局の怠慢、ねつ造等。
    ・水道料金値上げ反対
    ・石木ダム建設反対
    このことを推進するには
    今回参加した人間は、どのように、
    何を、行動すればよいのか?
    『どがんすれば 石木ダムは 建設されんと?』


何より嬉しいメッセージでした。
40代男性の方、ありがとうございました。





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ダムは要らない

2009-12-09 | 石木ダム
昨日のシンポジウムは大成功でした!
アルカスSASEBOの大会議室には170人の人々が集まり、
夜9時まで熱心に耳を傾けて下さり、署名もカンパもたくさん頂きました。

終わってから「良かったよー!」と声をかけて下さったのは、
顔見知りばかりでなく、初対面の方々も…。
嬉しかったです。

そのシンポジウムについては、事後の整理ができてから、
ゆっくりお伝えしたいと思っています。

今日お伝えしたいのは、一枚のアピール文です。

以前、ある集会でもらった資料の中に入っていた一枚でした。
その思慮深い文章に魅せられて、大事にしまっていました。

書かれた方は、NPO法人長崎人権研究所理事長 藤澤秀雄という方でした。
いつかご連絡を取って、この文章をブログ上で紹介させて頂きたいと思いつつ、
そのままになっていました。

その藤澤先生(元長崎大学教授だと後で知りました)が、
なんとはるばる長崎から私たちのシンポジウムを聴きに来て下さっていたのです!
感激です!

長い間解放などの人権問題に取り組んでこられた先生ですから、
強制収用も視野に入れた石木ダム問題が見過ごせなかったのですか?とお訊きしたら、
それもありますが、コンクリートのダムはやはりもう止めなければいかんでしょう、
という明快なご返事でした。

保存している先生の文章について話したら、
ああ、あれは新聞に掲載されたものですからどうぞかまいませんよ、と。
ただし、新聞社の方で字数制限をされ、本来はもっと書くことがお有りだったご様子でしたが。

ぜひ、読んでみてください。




 長崎市の樺島でオオウナギの生息する井戸の湧水が年々濁ってきていて、地元では「ダムの所為ではないだろうか」と天然記念物の行く末を案じているという話を知人から聞いた。
 人類を含めた多種多様な沢山の生き物が地球に存在できるのは、地球が水の豊富な天体であり、その水が自然によって常に再生されているからである。
 しかし、ダムのような巨大なコンクリートの建造物が地中に深く埋め込まれれば、その再生力が阻害されかねない。そのダム建設を巡り、知事に署名簿を提出した町民が町長に呼び付けられるという異常事態が長崎県で発生している。
 「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令または規則の制定、廃止または改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別的待遇も受けない」とは憲法第十六条の定めであるが、長崎県民には日本国憲法が適用されないのであろうか。
 地球は水の豊富な天体であるとは言え、地域差があり、水不足に悩まされている住人も存在している。水が不足しマレー半島からの取水に頼っていたシンガポールは、今では再生水で生活している。再生水の利用は費用を要するけれども、季節変動に左右されぬ利点を持っている。
 水を確保する方策は幾重にも存在する。それ故、ダム造成のために署名者を恫喝する行為は「異常であり、その背景には別の意図が隠されている」ように思えてならない。利水のためだけであれば、もっと緻密な方策が種々考え得るからである。
 利水問題のみならず、種々の政治問題について、もっと柔軟に、幅広く、多角的見地から、様々の方策を模索できる環境が構築されなければ、金と権力で押しまくる現状からの脱却はできない。





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前原国交相への手紙

2009-12-04 | 石木ダム
今日の新聞に「脱ダム治水 検討開始」の見出し。

昨日の有識者会議の初会合で、前原大臣は、
「ダム中心の河川整備をいったんリセットし、根本的に考え直して頂きたい」とあいさつしたそうです。

心から拍手を送りたい。
でも、私の周りの「有識者」たちは、みな懐疑的です。

なぜかと言うと、前原大臣が集めた有識者たちは、むしろダム推進派や容認派が多いのだそうです。

この人選にとても不安を抱いた一人の脱ダム運動家が、前原大臣に手紙を書きました。
心を込めて、一生懸命、書きました。

彼は、東京で生活していたのに、故郷の球磨川を守りたくて、仕事を辞め、九州に戻ってきました。
川辺川ダム反対運動を軌道に乗せるまで頑張って、今は石木ダム建設白紙撤回のために奔走しています。

