おぴにおん・三宅宏実
▲ まだ読まぬ読みたき本は山となり私はつねに山裾にいる 松井多絵子
読書の秋になった。私には読書は「夏こそよけれ」。猛暑の夏は歩きまわれば「帰らぬ人」になりかねない。家で読書をして脳を運動させればいい。でもこの夏も読み残しの本が山。
本日 朝日新聞朝刊のリレーおぴにおん 本と生きる④は重量挙げ五輪メダリストの三宅宏実。2004年アテネから五輪4大会に連続出場し、12年銀、16年銅。1985年生まれ。
三宅宏実は20代の半ばまで、本はほとんど読まなかった。すぐ眠くなる。母から奨められた本で変わった。道尾秀介の小説「向日葵の咲かない夏」を一気に最後まで読み言葉に興味がわいてきた。2008年の北京五輪でメダルを逃し、自分と向き合う必要性を感じた。自己分析のためにノートをつけたら記録が急に伸びた。読書に目覚めたのは、そういうタイミングだった。
今年からは、本のタイトルや著者とともに響いた言葉をメモに書き留めている。「一日一生」という、天台宗大阿闍梨の酒井雄哉の本で出会った言葉。その日全力でやりきることの大切さを学んだ。人間は変われる。本当に変わりたいと思ったときこそ、力が出るのではないかと、三宅宏実は気づく。
~自分を探すために、本屋に行くのかな。私は何をしたいのか、自信がなかったり、軌道修正をするために行って、本を選ん回る。心が動くタイトルやジャンルには、心理状態が反映される。本屋はそれを確かめる場所になる。~ここで三宅宏実のおぴにおんは終わる。
宏実さんの愛読書「夢をかなえるゾウ」を読みたくなりました。
9月13日 松井多絵子