佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

「原発いらない福島の女たち」による経産省交渉

2011-10-30 | さよなら原発

≪拡散希望≫と初めに書かれた、こんなメールが送られてきました。

「原発いらない福島の女たち」による経産省交渉の動画
http://www.ustream.tv/channel/labornet04
約1時間です。
最初の5分でもいいです。必ず見てください。

家が奪われました。
家畜見殺しです・・・・
とんでもない事をやってくれたんですよ。
せめて今の原発全部やめてください・・・

他人ごとではありません。
怒ってください。
私たち一人一人が集まればみんなになります。
みんなで声を上げましょう。
みんなが黙っているからいまの状況になっているのです。
憲法に守られているはずの基本的人権が奪われてれいます。



観ました。

「福島の女たち」は、怒りや悲しみをその眼にいっぱい溜めて、冷静に熱く訴えました。

しかし、応対した経産省の若いエリートの皆さんには、なぜかその言葉が理解できないようでした。

必死に涙をこらえて語る女たちの言葉が、なぜ届かないのだろう?

彼女たちの真っ当な単純な道理、つまり、
自分たちがコントロールできない危険な物を使い続けることが許されるわけはない、
ということが、どうして理解できないんだろう?

彼女たちは、本当の情報を県民に知らせて下さい。
ウソの情報は流さないでください、とも訴えていました。

 

何もかも同じです。ダム問題と同じです。

必要のないモノ(原発やダム)を導入するために

ウソの情報を流し、国民や県民を騙し、

大きなリスク(事故の危険や自然破壊)は想定外として認めようとせず、

想定外のことが現実になっても、その地域の人々の暮らしが破壊されても、懲りない人たち。

他の稼働中の原発の危険性は去っていないのに、止めようとしない。

計画したダム事業の問題が明らかになっても、止めようとしない。

 

こんなに石頭のワカランチンの官僚にはもう何も期待できない。

私たちの未来は、私たちの行動で決めていくしかないようです。

このメールの発信人は書いています。

> みんなで声を上げましょう。
> みんなが黙っているからいまの状況になっているのです。

 

私も 原発は、一日も早く、すべて廃炉にしてほしいと願っています。

 

そして、石木ダム建設にも反対です。

その根拠が多くの市民・県民に伝えられた全国集会の報告を是非、ご覧になって下さい。

http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/d/20111028

集会参加者の感想もお伝えしています。

http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/d/20111029

 

                         

 

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大成功!「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」 

2011-10-23 | 石木ダム

ありがとう、

ありがとう、すべての人にありがとう!

 

予想を超える来場者に感謝!

皆さんの温かい共感の拍手が、とても嬉しかったです。

 

500名?の来場者を実現してくれた一人ひとりにありがとう!

その第一人者は、もちろんYさん。

彼の熱い情熱が、小心者の私たちの心にも火を付けた。

「私のところで200名集めますと言ったけれど、今のところ120名くらいしかいってない・・」

と、申し訳なさそうにおっしゃったのは前々日。

でも、彼の発言の後に起きるひときわ大きな拍手の音で、彼の支持者の数が察せられた。

きっとりっぱに公約は果たされたに違いない。

 

二番目に人集めに奔走してくれたY子さん、ありがとう。

あちこちの集会に出かけては、チラシをたくさん配ってくれた。

彼女の人脈の広さが頼りだった。

 

いつも飄々とのんき者に見えて、肝心なことはバッチリこなすMさん、ありがとう。

彼がいなければ、舞台裏はパニックだったはず。

タイムキーパーを務めてくれた奥さんとの息は、さすがにバッチリ!

おかげで、奇跡?の時間内終了が実現した。

 

事務局スタッフ全員、実行委員全員、助っ人の皆さん全員にありがとう。

皆の思いが一つになったら、すごい力が出るもんだと実感した。

 

講師の I 先生、ありがとう。

謝礼も払えない私たちに、逆に高級な和菓子のお土産まで頂いてしまって・・・

ただただ恐縮するばかり。

 

水源連のS代表、ありがとう。

今日のお話は、とてもわかりやすかった。

私たちのレベルに合わせて語って下さったので、多くの市民が目からウロコだったと思う。

 

もう一人のE代表、ありがとう。

全国の仲間が登壇したコーナーは、さすがに迫力満点!

