✿ 美貌格差はアテにならない?
▼ 勝ち組になるのはイケメンではないとジャガイモみたいな男が言いぬ 松井多絵子
「美貌格差」の経済学 という見出しにつられて☀の<経済気象台>の欄を読む。「美貌格差~生まれつき不平等の経済学」という本があるらしい。約20年にわたり調査した著者ハマーメッシュ氏の分析によると、「イケメン」は、生涯所得で2700万円も得をするとのことだ。アメリカの大学の調査によると起業規模の大きな会社のCEO(最高経営責任者)はイケメンが多いと書いてある。女性向きの商品を生産、販売している企業は当然かもしれない。しかし使用する女性の立場で造られた製品は必ずしもイケメンが成功するとは限らない。
経済気象台のこの記事を書いている井蛙氏によると、氏の約40年の肌感覚では、日本企業でイケメンの最高経営者はほとんどいない。「どうしてこんな顔が」といううような御仁が圧倒的に多い。個性あふれる外見は、企業の発展に力を尽くし、修羅場をくぐり抜けてきたビジネスマンの証し。あるいは生まれつきの不平等を「なにするものぞ」と反骨精神で打破か。
「先行き不透明な経済情勢のなかで、経営のかじ取りするのは並大抵のことではない。顔に刻まれた皺の一本一本を観察して味わえる「奥行」を重視したいものだ」が最後の段落。
リーダーになる人の多くは話が上手い。簡単、明瞭、魅力的な言葉で部下を引きつける。いわゆるアメと鞭をタイミングよく使う。だからカッコよくイケメンに見えるのではないか。女性で成功している経営者については語られていない。が美女ではなく女に見える人であろう。
▼ 米つくり始めしひとは卑弥呼なれ浅きみどりの棚田ひろがる
ほんとうにいたか、いなかったか分からない。もしいたなら卑弥呼こそ日本の最高の女性経営者ではないか。新米の出回るころは卑弥呼は実在し、美女だったと思いたい。
8月14日 松井多絵子