昨日、専門者会議が「一両日」にわかったこととして次のような発表を行った。
(1)症状の軽い人からの感染拡大
これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。
この見解に疑念を持っている。内容に関してではない。実はこの内容は1週間前にはわかっていたのに「一両日」にわかったと言ったのではないかということである。
いまだに山形県では感染者は出ていない。しかし私の勤務校でもここ数週間に高熱で何日も学校を休んだ生徒が数人いた。肺炎と診断された生徒もいた。これらの生徒は新型コロナウィルスの感染という診断は受けなかった。しかし報道でも紹介されていたが、「中国」というキーワードがなければ検査を受けさせてもらえなかったのである。実は新型コロナウィルスによる肺炎だった可能性を否定はできない。高校生は抵抗力が高く、免疫力も高いので比較的軽い症状ですむ。だから表面上大きな問題にならない。しかしそれによって多くの人に広めた可能性がある。
そもそもしっかりと検査をしていればこんな疑念はおきない。一番の問題は初動の遅れだったのである。それをごまかして「一両日」にこれがわかったとしらじらと発表したのではないか。
新型コロナウイルスの検査を国立感染症研究所職員が妨害しているとという指摘もあったし、民間の検査を活用すればもっと検査が大量にできたはずだという指摘もある。いずれにしても疑念が起きるようなことばかりをしてきたのである。
さらには安倍晋三氏も先週のうちにこの内容の報告を受けていたのではないかという疑念も生まれる。つまり、当初は新型コロナウィルスはどうせすぐにおさまるから事実を隠しておこうという方針だったのではないかと疑念である。もちろん邪推である。しかし検査のおくれという事実はさまざまな憶測を生み、さまざまな疑心暗鬼を生む。
「信頼のない総理大臣」がこの混乱の一番の問題なのかもしれない。