熊本の川辺川ダム、路木ダム、山口の平瀬ダム、香川の新内海ダム、愛知の設楽ダム、

群馬の八ッ場ダム、秋田の成瀬ダム、山県の最上小国川ダム、そして北海道の当別ダムからも。

勢ぞろいした皆さんの笑顔がエールそのものだった。

 

諫早から朝早く、電車に乗って手伝いに来てくれたOさんや

前日深夜まで残業して、今日手伝いに来る時間を作ってくれたSさんなど、

たくさんの助っ人さん、ありがとう。

 

歌で会場を盛り上げ、感動を与えてくれた「ながせん」の皆さん、ありがとう。

 

落ち着いて素敵な司会をしてくれたA子さん、ありがとう。

 

飾らない、ありのままの思いを発信してくれた、地元の青年J君、ありがとう。

 

そして・・・

風邪で出なくなった声を、わずか2日で治してくれたスヲヤ耳鼻咽喉科の先生、ありがとう。

魔法が効きました。

 

口を開けば憎まれ口ばかり言うけれど、

通院の送り迎えをしてくれたダンナ様、ありがとう。

 

皆さんのおかげで、今日の日を無事に、大成功に終えることができました。

 

この皆の思いが、石木ダム中止のきっかけになることを信じたい。。 

 

 

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川は友だち

2011-10-18 | 石木ダム

「石木川流域の写真と絵画展」を終えて感じるのは、

やっぱり、石木川の素晴らしさ!

 

佐世保市民に石木川流域の自然の美しさ、豊かさを伝えたい…

なんて思っていた私自身、ほとんどわかっていなかった…ってことに気付かされました。

 

作品を選ぶ段階でも感じたことですが、

会場に展示して、全体を眺めてみると、やはり、

地元の方が撮った写真は違います。

生き生きとして、匂いや音まで聞こえてきそうな・・そんな写真がいっぱいでした。

 この一連の写真が、私は大好きです。

小学一年生のK君が、誰よりも石木川の美しさと、豊かさと、楽しさを伝えてくれました。

 

私はまだまだ川のこと、里山のこと、何もわかっちゃいなかったな~

って気付かされました。

 

もう一つの収穫は、市民の思いの発見。

展示会場であるアルカスの交流スクエアは、自由に行き来できる場所ですから、

たまたま通りかかって見て下さった方もたくさんいました。

そのほとんどの方が、自然豊かな風景に感動され、こんなところは残したい…と言われます。

でも、中には違う考えの方もいます。

 

「まあ!きれいね~。え!ここなの?石木ダムができるって?」

「残したいけど、でも、佐世保は水がないと困るものね~」とおしゃべりしてた方々に近づいて、尋ねました。

「今そんなに水で困ってらっしゃるのですか?」

「いえ、今は別に困っちゃいないけど、以前のような大渇水がきたら…ねぇ」

 

佐世保市の水使用量の減少を示すグラフなどを見せながら、しばらく意見交換しました。

その3人の女性たちのうちの2人は、「なるほどね~、それならダムは要らないねー」と言い、

1人は「でも、私たちはいいけど子どもたちの将来を考えると、やっぱり企業誘致も大事だし・・」

と、納得できない様子で帰って行かれました。

 

その会話の間、ずっとそば(3人のすぐ後)にいて何も語らなかった女性がいました。

私はお仲間かと思っていたのですが、

3人が帰っていくと、こちらに近づいて来られました。

 

   私はあそこにダムを絶対造ってはいけないとずっと思ってきました。

   でも、何もできませんでした。

   若い方たちがこんなに頑張って下さってる姿を昨日テレビで観て、

   一言お礼が言いたくて、やってきました。

 

思いがけない言葉に、涙がこぼれそうになりました。

70代半ばくらいでしょうか、白髪の小柄な女性でした。

 

私たちの知らないところに、このような仲間がいたんだ… 

まだまだ隠れた仲間がたくさんいるのかもしれない…

 

