ダイスキが 心の中におさまらない もうすぐ割れる 私の風船
おはようと 初めて君に言えた朝 思わずぼくは 駆け足になる
ドキッとして、微笑ましくて、遠い昔の自分を思い起こしませんか?
どちらも中学3年生の歌です。
12月4日長崎新聞教育欄の記事 「心揺さぶる ドキドキ授業」に掲載されていました。
島根県の松江市立八雲中学校教諭の桔梗亜紀さんは、国語の授業に短歌の創作を取り入れています。
特に相聞歌は生徒たちに大人気!
本当は あなたのことが好きなのに 思わず言った あなたじゃないと
わかるな~
男女数人集まって、誰が誰を好きだとか、ワイワイガヤガヤ噂話に花を咲かせ・・・
友人から意中の人を言い当てられ、とっさに「違う、違う」と否定して、
そこに居た本人も「あ~よかった~」なんて笑いながら、心の中で泣いてたりして・・・
そんなシーンが目に浮かびそうです。
こんな作品を匿名で公表すると、どっと返歌が集まるそうです。
今はまだ 素直な気持ち言えんけど いつか言おうよ がんばれ あなた
いいなぁ・・優しいなぁ・・
友の胸の内を察して、そっとエールを送る。
それは、自分へのエールかもしれない。
思春期で、反抗期で、一番扱いにくいと言われる少年少女たちが、こんなに素直になれるツール。
万葉の昔から歌で思いを伝え合ってきた日本民族のDNAのなせる技?
「国語の授業でこんなにドキドキしたことはなかった」という生徒。
桔梗先生は、
「作品のうまい下手を飛び越えて、言葉が心を揺さぶっている」
「揺れ動く心は、メール時代の今も昔と変わらない」
「揺れる自分を見つめて自分の心をいとおしんでほしい」そして同じように、
「周りの友人にも同じいとおしみの視線を向けてほしい」と言います。
情報が溢れる現代社会で、
少年少女たちが一番知りたい情報は周りの人の心かもしれませんね。
好きな人の心。
仲間の心。
クラスメートの心。
そして、自分の心をほんとは一番わかってほしい…