福岡と長崎県の川棚町を行ったり来たりの生活。
真夏の暑いときに、トタン屋根の団結小屋に泊まり込み、町の1軒、1軒を訪ね署名をたくさん集めていました。

どうしてそこまでやるのか訊いたことがありますが、明確な答えは返ってきませんでした。

そんな不思議なダムストッパー?の、前原国交相へのお手紙をご紹介します。
もちろん、ご本人の了解済みです。

皆さんも是非、前原大臣に手紙を書いてください!と伝言を頼まれました。

少々長くて難しいところもありますが、最後まで読んでいただければ嬉しいです。






平成21年11月23日
国土交通大臣 前原誠司 様
                球磨川からすべてのダムを無くして鮎の大群を呼び戻す会 共同代表
                九州住民ネットワーク 事務局長 原 豊典

 多方面に渡るお仕事お疲れ様でございます。
私は原 豊典と申しまして、川辺川ダム中止の運動を当初(平成5年頃)からやっております。

 10年近く前になりますか、前原さんがお一人で前触れも無く、川辺川にお越しになった際、私のボロ車に乗せて、五木村までご案内したことがあります。
「どうして今回来られたんですか?」と尋ねましたら、「時間が空いたから」とお答えになりました。
 五木村では、当時の西村村長が「国会議員が来られた場合は皆挨拶をいただくことにしています」と言って、村職員全員に紹介して、前原さんは10分程度でしたか、お話をされました。五木村は当時から「ダム(事業)による村づくり」の路線で、これに対して前原さんがどんな話をされるのか興味を持って聴いた記憶があります。

 時は変わり、民主党政権が無駄なダム中止を実現することになり、前原さんが まさにその責任者となりました。
143のダムを見直し対象とする。川辺川は勿論、八ッ場ダムも中止するとの前原大臣の宣言に大きな期待を抱いたところです。
 ただ、6割強を占める県営ダム(補助ダム)については、知事の判断を尊重する、と前原大臣が言うたびに、本体建設入札など駆け込みが多くなりました。
私がこの一年応援している長崎県の石木ダムの場合も、「知事の判断を尊重する」という部分だけ取って、今までためらっていた土地収用法の適用に踏み切り、11月9日事業認定申請を強行しました。13戸50人以上が平穏に暮らしている一つの集落を丸ごと強制収用にかける前段手続きです。これを認定するのか新政権の姿勢が問われています。

 それとも重なりますが、今般の有識者会議の設置の問題が重要です。
いくつもの問題があります。

 先ず、委員の選任の問題です。
選任の考え方・基準として「ダム絶対反対派とダム絶対推進派は除外した」と有りますが、
記者会見質疑応答で「出来るだけダムに頼らない河川計画・治水対策に変えていくのがこの内閣の方針だ」というのであれば、ダム反対の考えを持つ河川工学者・専門家を中心に選任すべきはあまりに当然ではないですか?
 前原大臣が記者会見で言われている、山から海への繋がりを絶ち、山でも川でも海でも環境と生活を破壊し、国民の財政をも破綻に追い込んできたダム造りを止めよう、というのはまったく賛成です。というより、私達が言ってきたことを前原さんの口から言って頂いているのです。
しかし、このことを実現するには、この有識者会議のメンバーではできません。

 一人一人の経歴等をみても、山田 正 中央大学教授は今年10月20日の読売新聞で八ッ場ダム必要論を展開しており、明確にダム推進論者です。
これで、どうしてダム推進論者も除外した、と言えるのでしょうか?
黒を白と言いくるめるものです。
他にもダム推進論者と思われる人が多く、官僚による人選だと思われます。
ダム推進論者が多くを占める有識者会議を設置して、ダムに拠らない治水計画に変えて行けるわけが無いではありませんか!

