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現代の暗部を刺激的に描く名作です。必見の映画です。
監督 ラジ・リ
出演 ダミアン・ボナール他
ビクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」とは内容は違う。しかし「レ・ミゼラブル」の舞台となり、現在は犯罪多発地区の一部となっているパリ郊外のモンフェルメイユを舞台となっています。そして、環境が犯罪を生むというテーマも共通しています。「レ・ミゼラブル」の発展作品と言っていい作品です。
内容は次の通りです。
アフリカからの移民が多く、その移民がコミュニティを作っている。経済的にも恵まれていなく、独自のいくつかのコミュニティが出来、それぞれがお互いをけん制しあっている。警察は押さえつけるしかなく、暴力的な取り締まりをする。反発が生まれ、すべての住民にフラストレーションがたまる。ちょっとした事件がきっかけとなり、それが次第に大きくなり、子供たちの暴動に発展する。
経済の格差は、人の心を蝕んでいきます。何をやってもうまくいかない状況に陥っている人たちは、頼るものを失い、裏の世界で生きるしかなくなります。一方、経済の恵まれている人は、下層の人たちに恐怖を覚えます。警察は、下層の人たちが言うことをきかないので厳しくならざるをません。その地域の住民は、その中にいるものしかわからない、不思議で奇妙なバランスの上に生きることになります。第三者が見れば理不尽にしか思えない奇妙なバランスです。バランスが崩れると悲劇がうまれます。環境が悲劇を生んでしまうのです。この映画はリアルに格差が悲劇を生む状況を描いています。見事です。
しかし、この奇妙なバランスはどこにでももあります。平和に見える日本においても同様です。不思議な人たちが権力を持ち、そこに取り巻きがいます。一方では、同じ地域に全く別のコミュニティが生まれ、その力関係によって理不尽なことが横行し、バランスを崩すと悲劇が生まれるのです。
勇気を持って対話をすること、すれが唯一の解決の方法なのです。
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ということで映画「レ・ミゼラブル」公式サイトも観てみました。
今、ヨーロッパでは移民問題が大きくクローズアップされていますが、移民問題は今はじまった話ではなく、欧米の文明を作ってきた歴史そのものなんですね。
日本に住んでいると近年ヘイトスピーチ等が、取り上げられているようですが、欧米のそれは桁違いの大きさなのかと想像しているところです。
経済格差は永久に続く気がします。
日本が豊で、あまりにも平和なので、欧米や中東に途上国の矛盾には肌で接しないと分からないのでしょうね。