佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

シンポジウム「脱ダムと環境重視の時代」

2009-05-31 | 石木ダム

二日連続で川棚町へ。

今日は、川棚町公会堂での「強制収用は許さない」5・31集会に参加。
シンポジウム「脱ダムと環境重視の時代」でどんな話が聴けるか、期待してやってきました。




会場はほぼ満席。報道によると約500人だったとか。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20090601/02.shtml
やはり脱ダム宣言の田中康夫新党日本代表、参院議員、元長野県知事の講演を聴くためかな?





まずはじめは、治水の専門家、京都大学名誉教授の今本博健氏
昨年の9月以来3度目の川棚訪問です。

前回、前々回同様、石木ダムは、治水面での必要性は全くないと断言。

その根拠は、石木川の流域面積は川棚川全体の9分の1で、洪水調節効果が限定的であること、川棚川および石木川の流下能力は、ダムを造っても、その計画高水より小さいところがあり氾濫を防げないこと等を具体的な数値で示された。

一般的な治水論としては、これまでのダムによる治水は一定限度の洪水にしか対応できなかった、つまり想定外の洪水が発生すると調節不能、堤防は破堤し、その結果、一部の地域に壊滅的被害を招いてきた。これからの治水は、堤防の補強や警戒避難システムの確立など、すぐにでも実行可能な対策を積み上げることが大切。一部の地域に被害を集中させるのではなく、流域全体で洪水を受け止める姿勢が必要。

また、ダムによる環境への影響を考えると、もうこれ以上のダムは造るべきではない。
洪水氾濫による被害を急速な水害とすれば、
ダムによる環境破壊の被害は緩慢な水害である。

最後に締めくくりとしてスクリーンに映し出された文字は、データではなく、地元の反対住民への熱いメッセージでした。





続いて、大阪府立大学名誉教授の荻野芳彦氏によるお話、「利水の専門家から見た石木ダム事業の問題点」

荻野氏によると、「佐世保の水は足りている」として、利水目的でもダムは必要なしとの見解。
その根拠は、将来の水需要予測がすべて過大設定となっていること、
慢性的水不足を宣伝しながら漏水対策に力を入れず、大量の水を無駄にし続けていること、
また、そもそも石木ダムの利水容量の決定が、実測データに基づいていないかあるいは公表されてないので、その妥当性に疑問があることなど。

さらに、佐世保市は「不安定水源」という表現をして、今ある不安定水利権3万m3を放棄して、新たな水源を設けようとしているが、これはダムを造るために全国的にやられている手法。
現在あるものを使えばいいのだ。不安定水利権も何年か経過すれば安定水源に切り替えるべき。そうすれば、現在の日量107,000m3が安定水源となり、新たな水源は必要ではなくなる。

との観点から、「石木ダムは白紙撤回が妥当」との結論を示されました。




最後に田中康夫氏登場。
持ち時間をオーバーして熱く語って下さったけれど、残念ながらダムの話は少なく、物足りなかった…。
きっと選挙前ということで、代表を務める「新党日本」の政策を伝えたかったのでしょうか。
ご自身のプロフィールから始まって、長野県知事時代にやってきたこと、日本の現状と様々な問題点、それらをどう打開していくか等々、早口ながら歯切れよく解りやすく、ユーモア&ブラックユーモアも交え、多岐に亘った講演でした。
とは言うものの、脱ダムの元県知事、その政策の中にはしっかりと「脱ダム」の文字がありました。



ダムに関するお話としては、ダムが環境に悪いからダメなだけじゃなく、ムダな公共事業の代表であり経済を悪くする要因としての問題を力説された。

脱ダムと共にやることとして、森林整備が大切である。
森林整備を充実させれば洪水が防げ、森の保水力が高まるので豊かで美味しい水が供給される。
それは農業を豊かにし、河口で採れる漁業をも豊かにする。
また、森林整備は山間部の人々の雇用を創出し過疎化を防ぐ。
そういう視点から、知事時代には森林整備の予算と面積を3倍に増やした。

ところが、林野庁の年間予算はわずか3700億円(八ッ場ダム1基分よりはるかに少ない)
しかもその予算の中で森林整備に投じているのは僅か8%で、残り92%は林道建設などの公共工事に充てられている

(知らなかったなぁ。。これでは、日本の森林はお先真っ暗です・・・)

公共工事は本当にムダなものが多い。
中でも、橋とダムとトンネルは走り出したら止まらない。
いったん工事に着手すると、終わるまで走り続けなければならない。
例えば、トンネルを造っていて地盤に問題が見つかっても止めるわけにはいかない。止めたら入口から山が崩れてくる。
だから補正予算を組んで新たな措置を講じながらでもやり遂げなければならない。
ダムなどは補正に補正を重ね、当初予算の10倍から20倍になったりする。
(ホント?!俄かには信じられない数字です)
だから、橋・ダム・トンネルを私は補正3兄弟と呼んでいる。

なぜ地方は公共事業をやりたがるのか?
ハコモノ公共事業には国の負担割合が大きいから。
例えばダムを造る時、国が7割、地方が3割の負担となっている。
しかし、そのダム工事をやるのはほとんど東京に本社のある大手ゼネコン。地元の企業には2割程度しか還元されない。3割出して2割戻る。
こうして、大型公共事業は地元を疲弊させていく。

新たなダムを造るよりも、今あるダムの浚渫や施設の改修工事、河川の護岸などをすることによってダムに代わる有効な対策が立てられるし、その方が地域経済の活性化につながる。

さっき現地を見てきたが、石木はダムの適地ではない。
だいたいダムというのはV字形の地形のところに造られるもの。
あそこはまるで、「大草原の小さな家」のようじゃないか。
あんなところに、硬いコンクリートのダムを造ったら、崩れてしまうんじゃないかとそれも心配だ。

などなど・・・脱ダム宣言元知事の指摘は興味深い。
時間切れで十分聞けなかったのが残念。
いつか今度は佐世保に来て、観て、語ってほしい。

田中さんが佐世保市長であったなら、佐世保の水問題にどう対応するのか?
市民を納得させる具体的な政策を、ぜひ聴かせてほしいナ。




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ホタル祭り

2009-05-30 | 石木ダム

今日は待ちに待った石木川の"ホタル祭り"

実は待ちきれなくて5日前に既に下見、ホタルの飛ぶ幻想の世界はちょっぴり体験済み。
でも、"ホタル祭り"は未体験。
友人の話によると、毎年美味しい手料理やアルコール類も出され、地元バンドによるライブ演奏もあるらしい。(今年はライブはなかったが)

私たち「水問題を考える市民の会」はけっして<花より団子>系ではありませんが(?)、
あえて言えば<花も団子も>系でありまして…運転手のなり手がありません。

そこで、佐世保から川棚までは電車に乗り、川棚駅から会場までは9人乗りのジャンボタクシーというものを利用。(近くにはバスも通っていませんから)
帰りも電車の時刻に合わせて迎えに来て頂き、たいへん便利で経済的な乗り物でした。

会場に着いたのは6時頃。
テントの中では、地元の方々が一生懸命準備をなさっていました。

まだお客さんはまばらです。
こどもたちが集まってるテントがあったので覗いてみたら、金魚すくいの準備中でした。




そのうち、あちこちのテントから美味しそうな匂いが漂ってきました。

おでん、鶏のから揚げ、焼きもろこし、焼きそば、ホタル団子(皮はジャガイモでできている)、イノシシのスペアリブ、山菜の煮物、山菜おこわ、お赤飯、おもち、生ビールに焼酎等々。
フライドポテトやコロッケなどは揚げたてで熱くて持てないくらい・・・。

涼しい夕風に吹かれながら、美しい緑とカエルの合唱に包まれて食べると、美味しさもますますアップ!話も弾みます。



マムシの焼酎漬けや干マムシ!
黄門杖やシュロで作った蠅たたきなど、珍しい物も・・・




お腹も心も満たされたころ、あたりはやっと暗くなり・・・みんな川岸に移動。

「わぁー」「きれい・・・」そんな声があちこちであがり、近視の私はくやしい気分。
少しでもホタルに近づこうと、暗くて狭い川沿いの道を行きました。
バランスを崩して右へ倒れたら水田にドボン、左へ倒れたら3、4m下の川にドボン、
こちらは石もゴロゴロしてるので大怪我まちがいなし、倒れるわけにはいきません。
足元に注意してへっぴり腰で進みます。

やっと私にも見えてきました。
先日よりもたくさんのホタルが、目の前でゆっくり点滅しています。
まるでクリスマスツリーのようです。
点いたり消えたり、ふーわりふわり・・・。