そんな希望を感じた2日間でした。 

 

展示会全体の様子はこちらでどうぞ。 

http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/d/20111016

 

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石木川流域の写真と絵画展

2011-10-09 | 石木ダム

いよいよ今週です。

木・金です。

13日と14日の2日間です。

詳細はこちら

   ↓

 

 

今回は、秋真っ盛りの今を切りとった写真をたくさん展示するつもりです。

 

石木川は、その名の通り、石がゴロゴロしてる川。

写真の真ん中、石の上に座っている小さな人影は幼い少年です。

 

虚空蔵山から流れ出る清流石木川の水で、流域の人々は美味しいお米を作ってきました。

少年も父母や祖父母を手伝って、田植えや稲刈りに参加します。

休憩時間には、魚を追って、川で遊びます。

 

いま、少年は何を見ているのでしょう。

その目に映る木々や魚や木漏れ日や・・

その耳に聞こえる虫の音、鳥の羽ばたき、川の流れ・・

その記憶が、少年の「ふる里」になるのですね。

 

少年の祖父母のように、父母のように、少年もふる里を守る闘士になるのでしょうか。

いいえ、少年が大人になる頃には、もうここにはダム建設の計画はなくなっている。

遠い過去の思い出話になっている。

そうに違いありません。

 

その願いを込めて、私たちは開催します。

「石木川流域の写真と絵画展~豊かな里山、日本の原風景~」

 

 

 

 

 

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エクレール・お菓子放浪記

2011-10-07 | 雑感

知人から送られてきた映画鑑賞券、「エクレール・お菓子放浪記」

昨日も一昨日も忙しくて行けなかった。

今日が最終日。

なんとしても行かなくては申し訳ない。

そう思って、相浦公会堂まで出かけた。

 

映画は、期待通り。

アキオ少年にとってのお菓子のように、

観る人の心を優しく温かく包んでくれた。

 

予想と違っていたのは、

アキオ少年があまりにも「良い子」だったこと。

気立ても言葉遣いも歌声も、

孤児というイメージからはかけ離れていた。

 

そして、何よりもビックリしたのは、

その澄んだ歌声で歌われた挿入歌の「お菓子と娘」

 

ようこ先生がオルガンを弾きながら歌い出した時、

すぐに思い出した。

歌詞もメロディも。

一緒に歌いたくなるほど、懐かしかった。

 

でも、いつ、どこで歌ったのか、覚えたのか・・

全然記憶にない。

 

不思議だなぁ。。

昭和3年、西条八十の作詞という。

その頃の歌が、私の子どもの頃流行っていたとも思えないけど…

 

1.お菓子の好きな 巴里娘
  二人そろえば いそいそと
  角の菓子屋へ 「ボンジュール」

2.よるま(選る間)も遅し エクレール
  腰もかけずに むしゃむしゃと
  食べて口拭く 巴里娘

3.残るなかばは 手に持って
  行くは並木か 公園か
  空は五月の みずあさぎ

4.人が見ようと 笑おうと
  小唄まじりで かじり行く
  ラマルチーヌの 銅像の
  肩でツバメの 宙返り

 

でも、私は大きな勘違いをしていた。

エクレールはもちろんエクレアだと今はわかるけど、

その頃は知らなかったので、

エクレール=巴里娘の名前だと思い込んでいた。

 

「よるま」は「寄る間」と思っていたし、

「みずあさぎ」の意味はわからなかったし、

「ラマルチーヌ」は男だと思っていた。

オスカーの「幸福な王子」を連想してしまったのだろう。

 

この曲を歌いながら、私の中に巴里の街角の風景が浮かんでいた。

おしゃれな建物や公園や並木道があって、

洗練された素敵な女の子たちが、

全く自由に気取らずに、お菓子をムシャムシャ食べている、

歩きながら、あるいはスキップなどしながら、お行儀悪く食べている。

「むしゃむしゃと」「食べて口ふく」「人が見ようと笑おうと」そんなフレーズが気に入っていた。

特に旋律が変わる4番の、「人が見ようと笑おうと・・・」の部分を好んで歌ってた記憶がある。

 