 以上から、文字通り「出来るだけダムに頼らない河川計画・治水対策に変えていく」ためには、人選を初めからやり直して今本博健、大熊孝、嶋津暉之、宮本博司の四氏を加えるべきです。


 143のダムを見直し対象にすると宣言しながら、実質は予算要求がまとまった時点で、推進、凍結の仕分けを行なう、としているところが大きな問題です。
現在発表されている委員により、その論議が公開されることも無く、その仕分け作業が行なわれるのであれば、ほとんどのダムの継続が認められるのではないか、と危惧されます。
記者会見質疑応答では前原大臣は「凍結する、と決めたダムについてはピーク流量のあり方も含めて再検証する」と発言されていて、再検証の対象になるのは、143のうちのごく一部のダムだ、というニュアンスなのです。
つまり、143のうちの多くのダムは再検証の対象とならずに、継続として仕分けられるということになりそうです。
これでは、143ダムを見直し対象とするという宣言は「看板に偽り有り」というものではないでしょうか。
 143ダムを見直し対象とする、と宣言した以上は、その全てを一旦凍結して、2年程の見直し期間において、ピーク流量の見直しを含め、ダムに頼らない河川計画・治水対策を検討していくべきです。

 その間においては、143のうちの県営ダムに対しては国の補助金を付けないこと、及び収用裁決や事業認定処分・審理は凍結するのが当然です。
143のダム事業の全てを一旦凍結して、計画の見直し・再検証を実施することを求めます。


 次に、傍聴を許さない、という点が問題です。
これまで建設省時代から、ダムに関わる方針は国民・住民に関与させることなく官僚によって決定されてきました。
平成7年、始めて審議会というものが登場し、川辺川ダム事業審議委員会が9回開かれました。
これはこれまでダムを推進してきた知事や流域の首長・議員が集まってダム建設にお墨付きを与えるものでしたが、これには私達住民は傍聴すら排除されましたが、マスコミは中で取材するのは、許容されました。同じダム審でも、吉野川では傍聴が許されていた、と記憶しています。
 今回の有識者会議は、国民・住民の傍聴を許さず、マスコミも頭取りだけ、というものですから、その公開性は、15年前のダム審並みか、それ以下ということになります。

 住民参加と公開性の徹底が際立つ9回に渡る住民討論集会は言うまでもありませんが、有識者会議や各種の再検討委員会においてすら住民の傍聴が認められてきた歴史的経緯があります。
国民・住民の支持を受けて政権交代を成し遂げた民主党政権が15年以上前に逆戻りしてその国民の傍聴すら許さないとは、一体、どういう感覚なのでしょうか!
これでどうして前原大臣が記者会見の質疑応答で発言されている「国民周知の中で検証していく」とか「改正河川法の住民参加を大事にする」と言えるのでしょうか?

 ダム審ではその事務局が建設省の地方整備局でした。公表・公開は議事要旨による、とされました。今回の有識者会議も議事要旨を出す、ということで同じやり方です。
官僚の関与を感じざるを得ません。
民主党は官僚制打破、政治主導の政党ではなかったのでしょうか?
有識者会議の傍聴を制限無く認めること。委員のすべての発言の公表を求めます。


 「前原大臣に影のように付き添う佐藤河川局長」という話が話題になっています。
ある識者は有識者会議について「完全に官僚に取り込まれた。言葉がありません」と言っています。
前原大臣はこのことをどれだけ自覚されておられるのでしょうか?

 前原大臣におかれては、今回の有識者会議の発表の内容について、以上の点につき、それこそ見直しをしていただくたくお願いします。
また、今後において官僚の意見だけでなく、国民・住民の意見をどうやって汲み上げ、組み込んでいくかについて、その形態や仕組みのルール化をご検討いただけませんでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。
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