誰もがしばし言葉もなく見入っていました。

すると、友人が私の手の中に1匹のホタルを入れてくれました。
ホタルは手のひらの上で点いたり消えたりしています。
とても明るい灯りです。
ほんとに昔の人はホタルの光を集めて勉強したのかも…と思えるくらいです。
どうやってこんなに明るく光ることができるんだろう?
両手を丸く閉じると、光った時に手のひらにかすかに温度を感じます。温かい…。

また、そのホタルは、手を広げても振っても飛んで行かないのです。
以前読んだ童話「飛べないホタル」を思い出し、なんだか愛おしくなりました。

3年ほど前は、まさに群舞と言えるほどたくさんのホタルが飛び交い、
両手にまとわりつくほどだったとか・・・。
少なくなったのはなぜ?
エサとなるカワニナが減った?自然の護岸が減って棲みかが失われた?水質汚染?
いずれにしても、それは私たち人間のせい。
もし、石木ダムができたら、石木川のホタルたちはどうなるんだろう?

この美しい命の瞬きを奪ってまで造る価値のあるものだろうか、ダムは?


デジカメではホタルの灯りは撮れなかったけど、その光景は脳裏にしっかりと撮影保存してきました。

来年も再来年もずっと見に来たい。
見に来れますように・・・。




 

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ノアム・ハユットさん来日

2009-05-29 | 平和

【 SIGLO NEWS  第132号 】 を転載いたします。

                                         
                              

 ノアム・ハユットさん(元イスラエル軍将校、NGO「沈黙を破る」メンバー) 来日!
緊急報告会&劇場舞台挨拶開催!!


イスラエル社会が占領の実態に向き合うことを願い、
占領地での虐待、略奪、一般住民への殺戮等の加害行為を訴え続けるNGO「沈黙を破る」。
昨年末から今年2月までのガザ攻撃に参加した兵士たちの証言を新たに収集し、
その活動はイスラエル国内だけでなく、欧米メディアも注目しています。
その「沈黙を破る」メンバーであり、自身も元イスラエル軍将校として兵役に就いたノアム・ハユットさんが来日されました。東京・京都・大阪ではノアムさんをお迎えしてイベントを行います。ぜひご来場下さい。

▼ノアムさん来日記念イベント情報

○東京
5月30日(土)ノアム・ハユットさん来日・緊急報告会
 ◎会場 明治大学・リバティータワー1001号室
 ◎時間 14:00~16:30(予定)/開場 13:30
 ◎参加費 1,000円(資料代)

5月31日(日)劇場舞台挨拶
 ◎会場 ポレポレ東中野(
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
 ◎時間 10:20の回上映終了後

○関西
6月1日(月)京都シネマ、第七藝術劇場来場
★京都シネマ(
http://www.kyotocinema.jp/):舞台挨拶
 ◎時間 12:10の回上映終了後

★第七藝術劇場(
http://www.nanagei.com/):来日報告会
 ◎時間 18:30~20:10(予定)
 ◎参加費 500円(資料代)


▼『沈黙を破る』上映情報

★東京・ポレポレ東中野(
http://www.mmjp.or.jp/pole2/)公開中
 ◎上映時間:10:20/18:30 ※5/30(土)~6/12(金)
 ◎料金 当日一般=1,700円/前売り=1,300円

★京都・京都シネマ(
http://www.kyotocinema.jp/)公開中
 ◎上映時間:12:10 ※5/30(土)~6/5(金)
       18:30 ※6/6(土)~6/12(金)
  ※6/13(土)以降のスケジュールは劇場HP↓をご確認下さい。
     
http://www.kyotocinema.jp/schedule.html
 ◎料金:当日一般=1,500円

★大阪・第七藝術劇場(
http://www.nanagei.com/) 公開中!
 ◎上映時間:14:10 ※5/30(土)~6/5(金)
                     ※6/1(月)のみ15:40
       12:15 ※6/6(土)~6/12(金)
  ※6/13(土)以降のスケジュールは劇場HP↓をご確認下さい。
     
http://www.nanagei.com/
 ◎料金:当日一般=1,500円

★岡山・シネマ・クレール丸の内↓6月13日(土)より
     
http://www.cinemaclair.co.jp/
 
★名古屋・シネマテーク↓6月27日(土)より
     
http://cineaste.jp/


以上、取り急ぎ、情報提供です。


ついでにこちらも・・・ミスチルの曲に乗せて流れる衝撃の映像とメッセージ。


http://www.youtube.com/watch?v=1aWkKw_fO6k&feature=related



カンボジアのストリートチルドレン、ゴミ山で暮らす人々、少年兵、児童労働、人身売買…

映像の途中でメッセージが流れる。

みなさんは知っていましたか?と。

なんて答えよう・・・

答える必要などないのに、
授業中急に指された生徒のように、ドギマギしてしまった。

その映像に似た光景は、テレビや映画で見ていたし、語られる情報も以前どこかで聴いていた。

でも、今の今まで忘れていた。何も考えてなかった。

それで知っていたと言えるのだろうか?

