
坂元裕二脚本の映画『ファーストキス』を見ました。展開がおもしろく、生き方について考えさせられました。
結婚して15年が過ぎ、いつの間にか関係が壊れてしまった夫婦が主人公です。二人は離婚を決め、夫はその離婚届を持ったまま夫は電車に轢かれてしまいます。線路に落ちたベビーカーに乗っている子どもを助けるために飛び降りたのです。
ふとしたことから妻はタイムスリップすることができるようになり、夫が死なないように過去に戻って過去を変えようとします。しかし、うまくいきません。失敗を繰り返しながら、なんとか夫を助けようとする展開がとてもユーモラスでおもしろい作品です。
ただし、少し雑なように感じてしまいます。この映画の一番のポイントはなぜこの二人の関係が壊れてしまったのかにあるような気がするのです。ちょっとしたことだったのだと思いますが、その描写が少なく、うまく伝わってきません。だから妻があれだけ繰り返し過去にもどる姿が説明が納得できなくなるのです。
また、タイムスリップを安直に使いすぎているようにも感じます。去年話題になった『侍タイムスリッパー』はタイムスリップ自体が物語を動かす重要な要素になっていました。しかしこの映画はタイムスリップは単なる道具になってしまって、これだったらなんでもできてしまうように感じられるのです。もう一工夫があればなあと感じてしまいました。
とは言え、ちょっとした人との接し方が人生を変えてしまうという教訓は十分伝わってきました。自分の普段の生活を振り返る大きなきっかけとなる映画でした。
CGの利用なのだと思いますが、若返った松たか子を登場させるという技術は映画の可能性を広げるものだと思います。これも驚きでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます