gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

上橋菜穂子『神の守り人(上)来訪編』

2008-06-06 18:31:23 | ノンジャンル
 6月3日の朝日新聞の朝刊に、江戸時代の欧州列強の間では、日本がロシア、中国、トルコ、神聖ローマ帝国などと並んで世界七帝国の一つに数えられていた、という記事が載っていました。辺境の未開の地だと思われていたとばかり思っていたら、こんなに評価されていたなんて、江戸幕府あなどるべからず、です。

 さて、上橋菜穂子さんの'03年作品「神の守り人(上)来訪編」を読みました。
 ロタ王国の牢城で囚人、看守が喉を咬みつかれたようにして虐殺される事件が起こります。ある女性が禁を犯して神の墓に侵入した罪で処刑された時に起こったものでした。神の降臨に関わるタルの民を見張る一族〈猟犬〉のファシルは、神を降臨させた疑いがある女性の娘アスラを殺そうとしますが、女用心棒のバルサが商品として売られようとしていたアスラを救ったため、殺す機会を逸します。その代わり、ファシルはバルサの親友の薬草師タンダと、アスラの兄のチキサを人質に取り、アスラとバルサを探します。とそこへ謎の男がバルサに指定の時間に指定の場所に現れなければ、タンダとチキサの命はない、という脅迫状を届けます。バルサは敢えてその罠にかかりに出発します。

 これは、本の題名から分かるように、2册の分冊の前編です。今回は獰猛な神を呼ぶ少女をめぐり、ロタ王国を舞台に、国とバルサ、そして謎の人物が対決するという話になっています。前半でのタンダは人質としての役しか与えられていませんでしたが、後半ではどうなるのでしょう? そして少女と兄には平和な時間が戻ってくるのでしょうか? 国の利益の問題もからみ、どのような決着になるのか、後半が楽しみです。これだけ先が楽しみなのも、前半での盛り上げ方がうまい証拠でしょう。上橋さん、さすがです。

P.S 今日は世界の人々に希望を与えたボビーことロバート・F・ケネディの命日です。黙祷を捧げたいと思います。