先週の土曜日にWOWOWで、「コールドケース」のファイナル・シーズンの放映が始まりましたが、その番組紹介の中で、久しぶりに「エモーショナル」という言葉を聞きました。『ヒッチコック/トリュフォー 映画術』の中でキータームとして使われていたこの言葉。最近私は使わなかったのですが、これを機に映画評でまた使っていきたいと思いました。
さて、ジャン=ピエール・メルヴィル監督・脚色の'55年作品『賭博師ボブ』をスカパーの洋画★シネフィル・イマジカで再見しました。
スタンダードの白黒の画面。「これより語るは、モンマルトルで起こった不思議な物語」のナレーションをバックに、モンマルトルの丘の上から霧に煙るパリの町をパンで撮影しながら、タイトル。
「この物語は、昼と夜の境目のつかの間、日の出前と薄明かりの頃に始まる。モンマルトルは天国と‥‥」というナレーションの後、ケーブルカーが降りて行く画像を挟み、「地獄を合わせた所だ。しばらくするとネオンが消え、異なる運命を持つ人々が行き交う。この清掃員のように仕事に遅れて急いで行く人。この若い女性のように何もすることがない人。年の割に大変ませている」のナレーションがあり、ここでアンヌ(イザベル・コーレイ)が朝のコーヒースタンドに群がる男たちに加わっていく様子が撮られる。「ボブの話をしよう。賭博師のボブ。伝説的な男であるが、まだ若さにあふれている」のナレーション。
過去には大きな犯罪に関与したこともありましたが、現在は地元の顔として賭博に明け暮れている、初老で貫禄十分のボブ(ロジェ・デュシューヌ)は、夜通しの賭けを終え、自宅に戻り眠りにつきます。マークからの無言電話で起こされたボブは、マークがリディアを強く殴ってしまったため、しばらく身を隠すための金を貸してほしいと言うのに対し、ヒモをしている男などに貸す金はないと言って追い返します。カフェで新しい女を物色しているマークを見つけたボブは、マークを追い払うと、マークが話しかけていた若くて美しい女性・アンヌに金を渡して、ちゃんとホテルで泊るように言い、彼女と別れます。
マークはリディアに暴行した件で警察署長(ギイ・ドコンブル)に引っ張られ、そのうち何か大きい事件の情報を得たら密告するようにと署長に言われてから釈放されます。
溜めていたホテル代を払いカバンに全財産を詰め込んで道を歩いていたアンヌと再会したボブは、彼女を自分の車に乗せ、貧しい身から現在へと至った自分の生い立ちを語ります。アメリカ人のギャングがボブの率いるギャング団のまねをしたことや、車を使った犯罪をボブが初めて考案したことを語る、ボブの仲間たち。
自分の旧友の息子で、今は何かと面倒を見てやっているポーロに対し、ボブはマークと組んで仕事をするなと強い口調で言うと、自分の部屋をポーロに貸してやり、アンヌとポーロに夜を過ごさせる一方、自分は仲間のロジェと競馬場へ行って大勝ちすると、その足でドーヴィルのカジノへ行き、有り金すべてをすってしまいます。(明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
さて、ジャン=ピエール・メルヴィル監督・脚色の'55年作品『賭博師ボブ』をスカパーの洋画★シネフィル・イマジカで再見しました。
スタンダードの白黒の画面。「これより語るは、モンマルトルで起こった不思議な物語」のナレーションをバックに、モンマルトルの丘の上から霧に煙るパリの町をパンで撮影しながら、タイトル。
「この物語は、昼と夜の境目のつかの間、日の出前と薄明かりの頃に始まる。モンマルトルは天国と‥‥」というナレーションの後、ケーブルカーが降りて行く画像を挟み、「地獄を合わせた所だ。しばらくするとネオンが消え、異なる運命を持つ人々が行き交う。この清掃員のように仕事に遅れて急いで行く人。この若い女性のように何もすることがない人。年の割に大変ませている」のナレーションがあり、ここでアンヌ(イザベル・コーレイ)が朝のコーヒースタンドに群がる男たちに加わっていく様子が撮られる。「ボブの話をしよう。賭博師のボブ。伝説的な男であるが、まだ若さにあふれている」のナレーション。
過去には大きな犯罪に関与したこともありましたが、現在は地元の顔として賭博に明け暮れている、初老で貫禄十分のボブ(ロジェ・デュシューヌ)は、夜通しの賭けを終え、自宅に戻り眠りにつきます。マークからの無言電話で起こされたボブは、マークがリディアを強く殴ってしまったため、しばらく身を隠すための金を貸してほしいと言うのに対し、ヒモをしている男などに貸す金はないと言って追い返します。カフェで新しい女を物色しているマークを見つけたボブは、マークを追い払うと、マークが話しかけていた若くて美しい女性・アンヌに金を渡して、ちゃんとホテルで泊るように言い、彼女と別れます。
マークはリディアに暴行した件で警察署長(ギイ・ドコンブル)に引っ張られ、そのうち何か大きい事件の情報を得たら密告するようにと署長に言われてから釈放されます。
溜めていたホテル代を払いカバンに全財産を詰め込んで道を歩いていたアンヌと再会したボブは、彼女を自分の車に乗せ、貧しい身から現在へと至った自分の生い立ちを語ります。アメリカ人のギャングがボブの率いるギャング団のまねをしたことや、車を使った犯罪をボブが初めて考案したことを語る、ボブの仲間たち。
自分の旧友の息子で、今は何かと面倒を見てやっているポーロに対し、ボブはマークと組んで仕事をするなと強い口調で言うと、自分の部屋をポーロに貸してやり、アンヌとポーロに夜を過ごさせる一方、自分は仲間のロジェと競馬場へ行って大勝ちすると、その足でドーヴィルのカジノへ行き、有り金すべてをすってしまいます。(明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)