失敗との向き合い方

2020-12-27 13:57:44 | リーダー
人間は必ずミスをする。
しかしミスをする可能性を少なくする準備はできる。
それでも残念ながら、ミスは発生する。
私自身は仕事をする人間として、ミスが多いと自覚している。
不注意、思い込み、忘却。。。私ひとりでもミスの見本市を開けると思うくらいのミスをしてきた。
つい先日も、ミスに基づく大失態を犯したばかりだ。

ミスや失態を犯したとき。
後悔、羞恥心、自戒。。。色々な言葉に体中が支配される。
目の前は絶望しか見えなくなり、聞こえる音はすべて絶望の音色となる。
そのときの自分にはそれがすべてであり、ポジティブな考え方なんてできるはずはない。
人格が絶望に支配されて、何をするのも上の空。
こんな経験、ないか?

そんなとき、意識するといいのが、より客観的な、より大きな視点を持つこと。
確かに、大きなミスはそのときの自分にとってすべてであり、支配もされるだろう。
そこで自分を客観視する。
第3者としてもがき苦しむ自分を見る。
例えば、自分以外の者が同じ過ちを犯せば、自分はどう思うかを想像してみる。
上司として、そのミスを捉えてみるとどう思うかを想像してみる。
極端な話、自宅のとなりのおばちゃんになってみろ。
自分を支配するミスは、彼らにとってはたいがい、何の問題にもならない。
おそらく、たいがいの人のミスは、となりのおばちゃんにとっては屁とも思わないものだ。
そう考えると、自分を支配する絶望感は、だんだん小さくなる。

これはミスの解決にはならない。
でも、ミスに手かせ足かせをかけられた自分を解放し、よりよい方向に動かすきっかけにはなり得る。
絶望の呪縛にさらされているときは、そこから逃れることが最優先だ。

仕事をしていると、本当に色んな感情に遭遇する。
感情に左右されるのはよくないが、その感情を感じなくなるのはもっとよくない。
色んな感情をコントロールすることが必要だ。

目的と手段

2020-12-15 20:43:34 | リーダー
目的と手段。
これははっきりと区別しておかなきゃならない。

組織内で協議をしていて、よく感じることがある。
内容が目的を達成するための協議ではなく、手段を達成するための協議となってしまっていることだ。
色々な手段を机に並べて、どの手段が“最高”かをひたすら議論していることがある。
安価なもの、手軽なもの、頭を使っていそうなもの、努力が形として残るもの。
まさに手段と目的を取り違えた、愚の骨頂を会議で論じているのだ

あーでもないこーでもないという無味乾燥な議論が好きな輩が、確かにいる。
恥ずかしながら、私の組織にはそのような輩が多い。
自分の知識をひけらかしつつ、自分の論理に酔いつつ、手段を論じている。
そこに目的を確認する意識はない。

物事を議論していると、目的を見失うことはよくある。
これは物事をうまく運ぼうと思うと、手段についての検討に時間を取られるためだ。
しかし、大切なのは目的。
議論に行き詰まったとき、検討に行き詰ったときこそ、目的を確認するという原点回帰が有効だ。
目的を再認識することにより、解決法が見えてくることもある。

原点回帰。
これはリーダーが忘れてはならないキーワードのひとつだ。

面談のススメ

2020-12-06 11:55:57 | リーダー
部下との接し方。
これは非常に難しく、また、繊細なテーマだ。
部下は人間であり、人間は感情の生き物だからだ。
部下との接し方に正解はない。
そもそも人との付き合い方に正解などない。
頼れるのは人を見る目と、その人にどのように対応するべきか判断する自分の感覚だ。
ただ、経験上、部下との人間関係において、ひとつ確実に感じることがある。
話し合う機会を多くすればするほど、物事は転がるということだ。
良い方向か、悪い方向かは様々だが、とにかく話をすることにより転がすことができる。
部下と面談をする、と聞くと当たり前のように聞こえるが、我が社ではこれがなかなか実践されていない。
なぜか?
時間が取れないというのは言い訳にすぎない。
時間なんて作ろうと思えば作れる会社だ。
なぜ、上司は部下との面談の場を積極的に持たないのか?
それは、仕事が増え、その仕事をしないと求心力が低下するからだ。
上司は、面談することにより課題が明らかになり、それに対応する必要が出てくる(まぁ、それが目的でもあるのだが)。
面談をすればするほど、今まで気付いていなかった問題が表面化する場合もあるかも知れない。
面談では、多くの人がいる前で話せないことを話すことになる。
多くの問題がくすぶる組織で面談をするというのは、上司にとっては自爆行為なのだ。
また、面談で部下が上司に対応してほしい問題を訴えたとする。
それに対して何もしなければ、上司には無能のレッテルが貼られることになり、また、面談自体が無意味のレッテルを貼られることになる。
こうなると面談をすることすらおぼつかない。
部下は上司との話し合いを時間の無駄としか考えなくなるからだ。
そしてほどなく、リーダーの求心力はゼロとなる。
こう考えると、面談に対して恐怖心しか出てこない。
このように、部下との面談に対するハードルは高い。
ただ、百害あって一利なしかというとそうでもない。
冒頭で書いたように、物事が“転がる”のはいいことだ。
課題が明らかになり、それに何らかの対応をすると硬直していた問題が動き出す。
上司は、それが良い方向に動くように努力しなければならない。
良い結果にならずとも、良い方向に動くように努力することが大切だ。
それにより、部下は“話を聞いてくれた”→“問題を理解してくれた”→“問題が解決するよう動いてくれた”と考える。
問題が解決することが重要なのではない。
リーダーは人間だ。
人間のできることなんて、たかが知れている。
問題を解決するよう努力することが重要なのだ。
億劫がらずに部下との面談を行い、出てきた課題にしっかりと向き合う。
大変なことだが、これにより人間関係が形成され、求心力を高めることができると考える。