メッセージの最後は・・・

マザーテレサは言いました。『世界には2つ貧しい国がある』

一つは、物質的に貧しい国  『インド』
そしてもう1つは・・

世界がこれだけ困っているのに 
無関心でいる  『日本』


マザーテレサが本当にそう言ったのか、私は知らない。
インドより貧しい国は世界中にたくさんあるし、
無関心なのは日本だけじゃないだろう。

それでも、この言葉は、私の中にある貧しさを気づかせてくれました。

 

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沈黙を破る

2009-05-25 | 平和

「SIGLO NEWS 第140号」が届きました。

『沈黙を破る』の上映と、その映画に出てくる元イスラエル軍将校、ノアム・ハユット氏の来日決定を知らせる内容でした。

もちろん、ここ佐世保では彼の話を聴くことはできないし、上映の予定も今のところないようです。
そのうち福岡あたりにはやってくるでしょうから、その時には観たいと思いました。

その内容は・・・

2002年春、イスラエル軍のヨルダン川西岸への侵攻作戦のなかで起こったバラータ難民キャンプ包囲とジェニン難民キャンプ侵攻。
カメラは、2週間にも及ぶイスラエル軍の包囲、破壊と殺戮にさらされるパレスチナの人びとの生活を記録する。

同じ頃、イスラエルの元将兵だった青年たちがテルアビブで写真展を開く「沈黙を破る」と名づけられた写真展は、“世界一道徳的”な軍隊として占領地に送られた元兵士たちが、自らの加害行為を告白するものだった。
占領地で絶対的な権力を手にし、次第に人間性や倫理、道徳心を失い、“怪物”となっていった若者たち。
彼らは、自らの人間性の回復を求めつつ、占領によって病んでいく祖国イスラエルの蘇生へと考えを深め、声を上げたのだ。

監督は、ジャーナリストとして20数年にわたりパレスチナ・イスラエルを取材してきた土井敏邦。
数百時間にも及ぶ映像を、長編ドキュメンタリー映画として完成させた本作では、イスラエル軍がパレスチナ人住民にもたらした被害の実態と共に、“占領という構造的な暴力”の構図を、人びとの生活を通して描き出している。

時に絶望的に見える抑圧をしたたかに生き抜くパレスチナの人びと、そして、「祖国への裏切り」という非難に耐えながらも発言を続けるユダヤ人の若者たちの肉声は、「パレスチナ・イスラエル問題」という枠を越え、人間の普遍的なテーマに重層的に迫る。


「沈黙を破る」とは、映画の題名であると同時に、占領地に赴いた経験をもつ元イスラエル将兵たちによって作られたNGOの名前そのものであり、また彼らが2004年に開いた写真展「沈黙を破る−−戦闘兵士がヘブロンを語る」のタイトルでもあったわけです。

自らの加害行為を告白することの辛さ、しかもイスラエル国内で声を上げることの苦悩、
それを想像するとき、まさに「沈黙を破る」ことの深さが伝わってきます。

NGOのメンバーは20代の青年たちが中心となっていて、大きな反響を呼んだ写真展の後も、数百人の証言ビデオを収集し、メディアや講演、ウェブサイトを通じて国内外に占領の実態を訴え続けているといいます。

同じような話を、アメリカの元兵士、ベトナム帰還兵のアレン・ネルソンさんやイラク帰還兵のエイダン・デルガドさんの講演で聴きました。
また、イラク米軍脱走兵のジョシュア・キーさんの本にも同じようなことが書かれていました。

戦場や占領地では、人としての資質が失われ獣のようになっていくのでしょう。
『沈黙を破る』では、「考えるのをやめたとき、僕は怪物になった」という言葉が出てきますが、
戦場や占領地では、いえ、軍隊そのものが「考える」ことを認めない場なのではないでしょうか。

