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生物の多様性に危機迫る!

2008-06-02 15:49:50 | ノンジャンル
 今日の朝日新聞の朝刊に「種の豊かさ 迫る危機!」と題する記事が載っていました。「2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋開催に決まった。その足元、国内の生態系に危機は迫っていた。恐竜時代以来の大量絶滅が、本当に起きるのだろうか?」というショッキングな前振りから始まる記事です。
 記事を引用すると「『天然で残っているものは千匹以下だと思います」関西地方の渓流で、天然魚の調査を続ける奈良女子大学共生科学研究センターの佐藤拓哉・非常勤研究員が、1匹のサケ科の魚を捕まえた。
 30年ほど前までは珍しい魚ではなかった。生息環境の悪化や、ほかの地域からの放流魚の影響で絶滅の危機に陥った。「密漁の恐れもあり、調査対象の魚種や場所は明らかにできない」と佐藤さん。
 各地の渓流で、昔からいたイワナ、ヤマメなどの天然魚が姿を消している。見かけるのは養殖場育ちの放流魚ばかり。イワナとヤマメの交雑種も生まれ、「山を越えると外見が違う」という渓流魚たちの多様性が失われつつある。
 ひれに奇形がある魚が見つかったことがある。調査に加わる京都大学大学院の渡辺勝敏准教授は「固体数が減ったため、近親交配が増えた結果ではないか」とみる。(中略)
 種全体の遺伝的多様性が損なわれると、感染症への耐性は弱くなる。また、放流魚はわずかな環境変化に耐えられず、生きていけなくなってしまう危険性さえ潜む。
 都会のそばにも危機は迫る。横浜市青葉区にある谷戸。丘陵地の林に囲まれた谷間に小さな田畑があり、小川が流れ、昆虫や鳥が生息する。住民が散策する憩いの空間だ。
 この谷戸が広がる里山が、急速に姿を変えている。かつて、田んぼの横の小川にはドジョウがいた。だが、源流近くの小川には残るが、十数年前に中流から下は土が盛られ、水は地中に通した管を流れる。相続税を払うため、林や田畑を手放す地主もいる。業者に売られた土地は駐車場になるなど林は切り開かれていった。
 この谷戸を歩いて自然観察をしている『恩田の谷戸ファンクラブ』の高橋多枝子さん(60)は「タニシやアカガエルがいなくなった」と憂える。十数年前までみかけたキツネの家族も姿を現さない。その後、農家が盛り土を掘り起こして小川の一部を復元させたが、ゲンジボタルなどが戻ってくるかどうか。元通りになるのは難しそうだ。
 海辺でも乱獲や埋め立て、護岸整備などで、多様な魚介類が生きる干潟が失われ続けている。アライグマやカミツキガメのような本来は日本にいなかった外来種が、在来種を脅かしてもいる。
 05年公表の国連の報告書によると、推計で、毎年約4万種が絶滅している。現在は、恐竜の時代以来の『大量絶滅時代』に入ったといわれている。」

 「多様性」というのは生物が生きて行く上で一番大事なことで、これがなくなると絶滅します。人間の世界でも、世論に多様性が失われれば独裁政治を招き、文化に多様性が失われれば活力を失い退屈なものになり、企業に多様性がなくなれば競争原理が失われ消費の落ち込みを招きます。
 生物でも同じ事で、食物連鎖のピラミッドを考えてもらえば分かりますが、生物の種類が多ければ多いほど、ピラミッドの高さは高くなり、またそれぞれの層が横に広がり、多くの生物が生きていけることになります。
 上の記事で提起されている生物の多様性を守るには、まず、生息環境の悪化を防ぎ、外来魚に大してはその天敵となるような動物を輸入する、またはそれが不可能ならば外来魚の駆逐を徹底的にやる、相続税で林や田畑を手放す地主がいるのなら税務署は物納として納めてもらい、国は林や田畑を保全する、そして環境庁は国土庁がすすめる干潟の破壊に対して断固たる姿勢をとる、などの解決策が考えられます。ということは政府の力が非常に求められることになる訳です。次の総選挙では、環境問題に取り組む熱意のある人に投票しましょう!