~ 男たちは何におびえているか ~
♦ 女が強くなったのではない男らが子猫のようになっただけです 松井多絵子
7月最後の日曜☀読書 売れている本 『男たちは何におびえているか』
スゴイ題名の本だ。もし『女たちは何におびえているか』 なら売れないだろう。女が強くなったといわれるが、ごく少数の美と才と人脈に恵まれた幸運な女だけだ。夜道を独り歩くことさえ怖い。男の腕力にはかなわない。そんな男たちが何をおそれているのか。
♦ 星の名のひとつを彼はいうように星を見ながらリストラだという
著者の奥田祥子が10年にわたり取材した男たちの痛ましさを伝えるノンフィクション。この著書の評を書いているジャーナリストの佐々木俊尚は、「同じ男としてなんとも切ない気持ちにさせられる」と。就活に失敗、非正規雇用を続ける男、派遣切りに遇い 「求人は女性中心の仕事ばかり」と怒る男。そういえばホームレスは男ばかり、女は一人しか見たことがない。求人の多くはサービス業で、女に向いているのか。今とくに求人の多い介護も女むきの仕事、老女が老人を介護する、健康な老女には職場があるらしい。
♦ ペットショップのうさぎの耳を撫でしのち店より去りゆく細身の男
プライドばかり高く結婚できない男にもやさしい眼差しを向ける著者。1966年京都に生まれ、ニューヨーク大学文理大学院でメディア論、社会心理学専攻、読売新聞入社、読売ウィークリー、、。まるで優秀な男のような奥田祥子。独身か既婚か定かではない。著書の最後に 「現実から目を背けず、男であることから逃げないで、一歩ずつでも前進していってくださることを願ってやみません」 (講談社+α新書・950円)
♦ わたくしを女とおもわぬ青年とひとつベンチに、池の汀の
8月8日 松井多絵子