まてぃの徒然映画+雑記

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経済成長って何で必要なんだろう? シノドス編

2010-07-25 22:57:55 | 読んだ本


keizaiseicho
経済成長って何で必要なんだろう?

シノドスの芹沢一也と荻上チキが企画した、応用経済学者の飯田泰之をホストに迎えた対談集。対談の相手は、経済学者の岡田靖、『希望は、戦争』のフリーライター赤木智弘、NPO法人もやいの事務局長で年末派遣村村長の湯浅誠で、はたして経済学の言葉が現実に通じるのか?がひとつのみどころ。

そして自分にとっては岡田靖との対談で戦後経済史をざっと眺めることができたのが大きな収穫だった。戦前の日本は今と同様に経済的・技術的に世界の一等国だったことは新鮮な視点だった。

戦中の『欲しがりません、勝つまでは』的倹約生活が刷り込まれているので、そんなに繁栄していたイメージはないのだけど、大正デモクラシーから515事件くらいまでは男性だけだが普通選挙をじ実施するくらいに成熟していて、だからこそ米英を敵にまわして戦争ができんだし、世界最大の戦艦大和や武蔵を造ったり、零戦の性能を見ても世界的な優等生だったことがわかる。

そういった背景があって戦後の焼け野原、バラックでの闇市から神武、岩戸、いざなぎ景気を経て所得倍増計画や高度経済成長に繋がり、『Japan as No.1』となるわけだけど、戦前の経済技術レベルを踏まえると、ただ単純に戦前に戻っただけじゃん、みたいな感じがしたのが新鮮でした。

赤木さん湯浅さんとの対談は、学者がリアルに対してどうしたら関わっていけるかを手探りしている感じでした。リアルからの問題提起に対してどうやったら経済学がその解決の一助になるか、その方法論を一生懸命探しているみたいな様子で、モヤモヤ感の残る対談でした。

バブル崩壊からの失われた20年で、日本は実質的な経済成長をほとんどしていないわけだけど、リフレ論者のいうようにデフレを退治しなければいけない、つまり好景気になれば現在の貧困やら失業やらといった問題が解決しやすくなるのは事実なんだろう。そういったいわゆる『カネ』の問題が解決して次に経済的なものを超えた何か、がくるんだろうな。

対談のホストである応用経済学者の飯田氏のような専門家が、もっともっとマクロ経済の運営、ようは財務省と日本銀行に入っていってもらいたいものです。東大法学部卒が財務省に入ってマクロ経済を運営するなんて、法律を書くしか能がない役人が財布を握っているという、ある意味とんでもないことなんですね。
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