私はお菓子よりも、女の子が自由に振舞えるという巴里の空気に憧れを感じたようだった。

 

懐かしい歌に再会させてくれた映画に、ありがとう。

 

 

 
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品川宣言

2011-10-04 | さよなら原発

佐世保の空はいつの間にか秋の気配。

先週あたりから、全国集会に向けていよいよドタバタ始め、季節の移ろいにも気付かなかった・・・

川原の皆さんは、稲刈りの真っ最中だろうか・・・

 

稲刈りどころか、汚染された大地に何も植えることの出来なくなった農民たちがいる。

汚染された海で魚を獲れなくなった漁師たちがいる。

その魚を加工できなくなった労働者たちがいる。

 

そんな人々が東京の品川に集まって、9月18日、怒りを持って『品川宣言』を発表した。

 

是非、読んで頂きたいと思い、全文を転載します。

(賛同して頂ける方は署名もおこなっています)

 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11036347494.html

 

 

      「品川宣言」 2011年9月18日

  私たちは、福島第一原子力発電所の事故後、国民生活への重大な影響を憂
 慮し、事故の終息を見守ってきました。また、その工程にあって、わが国有
 数の一流企業である東京電力株式会社や政府に、国土や国民の命を第一義的
 に守ってほしいと願ってきました。しかしながら私たちの期待は見事に裏切
 られ今日に至っています。 
 2011年9月18日、全国の市民・農家・水産加工・食品団体員など有
 志が東京都品川区南品川5-3-20、品川第二地域センンター会議室に集り、
 今回の事故とこれまでの経過について討議しました。
  そして、私たちは、今回の事故並びにその経過が、「放射能放散公害事件」
 であることを再確認しました。そこには、明らかな加害者と、放射能にさら
 れている被害者が存在しています。
  しかし、事件発生より半年が経過してもなおその起因者である東京電力に、
 その責任を果たそうとする姿勢は見られません。
  また、政府は一体だれのためにあるのか──。 
  ここに集った私たちは、大きな憤怒を持って次の結論に達したことを宣言
 します。

1.避難対象地区について
  まず、2011年3月11日発生の福島第一原子力発電所事件から半年を
 経過した今なお、放射線に汚染された環境下に人々が放置されていることに
 対して断固として抗議する。
  私たちは、「放射線管理区域」(1.3ミリシーベルト/3ヶ月)レベル
 の環境下にさらされているすべての住民を、直ちに安全な地区に避難させる
 ことを、放射能を放散した東京電力と政府に要求する。
  なお、ここでは避難させる義務は上記「放射線管理区域」レベルとするが、
 市民の側の、避難の権利の基準は、「一般公衆の線量限度」(ICRP・国
 際放射線防護委員会)基準の1ミリシーベルト/年以上であり、この環境下
 からの自主避難の権利は認められなければならない

2.棄民的措置による健康被害の責任について
  ゆえに、1ミリシーベルト/年以上の環境下に無作為に人々を留め置くこ
 とは、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予備行為にも他ならない。
 上記環境下にたとえ一時期であったとしても置かれた福島県民をはじめとす
 る人々に今後発生する健康被害については、東京電力並びに政府の責任であ
 ることを宣言する。

3.避難に関する費用について
  避難に関する一切の費用は東京電力が負担すること、すでに自主避難して
 いる場合にも請求権は認められること、その上で、避難先は避難すべき当事
 者の希望に添うこと、以上の権利を担保する。
  また、従来からの地域コミュニティーの避難先での維持など、具体的な避
 難誘導等については、国・地方公共団体が参加する公共事業体によって、避
 難者の立場にたって進められるべきであり、かりにも私企業を参入させ、利
 益優先・経費出し惜しみを許してはならない。

4.「生業」(なりわい)を破壊された住民被害について
  特に一次産業者は、その生業が農地や漁場と不可分であり、農業者にあっ
 ては農地や山林、水利権等、漁業者にあっては漁港や漁場、漁業権等の確保
 が可能であることを前提に、北海道、中・西日本などの汚染されていない土
 地を避難移住先に選定する必要がある。
  その上で各避難者の生活再建に関する一切の費用も東京電力により補償さ
 れなければならない。

