”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

1杯の月見そば

2010年08月23日 23時10分47秒 | 想い出
昨日はそばを話題にしたが,ついでに思い出話を披瀝したい。
一昔前,「一杯のかけそば」という美談が一世を風靡したことがあった。
人には誰にでも,節目節目に思い出の食事があることが多い。
で,僕の場合は「かけそば」ならぬ「月見そば」。
母方の祖母が脳梗塞で倒れ入院したのはおよそ40年前だったと思うが,入院したところが中島町の共愛会病院,そこに確かひとりで見舞いにいったことがある。
その日は,祖父(正しくは養祖父なのだが,血がつながっていなかったことはそのころは知らなかった)も見舞っており,帰りは一緒に病院を出て,堀川町電停まで歩いてきたのだが,その時電停近くの長寿庵に入って,初めて二人きりで食べたのが月見そばだった。
祖父とは後にも先にもその1回だけの食事だったが,妙に忘れられない。
実は,月見そばは生玉子が崩れると,汁を全部飲まないともったいない気がする。(実に卑しい話だ)
しかし,まだ子供だった僕には飲み干すことができずに残してしまったことが,祖父に申し訳ないという悔いとなって今日に至っているのだろう。
その後,成長して月見そばを食べる時は汁を全部飲み干すことへの義務感に支配されてしょうがない。
さらに,歳を重ね現在に至るのであるが,今度は高血圧のせいで,あまり汁を飲めないようになるとやはり月見そばはなかなかチョイスできない代物となった。
別に美談でも何でもない・・・・・函館弁でいわゆる「ほいど」の話,一杯の月見そばでした。