「人間は考える葦である」とパスカルは評したけれど、その人間が考えることを止めたとき、弱い一本の葦にさえもどれない・・・強力な武器を手にしてしまったから。
弱いがゆえに攻撃的になり武器に頼る、そして、破壊を繰り返し自らも破滅するのか。。


来日するというノアム・ハユット氏の言葉は、占領の意味をとてもわかりやすく教えてくれました。

「私は、その朝の光景を今でも思い出します。軍のブルドーザーがオリーブの木々を全部破壊した後に、80歳ほどの老人が50代の息子そして孫たちと破壊された畑にやってきました。その前夜にすべてのオリーブの木々が破壊されてしまったことを、この家族はまったく知りませんでした。畑の木々が切り倒されるということが農民にとってどれだけ辛いことか、農村出身の私にはそれがわかっていました。そのオリーブの木々はその老人の父親か祖父が植えたものなのでしょう。それは単に日々の糧を得るためのものではなく、彼らの“人生”そのものを失うことだったのです。イスラエル国民はラジオで『イスラエル軍が入植者の通行する道路の安全を確保した』というニュースを聞くことでしょう。それは理屈にかない、道徳的にも何の問題もないように聞こえます。しかし、それはパレスチナ人の生活を破壊することだったのです。これが、“占領”とは何かを私が実感する最初の体験でした」


また、「沈黙を破る」顧問のラミ・エルハナンさんはこう語っています。

「イスラエル国民が理解できないでいることは、占領地の350万人のパレスチナ人を制圧し、片隅に追いやり、どんどん押し込んでいけば、彼らは噛み返すということです。それは世界中のどの歴史にも共通する普遍的な事実です。そんな彼らを『テロリスト』と呼ぶ人もいれば、『自由の戦士』と呼ぶ人もいる。どんな名前で呼んでもいいのです。しかし、それが現実なのです。
彼らは『テロリスト』かもしれない。同感です、テロリストが私の娘を殺したのですから。ではそのテロリストにどう対応するのか。テロリストを完全に消滅できたという実例があるのなら、一つでも見せてほしい。彼らの自由への願いを消滅できたというような、喜んで占領を受け入れているというような実例をです。ではそのテロリストとどう闘うのですか。どうすることが“賢い”闘い方なのでしょうか。すべての争いの解決には、結局、話し合うしかないのです。ハマスであろうと、PLOであろうと、敵と話し合いをするしかないのです」


賢い戦い方とは、敵と話し合うしかない・・・すべての国の指導者たちに伝えたい言葉です。


 


 



 

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母のうた 2

2009-05-22 | 佐世保・長崎

2月に紹介させていただいた藤川幸之助さんの詩を再び・・・

毎月1回長崎新聞に掲載されています。
いつもそうですが、昨日の詩は特に一人で読むにはもったいなくて、誰かに伝えたくなりました。


    領収証

父は
おしめ一つ買うにも
弁当二つ買うにも
領収証をもらった
そして
帰ってからノートに明細を書いた
 「二人でためたお金だもの
 母さんが理解できなくても
 母さんに見せないといけないから」
と領収証をノートの終わりに貼る父
そのノートの始まりには
墨で「誠実なる生活」と父は書いていた

私も領収証をもらう
そして母のノートの終わりに貼る
母には理解できないだろうけれど
母へ見せるために
死んでしまったけれど
父へ見せるために
アルツハイマーの薬ができたら
母に飲ませるんだと
父が誠実な生活をして
貯めたわずかばかりのお金を
母の代わりに預かる
母が死んで
父に出会ったとき
「二人のお金はこんな風に使いましたよ」
と母がきちんと言えるように
領収証を切ってもらう

私はノートの始めに
「母を幸せにするために」
と書いている

 

 

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お知らせ3つ

2009-05-20 | 佐世保・長崎

<うたごえ喫茶>

とき   5月24日(日) PM1:00~3:30
ところ  烏帽子岳「風と星の広場」(終点バス停そばの広場)
参加費 無料(ただし、美味しいトン汁は100円です)

今年2回目のうたごえ喫茶です!
喫茶といっても、コーヒーではなくトン汁です!?
屋根はなく青天井です。
緑と陽光と薫風の中で、思いっきり声を出して歌ってみませんか。
小鳥もいっしょに歌ってくれるかもしれません。もしかしたらイノシシも・・・???


