東京二十三区女
★ エアバスの窓より夜の東京を星の都のように見ており 松井多絵子
「もうじき羽田空港に到着です」というアナウンスがあると、夜の下界は俄かに華やかになる。まるで星座の群がるようだ。その東京に生まれ育って今も暮らしているのに、私は東京を知らないような気がする。秋も春も他府県への旅を繰り返している。
今日は9月11日、日曜である。新聞は新刊の本の広告が賑やかだ。「東京二十三区女」が目に付く。~あなたの街の秘密を、教えてあげる。誰もが知っている場所の、誰も知らない”人の過去”。戦慄のミステリ。著者は長江俊和 ♦東京23区に仕掛けられた罠にあなたは何頁目で気づけるか。怖いのは、秘密か女か。
<板橋区の縁切榎> にかけられた一枚の絵馬。妻との離縁を願う夫の本当の理由は
<渋谷区の暗渠> に呼び出された男が遭遇した、驚くべき正体とは。
<港区の六本木ヒルズ> に住む男が深夜タクシーで家には辿り着かず、、。
<江東区の夢の島> ゴミの山に男と女が運びこんだものは、、。
<品川区の大森貝塚> に現れたのは、殺人現場でいつも見かける黒髪の女だった。
以上の区は私の家からかなり離れている。東京は何とも広い。複雑でややこしい。初めて行く場所は地図で調べる。地下鉄は迷い出したら地獄へ行くような、、まさか。
★ 乗り継いで地下鉄乃木坂下車すれば地中の都市へ続くがごとし
9月11日 松井多絵子