計画換気についての私見

2006-11-12 23:08:10 | 家のこと(土地決定まで)

今日は換気システムに関する私見を記録します。
高気密住宅においては(もちろんそうでない住宅においてもですが)換気というものは絶対に必要です。建築基準法の改正でシックハウス対策として、住宅には必須の設備であるということは大前提とされるようになりました。しかしながら規定があるからという理由だけで申し訳程度の換気扇が取り付けたりする業者もあるそうですが、高気密住宅ではそれは絶対に許されません。気密性が高いということは建物の隙間が小さいということなので、自然に室内と室外の空気が入れ替わることは期待できません。ですので、計画的に機械を使って空気を入れ替えて(2時間に1回、室内の空気が入れ替わるのが目安だそうです)やらないと、人間の体にとって害になるよどんだ空気が室内に溜まることになるのです。化学物質過敏症になられた方の話を新聞や雑誌でよく見かけます。いったんこの症状が出ると、完治が難しく、化学物質に対する反応は想像を絶するほど悲惨なものになります。HPなんかでも体験談が公開されています。是非一度読んでみてください。怖いですよ。
換気システムにはいくつかの考え方があります。機械によって給排気を行うもの(第1種換気)、吸気のみを機械で行うもの(第2種換気:排気は室内の正圧により自然に行う)、排気のみを機械で行うもの(第3種換気:吸気は室内の負圧により自然に行う)です。僕が調べられた範囲でそれぞれのメリット・デメリットをまとめます。
○第1種換気(全熱交換型)
・メリット
全熱熱交換(室内の温度や湿度を吸気に交換できる)できるのでエネルギーロスが小さい。機械での吸排気なので室内にかかる圧力を調節できる。多少機密性が悪くても(C値2程度まで)計画換気ができる。
・デメリット
湿度も交換するため、吸気ダクトに湿気がたまりカビなどの汚れが付着し、吸気する空気も汚れる危険がある。イニシャルコストが高い。メンテナンス(フィルター交換等)に手間がかかる。全熱交換にしても冬は過乾燥する。
○第2種換気
この換気方法については採用例が極端に少なく、あまり議論されていません。イニシャルコストが第1種換気と変わらずにデメリットは同じで、熱交換できない(?)ためか、メリットがあまりないためと思われます。強制吸気なので室内が正圧になるのですが、そうなることにおける人体への影響についてもさがすことができませんでした。このため、現実的に換気を選択すると、第1種か第3種になるものと思われます。
○第3種換気
・メリット
イニシャルコストが安い。メンテナンスが楽。構造が単純であるため、システムの故障が少ない。
・デメリット
機密性が低いと計画換気が機能しない(ショートカットが起こる)。外気を直接取り込むため、エネルギーロスが発生する。冬には乾燥した空気を取り込み、暖めるため、また室内が負圧になることも相まって、冬は過乾燥となる。

こんなところでしょうか。僕が一番気にしているのは冬の過乾燥です。僕個人の話ですが、空気が乾燥した季節を迎えると、むこうずねがカイカイになり、続いてウェスト部分もカイカイになります。以前はこの辺りに肉が多かったため“贅肉がカユイ!”と冗談を言ったものです。とまぁ、このような乾燥肌のため、また子どもたちも基本的に乾燥肌ですし、空気が乾燥していると風邪をひきやすいということもあり、気になっています。普通に考えると全熱交換できる第1種換気を選択かなと思うのですが、外断熱を施工されているいくつかの工務店さんに確認すると、全熱交換型の第1種換気システムを採用していても、確かに第3種換気システムと比較すると程度は軽いとしても、冬の過乾燥は避けられないそうです。やはり観葉植物や水槽を置いて、住まい方で工夫する必要がある。うーむ・・・それなら全熱交換型の意味がないんよなぁ。エネルギーロスよりも湿気の方が僕には重要なんよなぁ。程度は軽いと一口で言っても人によって感じ方は違うし、自分が我慢できる程度なのかそうでないのか。こればっかりは住んでみないとわからないですからねぇ。イニシャルコストをかけて費用対効果が得られないのは悲しいことですから。また、第1種換気は吸気ダクトの汚れが致命傷になることがあり、これを見越してダクトを交換できるような施工ができるかどうか、工務店に確認したところ95%無理ということでした。交換しようとするとやはりダクトを表しにしなければならないそうです。一方では東北以北の寒冷地でない限り、第1種換気までは必要ないとも聞きます。湿度のことを考えて、当初は第1種換気が最適かとも思ったのですが、今は第3種換気の方が僕の中では有力になっています。となると、冬の過乾燥対策を練っていかなければなりません。地味でアナログ的な対応を皆さんされているんですが、うちも同様に地道な努力が必要なのかなぁとしみじみ考える今日この頃です。
では。