<ホタル祭り>

とき   5月30日(土)  夕方~夜
ところ  川棚町川原郷 「こうばる広場」

虚空蔵山から湧き出る清流石木川に生息するホタルを見に行きませんか?
暗くなる前にはお楽しみもありますよ。


<シンポジウム>

脱ダム宣言の田中康夫氏が石木ダムを斬る!

とき   5月31日(日) PM2:00~5:00
ところ  川棚中央公民館
資料代 300円

パネラー : 今本博健(京都大学名誉教授、工学博士、淀川水系流域委員会元委員長)
       荻野芳彦(大阪府立大学名誉教授、淀川水系流域委員会元委員)
       田中康夫参議院議員(新党日本代表、元長野県知事)

どんなお話がきけるか、楽しみです。。

 

 

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お知らせ

2009-05-16 | 雑感
対話って難しいですね。

本当に、私は対話をしたいと今も思っています。
改憲派の人や、日米安保賛成の人や、原発推進の人などと。

でも、感情的な、あるいは中傷的なコメントが舞い込むようになって、とても戸惑いました。

そういう人たちとどう向き合ったらいいのかわからないままブログを書き続けるのが、
かなりしんどくなりました。

すべてのコメントを拒否するのが一番フェアーなのだと思います。
でも、皆さんの思いも伝えたいし情報を得る機会も失いたくなくて…

これからしばらくの間、コメントに関しては事前承認に設定変更しました。
コメントを入力して頂いても、その場ではブログ上に反映されません。
私がブログの編集画面を開いてそのコメントを承認して初めて、その公開が可能になります。
なるべく早く公開できるようこまめにチェックはするつもりですが…

今日から2日間、留守にします。
こういうときもあり、その際は公開が遅れることとなり、大変申し訳なく思います。

どうぞお許しください。






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人文字フェスタ

2009-05-10 | さよなら原発

         5.10さが
 ストップ!プルサーマル 人文字フェスタ




真夏のような太陽の下で、ゲストスピーカーの話に耳を傾ける人々。

会場の「どんどんどんの森」は、名前とはうらはらに、木が少ない・・・
多くの人が端っこにある木々の下のわずかな木陰で聴いていました。

理学博士の藤田祐幸さん、「グリーンアクション」のアイリーン・スミスさんに続いて、「六ヶ所村ラプソディー」の鎌仲ひとみ監督登場。

いつものように歯切れよく、わかりやすく、また和やかな口調で、いまの六ヶ所村再処理工場のことを語って下さいました。


再処理工場には、高レベルの核廃液がたくさん溜まっていて、それをガラスと混ぜて固めようとしているんです。

ところが、混ぜ込んでいたら、詰まっちゃった。
そこで、棒をつっこんでかき混ぜていたら、棒がひん曲がっちゃった。

なにしろ高濃度の放射能が充満しているところなので、誰も入れないし近寄れません。
だから離れたところから遠隔操作しています。
その棒が建屋の天井を傷つけたらしく警報が14回も鳴ったのに、誤報か?と無視しました。

また、配管から廃液が漏れているのが見つかり、それも遠隔操作で処理しましたが、
漏れた量は150リットルで、回収できたのは20リットル、残り130リットルは建屋に充満しています。
そして、監視カメラは止まりました。

建屋の中の溶融炉の寿命は5年ですが、もう3年半が経過してます。
どうすることもできず、再処理工場は立ち往生しています。
このままスクラップになるでしょう。

これを造るのに2兆8500億円が使われました。
後始末に19兆円かかるだろうと言われてましたが、このぶんではもっとかかりそうです。

なのに、プルサーマルをやって、第2の再処理工場を建てようとしています。
それでいいんですか?


・・・・・よくないよ。 
大枚はたいて大きなリスクをしょって・・・そんなこと誰が、どうして、望むんだろう?


リレートークの後、いよいよ人文字づくりの始まりです。
受付時に渡された文字の場所に移動します。
私は「MOX」の「O」でした。

その場所に行ったら、たまたまお隣にいた方の衣装?が素敵だったので、了解を得て写真を撮らせていただきました。

本物の蓑に菅笠スタイル。
「いらん プルサーマル」と書かれた幟はゴザでした。



若い女性のファッションも素敵です。
なんてキュートな腰巻!

