とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『カラマーゾフの兄弟3』(ドストエフスキー訳 亀山郁夫訳)

2017-08-19 11:38:30 | 読書
 やっと3巻目を読了した。

 ゾシマ長老が亡くなった。ところが遺体の腐臭が強い。聖人なのに臭いのでゾシマ長老に対して敵対していた一派の人たちはそれをよいことにゾシマ長老の威光を退けるような言動で新たな力関係を築こうとする。そこでの人間模様がドロドロして面白い。現在の日本社会を見ているようである。

 また、アリューシャがグルーシェニカから聞かされる「一本の葱」の話が』興味深い。「蜘蛛の糸」と同じような話なのだが、これが何を意味しているのか。

 アリューシャは修道院を離れ、俗世にもどる。

 この巻の後半はドミートリーの物語である。グルーシャニカに対する嫉妬から心が乱れ、父親の屋敷に忍び込む。そこで何が起こったのか。そしてそれによって「父殺し」の嫌疑がかけられる。

 その後のドミートリーの奇行、そしてグルーシェニカとの愛、そして事件。物語は謎の中に突入していく。

 縦糸と横糸がからみあい、複雑な構造であり読みにくい文章であるが、いよいよ最終巻に突入だ。
コメント
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