5.自営産業者に対する賠償について
  一大食料生産地帯を放射能で汚染した東京電力の責任は重大である。
  避難する自営業者の一切の避難移転費用と、生産休止期間と生産が再開し
 たのちも事業が福島第一原子力発電所事件以前の所得水準に戻るまでの期間
 の損害を賠償しなければならない。
  それは、例えば、酪農・畜産業及び水産養殖業においては、生産、出荷が
 可能になるまでの家畜の飼育経費等、魚介類や海藻の養殖経費等、また、そ
 の間の生産者の生活費用等の一切の費用のことをいう。

6.すべての賠償・補償について
  東京電力が負うべき移転費用、生活再建費用、損害賠償費等必要な支払い
 については、速やかに行わなければならない。支払いについては、定める支
 払義務発生日を越えた日数に応じて延滞遅延金年10%(電気料金遅延金と
 同率)を上乗せされなければならないのは当然のことである。

7.高汚染地区の農地回復に従事しようとする者について
  放射線リスクが適度に低いと考えられる年齢の農業者が、高汚染地区に立
 ち戻って農地回復を希望する場合、当該の地は相当程度の人口密度の希薄化
 が考えられ、また、放射線曝露を最小限度にとどめるために、清浄な飲食物
 の配給とその他の行政・医療サービスの供給は続けられなければならない。
  放射性物質除去のための菜種・アカザ・牧草類などを含む生産物は、当面
 低レベル放射性物質であるから、東京電力によって適正な生産者価格で買い
 取り補償されなければならない。
  東京電力は補償買い取りした生産物を厳重管理し、市場に環流させてはな
 らない。

8.食品暫定基準値について
  現行の食品「暫定基準値」はなんら正当な根拠を持たない。私たちは決し
 て容認できるものではない。
  暫定基準値は当該汚染地区からの避難が完了するまでの間、飢え死にする
 ことを防ぐための緊急避難的な数値である。当該汚染地区外にまで適用する
 ことや、既に半年を経過した今も「暫定」期間とすることには無理がある。
 いたずらに引き延ばすことは許されない。
  また、この緩い暫定基準値こそが、汚染農水産物やその加工食品を生産し、
 拡散させる原因となっており、直ちに暫定基準値は撤廃されなければならな
 い。
  私たちは、すべての国民に、暫定基準値を適用しようとすることが無意味
 ・無効であることを宣言する。

9.外部被ばくと内部被ばくの積算について
  私たちが受ける放射線量は体内に摂取される飲料・食品・呼吸吸入される
 ダストなど、いわゆる内部被ばくと外部被ばく線量の総量と理解されるべき
 である。
  食品などの暫定基準値は年間摂取量を計算して、年1ミリシーベルトから
 空間放射線量を減じた数値以内に設定されるのは自明のことである。
  現行の500ベクレル/kgと200ベクレル/kgの暫定基準では、年間
 17ミリシーベルト~22ミリシーベルトに積算されるとの見解があり、撤
 回されたはずの20ミリシーベルト/年基準に対応するものであり、認めら
 れない。
  (例えばドイツ放射線防御協会による「日本への提言」では、0.3ミリ
 シーベルト/年を基準に食品を「大人8ベクレル/kg、子ども4ベクレ 
 /kg」としている。)

10. 汚染された農水産物について
  少しでも放射能に汚染された農水産物を「放射能汚染農水産物」と呼び、
 「低レベル放射性廃棄物」のひとつとする。
  低レベル放射性廃棄物は、発生原因者東京電力によって回収され再度の環
 境汚染を防止するため密閉処理・管理されなければならない。その場合、東
 京電力は、放射能汚染農水産物を適正な生産者価格で買い取り補償しなけれ
 ばならない。

