とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

現代文の参考書シリーズ 時間論1 直線的時間観

2017-08-01 08:21:38 | 現代文の参考書
【直線的時間観】
 みなさんは時間をどのようなものだと考えているでしょうか。現代人は時間を直線でイメージしてると言っていいでしょう。過去から現代を通って未来へと進む一本の線ととらえています

 例えば、理科や算数の時間にグラフを書くとき、時間軸を横軸にします。1秒なり、1分なり特定の時間を単位として、直線で時間の経過を示しています。英語の時制を考えるときも、直線を引き、そこに過去、現在、未来という地点を書きいれ、イメージしていきます。歴史の年表も一本の線に事件が次々と書き込まれていきます。

 時間は早くなったり、遅くなったりせず、同じペースで流れていく。もちろん遡ることもありません。中学校の時、物理の授業で等速直線運動を勉強したと思います。他に力が加わらず、摩擦や抵抗がないかぎり、同じスピードで物体は永遠と運動を続けます。そのイメージで時間が流れていくと、だれもが考えています。

 ここで大切なのは、この時間の流れは誰に対しても同じように流れていると、現代人が考えていることです。「時間は平等だ」とよく言います。これに異論を唱える人は現代には誰もいません。逆にこれに異論を唱える人を見ると、なぜこの人はこんなことをいうのだろう。どこかの宗教関係者だろうか。あるいは、心理的な意味で言っているのだろうかと考えてしまいます。

 「時間は誰もに同じように流れる直線のようなもの」というのは現代人にとっては疑うことのできない「真実」なのです。

 しかし、私たちは時間を見たことはありません。時間が直線だという証拠はどこにもありません。実は時間が直線だというのはわたしたちの単なる思い込みなのではないでしょうか。
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