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ドゥーガル・ディクソン&ジョン・アダムス『フューチャー・イズ・ワイルド』

2010-03-16 12:29:00 | ノンジャンル
 朝日新聞で紹介されていた、ドゥーガル・ディクソン&ジョン・アダムスの'03年作品「フューチャー・イズ・ワイルド 驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界」を読みました。現時点における最先端の科学の知識を元に、将来に現れるであろう生物の生態を想像した本です。
 著者はまず、地球科学者の助言を元に将来の大陸の形とその地形を予想し、次にそれから気候学者がその時点での気候を予測し、最後に多くの生物学者がその気候の元で繁栄するであろう生物の生態を予想しています。まず、500万年後。氷河期が訪れ、北アメリカとヨーロッパの北半分が厚さ3kmの氷河に包まれ、残されたツンドラ地帯には、哺乳類では大型のげっ歯類が生き残り(というのも、体が大きい方が体積当たりの体表面積が小さく、放熱量が減るから)、海には巨大なペンギンがアザラシらに変わって登場します。海水面が下がったことで内海化した地中海は干上がって塩とごつごつした石灰岩からなる平原になり、そこには網状のエリでハエを補食するトカゲや、雑食性のイノシシとそれを狙うイタチ、平原と化したアマゾンには、長い尾をピンと立てた上に、タテガミがある人面犬のようなサルの群れ、そして赤い矢が頭に円盤状に刺さっている巨大な飛べない鳥、乾燥した平原となった北アメリカの南部には、モグラ化してコロニーを作る無気味な鳥、体長1.3mの巨大コウモリらに支配されています。そして時代が進むと火山活動が活発になり、氷河時代は終わり、その時代を生き延びた生物たちが地球全体に広がっていきます。そして1億年後。今よりも温暖で海水面も今より100mも上昇し、北南極の氷はすべて溶けます。浅い海には巨大なフグのようなウミウシがゆったりと泳ぎ、何千もの個体が集まってヨットのような形で浮くクラゲや、それと共生関係にあるウミグモなどが見られ、広大な湿地帯には、陸上でコロニーを作るタコ、大型恐竜を上回る地球史上最大の生物となるカメ、北に移動して密林化した南極大陸には、4匹が集まって花を擬態する甲虫など多種類の昆虫と鳥類、雪のない高山地帯には、4枚羽の鳥、地上に唯一残された哺乳類である異形のネズミらが生きています。時代がさらに進むと相次ぐ火山噴火のために空気が濁り始め、地球は再び冷却に向かい、生物の大量絶滅が起こります。そして2億年後。七大陸が一つにまとまり、大陸中央部の砂漠地帯には、分業のためそれぞれが特化した体を持つシロアリのコロニーができ、背中の枝状の組織で植物を育てるゴガイ、ジャンプするカタツムリ、地下に住む異形の生物たちが存在する一方、海には、魚に代わって甲殻類の群れが現れ、肺呼吸をして空を飛ぶ魚、それを触手で捕らえる長さ20mの巨大イカ、光を発して仲間とコミュニケーションをとるサメ、大陸北部の熱帯雨林には、空飛ぶ魚や、体重8トンの地上を歩く巨大イカが現れるのでした。
 CGで描かれた生物はカンブリア期の生物のように異形のものが多く、それなりに面白かったのですが、文章は固く、私は途中から流し読みしてしまいました。翻訳がもう少し日本語としてこなれていたら、もっと楽しい本になったと思います。しかし異形の生物に興味のある方にはオススメです。

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