11.他者に汚染を拡大しない義務と責任について
  線量の大小にかかわらず放射能汚染農水産物が生じたとき、あるいは放射
 能汚染農水産物が生じるおそれのあるとき、生産者は自らの判断で生産を中
 止する「食べ物」生産者としての責任を持つ。
  福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染被害物のすべ
 て、および、汚染が予測されての生産休止による操業損害は、東京電力が損
 害賠償しなければならない。

12.販売供給者の義務と責任について
  福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染農水産物とそ
 の加工食品は、販売供給されてはならない。
  その線量の大小にかかわらず、低レベル放射性廃棄物は、市民に対する加
 害物質であり、その供給は、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予
 備行為に他ならない。

13.汚染された農水産物や瓦礫の拡散について
  農水産物に限らず、放射能汚染された瓦礫・土壌などの移動は汚染の拡散
 であり、一切認められない。
  すでに福島第一原子力発電所敷地外へ放散された放射性物質及びその付着
 物は発生原因事業者東京電力の責任で回収されるべきである。
  上記瓦礫をはじめ、表土や上下水汚泥、焼却灰・スラッジ・腐葉土・堆肥
 等は、放射性廃棄物として回収され、発生地である福島第一原子力発電所敷
 地内に戻され、再度の汚染原因にならないように密閉処理・管理されなけれ
 ばならない。

14. 放射能汚染農水産物の産地偽装や希釈的な拡散について
  さらに、市民の正常な判断を妨げる産地ロンダリングは禁止されなければ
 ならない。
  東日本の産地県の生乳を、地域を越えて運搬し、遠方府県乳業工場で産地
 県を明かさずに製造販売していることが、名神自動車道滋賀県内瀬田での生
 乳タンクローリー車横転事故ではからずも発覚した。
  また、東北地方太平洋岸漁場で捕獲された水産物を静岡県や三重県などの
 遠隔県漁港で水揚げする、という例もある。
  正当性のない暫定基準値であればこそ、放射能に汚染された食品を家族に
 食べさせたくない、食べたくないとする市民が、食品危険度の判断をするた
 めに、産地は正確に表示されなければならない。

15.汚染数値の公開について
  当然、現行「暫定基準値」以下の汚染数値も、1桁ベクレルまですべて公
 表されなければならない。地方自治体などの公共団体による測定は、ゲルマ
 ニウム半導体検出機などを使用し、精緻な検出レベルを保証しなければなら
 ない。
  また、その検出の必要性が今回の福島第一原発の放射性物質に起因する場
 合、その検出検査料金は東京電力に請求されるべきであり、市民・生産者・
 取扱い販売者に負担させてはならない。


  以上のことを私たちは真剣に討議し、ここに宣言することにしました。
 これらは決して難しいことではなく、子どもや子どもを守りたい大人には、
 とても明快なことです。
 今回の福島原発事故の問題は、本当は意外にシンプルです。
  永遠に未熟な技術を振り回し、多くの人々を傷つけ、生命の危険にまで
 追いやっています。
  まだそれは目に見える形では現れていないかも知れませんが、やがて
 は誰もが知ることになるでしょう。
 原子力に関わる人達が小賢しい理屈で問題を複雑にすり替え、当然
 にとらなければならない責任を有耶無耶にしようとしているだけなのです。

  私たちは、今もっとも危険なところにいる人々に、「早く逃げろ!」と大声
 で叫びたいのです。
  その危険にさらされている人々を一番に助けなければならない者たちが、
 他人事のように傍観していることが許せないのです。

  そして、さらに私たち自身もまた、放射性物質で汚染させた農水産物を
 生産してしまったり、それを他人様に間違って食べさせてしまったりする
 ことを恐れているのです。
  そのような意味で、福島第一原発から放散された放射性物質への重い
 不安感は、人々すべてに分かちあわれてしまっています。
 

  さて、私たちはこの宣言を踏まえて、「3.11福島原発放射能放散事件」
 から人々の「いのち」を守る「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」
 を結成し、人々の「いのち」と「たべもの」の 安全を守るためのあらゆる提言、
 運動を行うことを確認しました。
  すべての市民の皆様に、私たちの「ネットワーク」への連帯とご賛同をお願
 いします。 
          「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」(準)
                                  以上

 

 

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