~ フェリーの火災 ~
◓ どこまでもどこまでも海、どこまでもどこまでも空がつづいていたり 松井多絵子
美文字老女A子は飛行機に乗らない。「あんな重いものが空を飛べるなんて信じられない」という。大好きな北海道へは汽車や船でゆく。私は「あんな重いものが海に浮かぶなんて信じられない」ので船にはあまり乗らない。昨日午後5時にフェリーの火災があった。苫小牧沖で「さんふらわあ だいせつ」、テレビを見て驚いた。7年位前に私が乗った船、しかも苫小牧で下りたり乗ったりしたあの ☀ の描かれた白い船である。
富良野のラベンダーを見るツアーだった。蔵王のお釜の観光の後、大洗港から北海道へ向った。船がコワイ私がこのツアーに参加したのは、以前、濃霧のため見ることができなかった蔵王のお釜と、たびたび見損なっていた富良野のラベンダーを見るためだった。そして私の願は叶った。大洗港を離れてまもなく陸は見えなくなり、見渡す限り海原、船と擦れ違うのを見たのは2度だけ、船客たちは甲板から手を振ったが、かなり離れていて反応はなかった。昨日は近くを航行していた別のフェリーに救助されたそうで、乗客93人は無事、不運のなかの幸運だった。
あの客船はまるでホテル、浴室から夕日を眺め、バイキング、食後はコンサート、朝食の後もミニ・コンサート、そして苫小牧港へ。富良野で満開のラベンダーに囲まれ、ランチ、その後札幌にゆき自由行動、夕食を済ませ港へ戻り客船に乗った。目覚めた時は大洗港。2泊3日のいい旅だったが。昨日火災のあった船は、旅客定員154人、乗用車62台、大型トラック160台が積載できるとは。そんな重い船が海を走るなんて私はやはり船がコワイ。。
◓ この青いビーチサンダル脱いだならあの八月を失うような
8月1日 松井多絵子