一昨日の続きです。
一昨日述べた看病体験記の中で、なるほどと思ったのは、
1、長生きのALS患者は、弱く衰えた自分をも愛せる、自由で柔軟な思考回路の持ち主であり、また自分の命を含めてどんなものの命も愛おしく感じることができるということ、
2、慢性疾患の患者と医師とのつきあいは、一つの物語を作るといってもよいほど長い経過をたどるので、医師はまるで小説家のように家族の歴史に関わり、登場人物それぞれに深い洞察力を働かせなければならないということ、
3、ALS患者の抱える問題としては、自分の体重のやり過ごし方、口を開けておくか閉めるかの決断、舌を噛まないようにする工夫、絶えまなく口から流れ出るよだれの処置、水分摂取量の調整などの問題があること、
4、動かぬ身体の彼らは常に、身体と身体、身体と物品、そして身体の拡張性を保障する機械のインターフェイスと身体に気を配っていて、その気配りを実行するのは介護者であること
5、身体介護は患者の皮膚に直接接触するので、計測した数値の分析などよりもはるかに多くの情報を得られ、本人に合った介護をするにはとても有効な情報源となりうること、
6、ALS患者の「自立」とは、患者が介護を受け入れる心構えを持つようになること、
7、ALS患者にとってはベッドによって上半身をわずかに起こす「ギャッジアップ」や体位変換も重要な運動であること、
8、「いつまでも同じ悩みが続くことはない」という、川口さんのお母さまの口癖、
9、厚い皮下脂肪は寝たきりになると体に優しいエアマットのように機能すること、
10、胃ろうは、使用者からすると極めて評判がよく、栄養を全身に行き渡らせることで患者の体力と気力の充実につながること(川口さんのお母様は、季節の野菜や果物を特に好まれていたとのこと)、
11、TLSになった後も、血圧や脈などで、本人が痛みや痒みを感じていのを知ることが可能であること、
12、ALS患者は、「過去に比べるといつでも今が最悪であり、また同時におそらく将来についても、いつでも今が最善であるので、毎日毎日が幸福の連続である」と考えることもできるということ、
13、また身体の牢獄の中でも内面はますます幸福と希望で満たされていく人たちも大勢いるということ、
などなどでした。
私は実際に今老人介護の仕事をしていて、利用者の中には胃ろうの方もいらっしゃるので、「目から鱗」といった話が多く、それらをこれからの仕事に生かせていけたらいいなと思いました。ということで、誰でも当事者になる可能性があるこの病気、知ってて損はないと思います。命ということを考えさせる本としてもオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
一昨日述べた看病体験記の中で、なるほどと思ったのは、
1、長生きのALS患者は、弱く衰えた自分をも愛せる、自由で柔軟な思考回路の持ち主であり、また自分の命を含めてどんなものの命も愛おしく感じることができるということ、
2、慢性疾患の患者と医師とのつきあいは、一つの物語を作るといってもよいほど長い経過をたどるので、医師はまるで小説家のように家族の歴史に関わり、登場人物それぞれに深い洞察力を働かせなければならないということ、
3、ALS患者の抱える問題としては、自分の体重のやり過ごし方、口を開けておくか閉めるかの決断、舌を噛まないようにする工夫、絶えまなく口から流れ出るよだれの処置、水分摂取量の調整などの問題があること、
4、動かぬ身体の彼らは常に、身体と身体、身体と物品、そして身体の拡張性を保障する機械のインターフェイスと身体に気を配っていて、その気配りを実行するのは介護者であること
5、身体介護は患者の皮膚に直接接触するので、計測した数値の分析などよりもはるかに多くの情報を得られ、本人に合った介護をするにはとても有効な情報源となりうること、
6、ALS患者の「自立」とは、患者が介護を受け入れる心構えを持つようになること、
7、ALS患者にとってはベッドによって上半身をわずかに起こす「ギャッジアップ」や体位変換も重要な運動であること、
8、「いつまでも同じ悩みが続くことはない」という、川口さんのお母さまの口癖、
9、厚い皮下脂肪は寝たきりになると体に優しいエアマットのように機能すること、
10、胃ろうは、使用者からすると極めて評判がよく、栄養を全身に行き渡らせることで患者の体力と気力の充実につながること(川口さんのお母様は、季節の野菜や果物を特に好まれていたとのこと)、
11、TLSになった後も、血圧や脈などで、本人が痛みや痒みを感じていのを知ることが可能であること、
12、ALS患者は、「過去に比べるといつでも今が最悪であり、また同時におそらく将来についても、いつでも今が最善であるので、毎日毎日が幸福の連続である」と考えることもできるということ、
13、また身体の牢獄の中でも内面はますます幸福と希望で満たされていく人たちも大勢いるということ、
などなどでした。
私は実際に今老人介護の仕事をしていて、利用者の中には胃ろうの方もいらっしゃるので、「目から鱗」といった話が多く、それらをこれからの仕事に生かせていけたらいいなと思いました。ということで、誰でも当事者になる可能性があるこの病気、知ってて損はないと思います。命ということを考えさせる本としてもオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)