とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

大河ドラマの視聴率問題

2017-08-17 07:41:58 | TV
 『おんな城主直虎』の視聴率が伸びないという話題がネットニュースで時々目にする。それを見るたびに、それはしょうがないだろうと思う。視聴率だけを考えるならばこのような低視聴率になったのは、こんなに地味なしかも実在していたかどうかもわからないような主人公を選んだ製作者が悪いのはあきらかだからだ。しかし、大河ドラマに限らず、あまりに視聴率ばかりをクルーズアップするのはもうやめたほうがいい。

 大河ドラマの視聴率は、戦国時代を取り上げると上がり、それ以外では上がらないというのが一般的だ。戦国時代以外では明治維新がよく取り上げられるが、明治維新はあまり視聴率がとれない。

 戦国時代は信長、秀吉、家康とスターぞろいであり、他の戦国武将も想像力掻き立てられる個性豊かな面々である。史実もちょうどよいくらいにはっきりしていないこともあり、フィクション部分もいろいろと工夫できる。だからおもしろいドラマができる。

 それに対して明治維新はスターといえば坂本龍馬ぐらいで、他の人々は、一方では理想に燃える部分もあるが、一方では私利私欲が露骨であるがために、なかなかすっきりとしたわかりやすいドラマにならない。史実がわりとはっきりしているので、勝手な解釈を加えることもできずに、脚本家も苦労してしまうのである。

 『おんな城主直虎』は戦国時代のドラマではあるが、時代的にまた距離的にすこしずれているので、信長などスターとのからみはほとんどない。描かれる大きな事件と言えば「桶狭間」ぐらいである。これは地味だ。しかも、番組スタート時に「直虎」が女性であったという史実にも疑問が投げかけられ、このドラマの一番の売りであった史実にもいちゃもんがついてしまったのだから、視聴率があがるわけがない。

 とは言え、このように視聴率のことばかり気にしていたら、大河ドラマが戦国時代の信長、秀吉、家康が必ず登場するストーリーしかなくなってしまう。そうなってしまったら、「大河ドラマ」自体が終わってしまう。もちろん、そのほうがいいと思う人がいるかもしれないが、その結論は早急すぎよう。

 そもそもは視聴率偏重の最近のドラマ評価が大きな問題があるのである。いいドラマでも視聴率が伸びなかったものはいくつもある。逆に、こんなんで視聴率が高いのかと思わせるドラマもある。いいドラマなのに視聴率が悪いだけで低評価され、出演者が戦犯扱いをされてしまうなどという事態まで起きている。かわいそうだ。視聴率偏重は製作者も視聴者も不幸である。

 視聴率はひとつの指針であるが、それだけで評価するのはもうやめるべきだ。
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