皆さん、楽しんで意思表示をやってますね~。いいですね~。

3時前には、上空にたくさんのヘリが旋回。
マスコミが撮影してくれてます。
セスナ機もやってきました。
みんなで手を振りました。

うまく字がかけたでしょうか。翌日の新聞を見るのが楽しみです。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1261734.article.html





さて、最後はデモ行進。県庁へ向け出発です。






明るく盛り上がる若者たち。

そして、若いパパやママ。未来のことを一番心配している人たちなのかもしれません。
愛するこどものために、プルサーマルはぜったい止めたい!と・・・

 

 

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憲法記念日

2009-05-04 | 平和

去年の今日、5月4日は、千葉の幕張メッセで開催された「9条世界会議」に参加して、感動に胸を熱くしていたっけ・・・

ノーベル平和賞受賞者をはじめ国内外からたくさんの9条支持者が集い、その意義を再認識することができました。
そして、憲法に謳っていることと現実は大きくかけ離れているけれど、決してあきらめることなく、現実を憲法に近づける努力を続けたい、同じ思いの人々がこんなにいっぱいいるんだもの、大丈夫!
と、希望や勇気がいっぱいあふれてきました。

けれど、この一年の国の動きは、私たちの希望をどんどん小さくしていきました。
テロ対策だとか海賊対策だとか大義を掲げ、自衛隊の海外派遣を増やし続け、国民は馴らされてゆき、このままではいつか近いうちに「ふつうのこと」になりそう…

隣国が「人工衛星」を打ち上げると発表すると、弾道ミサイルだとして大騒ぎ、止めなければ経済制裁だ、万一の場合は撃ち落とすと迎撃ミサイル発射準備・・・

「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という9条の条文は全く無視ですね。。


その大騒ぎも私たちはすぐに忘れてゆき・・・今は新型インフルエンザの情報に戦々恐々としている毎日です。

そんな中の今年の憲法記念日。ここ佐世保では、大きなイベントもなく静かに過ぎていきました。

私は、「九十九島スリーナイン」(九十九島9条&99条の会)が主催した講演会に出かけました。

その中で特に心に残ったのは、元特攻隊員だったTさんのお話です。

16歳の時志願して予科練、三重海軍航空・奈良分遣隊へ入隊。
そこには13,000人もの若者が日々基礎訓練に励み(中には「訓練」と称する暴力に耐えかねて自殺する者もいたという)、その後、特殊潜航艇「蛟竜」に配属されたそうです。
空からにしろ海からにしろ、「特攻隊とは生きる権利を否定された軍隊だった」と言われるが、
それは特攻隊だけではない。戦没者に対する餓死者の割合を知れば、それは明らか・・・と示された数字を見て驚きました。

戦没者2,121,000人中、餓死者1,276,240人。 60.1%も!
フィリピンでは80%、東部ニューギニアでは実に89.9%もの兵士が餓死しているのです。

今の日本でも、昨年から急激な経済悪化の中で犠牲を強いられている非正規労働者の中には、
職・住を奪われ食事にも事欠く人々がいますが、それに対する政府の無策を思うとき、
今も昔も同じなんだなぁと感じてしまいます。(憲法9条だけでなく、25条も現実と乖離した条文になってしまいました)

Tさんが軍隊に志願した頃の時代背景として、軍国教育についても語ってくださいました。

教育勅語や御真影、教練などの様々な教えの中で、国に尽くすことが当たり前の時代。
旧制中学時代、各クラスから数人は軍隊に志願する生徒がいたそうです。
ところが、Tさんのクラスではそれまで誰も志願していない。ゼロだった。
すると、配属将校が職員朝礼の時にその担任を非難し、非国民の汚名を着せられたくなかった先生は生徒に志願を勧めていった・・・戦後、先生はTさんにそう語ったそうです。

教師として、人として、どんなにつらい記憶だろう…と思います。
教え子を戦場に送るな」というスローガンはいろんな本や資料で目にしてきましたが、
その言葉の重みを初めて実感しました。

Tさんが予科練に志願したとき、校長からおくられた訣別の辞は次のようなものでした。

     諸君は選ばれたる日本の勇敢なる戦士である。
     一切の私事を忘れ去り、かしこくも天皇陛下のため尽忠報国の誠を尽くすことこそ、
     諸君たちの大いなる使命である。
     それ故にこそ、君たちの体は君たちの体であって、君たちの体ではない。
     入隊するまでのあと三日間は、君たちの体に蚤一匹からも嚙まれてはならない。


命長らえるという生きる権利も、自分が自分として生きる権利も認められないような時代には決して後戻りしたくない・・・

 

 

コメント (7)
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